趣意書
学校法人常磐大学(以下、本学という)は、2009年に開学100周年を迎えました。この2009年を中心に前後5年間の計10年間を「開学100周年記念事業期間」として、各種の事業を企画推進致しております。
100周年を迎えて新たに設定された本学教育の目標は「世界的視野で考え、行動できる人間を育てる」です。これは建学の精神に則った教育の理念である「自立」「創造」「真摯」を更に発展させようとするもので、新たに加えられたミッションでもあります。本学のすべての教育機関で、このミッションに沿った教育を行い、社会貢献、地域貢献をして参ります。
さて、本学では、開学100周年記念事業の一環として、本学の発展に大きな貢献をした諸澤幸雄に因んで「諸澤幸雄奨学金制度」を設けました。
この奨学金制度は、厳しい経済的状況にあっても学業に専念できる環境をつくろうとするものであり、幼稚園を除く各学校に在籍するすべての学生・生徒を対象としています。
この奨学金は、未来への新しい一歩を踏み出そうとする学生・生徒を支援する制度です。諸澤幸雄の遺族からの寄付を原資とし、皆様から頂戴する、お心のこもった寄付金を加えて運用するものです。皆様の御理解と御厚情を衷心よりお願いいたします。
常磐100年のあゆみと諸澤幸雄の貢献
本学の創立者である諸澤みよは、1909年(明治42年)、21歳のときに水戸市馬口労町松本坪(現在の末広町)に小田木裁縫教授所を開設しました。本学は、この日を開学の日と定めています。女子教育に大きな使命感と理想を抱いていた諸澤みよは、1922年(大正11年)に水戸常磐女学校を開校し、校長に就任しました。
やがて、空襲による校舎焼失、敗戦、新しい憲法の発布と、激動の時代を迎えることになりましたが、その困難な状況の中で、みよは、戦後の日本復興のための人材養成が急務と考え、1948年(昭和23年)3月に常磐女子高等学校の設置認可を受け、学校の再興を果たしました。
1960年代になって、みよは一線を退き、後継を諸澤幸雄・みさをに託しました。幸雄・みさをは、これからは高等教育の重要性が高まるであろうと考え、短期大学の設置を計画しました。1966年に、家政科家政専攻・食物栄養専攻からなる常磐学園短期大学を開設し、みよを初代学長にしました。短期大学は、その後の1968年に幼児教育科が増設され、2年後に附属幼稚園が開園しました。
1974年7月、みよが永眠し、幸雄が、法人理事長、短期大学長、高等学校長、幼稚園長に就任しました。
1970年代後半になって四年制大学新設の構想が浮上し、幸雄理事長の下に、諸澤英道を室長とする四年制大学開設準備室が設けられました。3年間半の準備期間を経て、1983年、常磐大学人間科学部が開設され、初代学長には市村正二が就任しました。その後、英道が大学長となり、大学院人間科学研究科修士課程、同博士課程、国際学部、コミュニティ振興学部と、順次大学の整備が進められました。
他方で、1990年代になって法人全体の男女共学化を進めることになり、常磐学園短期大学と常磐女子高等学校を男女共学化して、名称も現在のような常磐短期大学、常磐大学高等学校と変更しました。また、2005年には、学校法人名を「常磐学園」から「常磐大学」に変更し、幼稚園から大学までの一貫教育を行う学校法人へと方向転換しました。
このように、幸雄は1939年に高校教諭に就任してから校長を退いた1999年までの60年間にわたり、理事長、短期大学長、高校長、幼稚園長などを務め、常磐の発展に多大の貢献をしました。今回の奨学金制度新設は、このような功績を讃えて創設したものです。
開学100周年を期してめざすもの
創立者諸澤みよの教育に対する情熱と使命感は幸雄・みさをへと受け継がれ、今日の発展の基礎が築かれました。この100年を貫いた本学の教育理念は「自立」「創造」「真摯」であり、現在のような混沌とした時代にあって、この理念はますます重要な意味をもって参ります。学生・生徒には、どのような状況にあっても自信を失うことなく自分自身をしっかり堅持し(自立)、自らを向上させて行くひたむきな気持ちを持ち続け(真摯)、自分の手で未来を創り出していく(創造)ことのできる個人へと成長してもらいたいと念じております。そのためにも、本学の総力を挙げて取り組んで参ります。
わが国は、この半世紀、自由で平等な社会を目指した社会づくりを進めてきましたが、残念ながら教育の分野ではそのようなことについてのしっかりした認識がなかったため、相変わらず「個の確立」ができていない若者を大量に送り出してしまいました。本学においては、一人ひとりの学生・生徒に注目し、その幸せを願った教育のあるべき姿を追求して参ります。
また、開学100周年を期して新らたに加えられた「世界的視野で考え、行動できる人間を育てる」というミッションは、これからの100年に向けて取り組む新たな理念です。これからの日本人には、「世界の中の私」という視点が強く求められます。自分の住んでいる地域を大切にしながら、同時に世界のこと、人類のことも考えられる人間を育てる必要があります。
このような人材育成をめざす学校法人として、たゆまず努力して参ります。皆様におかれましては、これからもご支援のほどよろしくお願いいたします。
諸澤幸雄奨学金へのご協力のお願い
本学は、厳しい経済的状況にあっても、学生・生徒が、学業に専念できる環境を整備するため「給付型奨学金制度」を設けました。奨学金制度の整備は、本学にとりましても、その財源確保が大きな課題となっており、広くご支援を仰がなければなりません。厳しい経済状況の中、このようなご支援をお願い申し上げることは大変心苦しいことではございますが、事情ご理解いただきまして、ご協力賜わりますようお願い申し上げます。



















