国際学部 経営学科

第9回学内研究会を開催

2016年11月24日(木)

11月24日に、第9回目の学内研究会が開催されました。研究会では、経営学科の北根精美教授が「トランスナショナルな社会空間の諸問題」と題して、最近の研究を紹介しました。

トランスナショナルな社会空間(コミュニティ)とは、グローバリゼーションによる人の国際移動(出稼ぎや移民)が造り出す多文化の共生社会のことです。しかし、他方で、送り出し国における地域社会の崩壊や受け入れ国における労働者との経済的な対立や文化的な摩擦・軋轢といった問題が出現します。それらはイギリスのEU離脱や米大統領選におけるトランプ候補の勝利のような大きな政治的変化の背景となっています。

北根教授の報告は、最初に以上のような今日の問題を指摘した後、日本のトランスナショナルな社会空間を概観し、最後に茨城県の特に農業における技能実習生に関する問題を取り上げました。

茨城県は、農業分野の技能実習生を日本で三番目に多く受け入れています(11,082人、19.7%)。これは、機械化が遅れている作業における労働者不足や賃金格差を背景としていて、技能実習生の存在は農業の大規模経営に欠かせないものとなっています。しかし、他方で、違法来日や無資格での就労、契約期間中の失踪や周辺地域との摩擦など大きな社会問題となっています。

政府は技能実習生の期間延長と業種拡大を決定したので、今後、技能実習生はさらに増加していくと予想されます。北根教授は、「技能実習生は期間労働者として定着するのか、それとも労働集約産業の担い手として、トランスナショナルな社会空間を形成するのか」という大きな問題意識の下で、茨城県の農業経営における技能実習生の役割とその受け入れのあり方について実証的な調査を行うことを企図しています。この重要な問題について、今後の研究が大いに期待されるところです。


研究会の様子