経営学科ニュース

2017年1月31日

第11回学内研究会を開催

1月31日に第11回目の学内研究会が開催されました。今回は九州大学大学院比較社会文化研究院の施 光恒(せ・てるひさ)准教授をゲストに迎え、「英語偏重の教育改革、社会改革への危惧―「脱グローバル化」の潮流を見据えて」と題するテーマで報告がなされました。

施氏は、政治学(現代政治理論、政治哲学)が専門で、著書に『リベラリズムの再生――可謬主義による政治理論』(慶應義塾大学出版会、2003年)があります。2015年に『英語化は愚民化』(集英社新書、2015年)という刺激的な題目の著書を上梓し、注目を集めました。研究会では、この著書の内容にその後の動向を加えたものが報告されました。

近年、「グローバル化対応」と称して様々な教育や社会改革、例えば、小学校の英語正式教科化、大学授業の英語化、企業の英語社内公用語化などがなされています。施氏はこのような「グローバル化=英語化=時代の必然的流れ」という見方に疑問を呈し、政治学者としての立場(リベラルナショナリズム)から批判を与えます。

施氏は、グローバル化はナショナルなものを浸食し、ひいては自由民主主義(リベラリズム)を壊す危険性を持つものであり、現在の英語偏重の制度改革は、これに加担し、日本の社会や教育あるいは経済を良くするものではないと主張します。昨年のイギリスのEU離脱やトランプ新大統領の出現は、グローバル化に対する人々の不安を背景にしており、脱グローバル化ともいうべき潮流を生じつつあると指摘しています。

報告では、このような論点以外にも自由民主主義の政治における母語の意義、近代日本の発展に対して日本語の果たした役割についても論じられました。時間の制約のため、十分に議論が尽くされたとはいえませんでしたが、その後の討論では、国際学部以外の学部からの教員も含めて11名の参加者から活発な意見が出され、有意義な研究会となりました。

研究会の様子

研究会の様子