国際学部 経営学科

第4回学内研究会を開催

2016年7月14日(木)

7月14日に国際学部教員有志による第4回目の学内研究会が開催されました。

第4回目の報告は、経営学科の花岡龍毅准教授による「医薬品の「社会的生産過程」の研究 ― ゲフィチニブ(イレッサ)の事例― 」でした。

花岡准教授は、薬害はなぜ繰り返されるのか、という問題に対して、薬害の原因主体(製薬企業や監督官庁(国))への道徳的非難が薬害の原因と置き換えられる傾向にあるこれまでの薬害研究を批判し、それでは薬害発生の構造的必然性が明らかにされないとの基本的視点に立ちます。その上で、薬害訴訟の対象となったゲフィチニブ(商品名イレッサ)を事例として、医薬品の「社会的生産過程」という概念を用いて、薬害の発生構造を解明するための方法論を試論として提案しました。

報告では、医薬品の開発から生産、そして市場に出て販売後に未知の効能や有害作用が明らかになる過程、すなわち、ボランティアや患者、消費者が自己の生命や健康を危険にさらしながら企業に無償でデータを提供することを必須の契機としつつ医薬品が有用な商品として完成するまでの過程を全体として、「医薬品の社会的生産過程」と捉える仮説を抗がん剤であるゲフィチニブに適用して、詳細な検討が加えられました。それに加えて、花岡准教授のこれまでの研究の紹介や我々にはあまり馴染みのない医薬品の生産や薬害についての解説がありました。

参加者からは、マーケティングや経営論、また科学論や経済学の視点からの意見やコメントが出て、活発な討議が行われました。学際的な分野の研究で、刺激的で有意義な研究会でした。今後の花岡准教授の研究の進捗が大いに期待されます。