
帰ってきたチャンドラ
RT21-Vは(開発コード名の)「チャンドラ」(猫の名前ではない)という愛称で一部携帯パソコンマニアにうけにいった機種だ。わたしもこの情報操作のエジキとなり、購入したのだが、いくつかの欠点と、所持していたThinkPad535と競合するということで、手放した。
欠点というのは、ポインティング装置が不安定なことと、ボディが華奢な印象で全体的な信頼感がイマイチであったことである。特にポインティング装置は一定方向に流れることが多く、販売先では「仕様」なのだということであったが、ちょっとひどいものであった。535の方が使いやすかったので、使用頻度が落ちていた。
その後、ディスプレイはSVGA(800*600)に、CPUはMMX
Pentium 166
、2次キャッシュ512KBにパワーアップされた「チャンドラ2(クラビウス1?)」が発表された。この時点では、535の魅力や能力を上回るものではなかった。しかし、この7月25日「本家」IBMよりさらにパワーアップされたThinkPad235が発表された(「チャンドラ3」(クラビウス2?))。これなら、535よりも小さく、その性能はディスプレイの大きさ以外、ThinkPad535をかなり上回る。ということで、ThinkPad235に戻ることになった。(メーカの思惑ではThinkPad220->230->235というシリーズらしいが、たしかに、220を思い起こさせるものがある。しっかり実用的になった今日的220という印象をもった。)
数日間使った印象では、改良点は以下のようなものである。
- ボディがやや強化されている。特に下部は頑丈な感じ。上のフタ(液晶の裏面)も強化されている印象だがチャンドラOEMである日立プリウス210なみか?
- ポインティング装置は「トラックポイント」と呼ばれるようになり安定した。(以上の2点がいまいち信頼性に欠ける問題点だったが改善された。)
- キーボードのタッチは、以前のカチャカチャ音が押さえられ改良されている。しかし、キーボード中央あたりはすこしたわむ。キーの間隔はかわらず15ミリで、タッチタイプするにはぎりぎり限界だが、よく考えてあり、使いにくさはない。
- コネクターの配置がよくなった。チャンドラ1ではキーボード手前にフロッピーのコネクターがあって邪魔だったが、これが後部にまわった。ただし、パラレルポートと共有。TP220以来つかってきたフロッピードライブは使えなくなった。
- メモリーは32MB実装。96MBまで拡張可。購入した店では、まだ動作保証の確認がとれていないということだったが、ADTEC
ADV-S64M144E(no parity, 144pin EDO
SO-DIMM)で動いている(フロンティア神代販売のチャンドラ3も発表になったが、RAMは160MBまで増設可(+128MB)、HDDは4.3GBに強化されている。)(50ns推奨ということだが60nsでもほとんど大丈夫とのネット情報)TP535を購入したのは2年ほど前になるが、メモリーは40MBが最大で、W95が32MB程度で十分ということだった。メモリー空間は拡大の一途である。
- ハードディスクは3.2GBとちょっと中途半端な大きさ。小さくはない。2.2GBがdrive
CでFAT16、1GBがDrive DでFAT32。(EPSON
Direct、フロンティア神代のチャンドラ3は4.3GB)
- ボディの色はThinkPadの黒で、落ち着いたものになった(マグネシュウム匡体の「B5モバイルコンピュータ」が「軽薄」にみえまーす(^^)。
- 本体性能とは関係ないが、チャンドラ用超高級ケース(皮製のぴったりしたもので、たしか5万円とかしていたオーソドキシイ製、いったいどんなヒトが買ったのだろう。)に似たものが「チャンドラ用革製ボディスーツ」(なんのこっちゃ)としてなんとびっくり価格の7900円で神代にありました。
ThinkPadファンの間では、チャンドラシリーズとして市販されていたため新味がなく、また、「マグネシウム」軽薄型機種の成功を見て、マーケットを後追いしたという点で辛口評価もたしかに存在している。しかし、携帯可能で実用的なコンピュータの基準はたしかにチャンドラシリーズによって示されている。
これまでの経験から、携行マシンにはサイズ以外の制約があってはならないことを痛感している。なにかデスクトップの機能が省略されたとたん、携帯することの意欲が薄れてしまうのである。実際にはそれほど長時間つかうわけではないので、たとえば、メモ程度とるのであれば、ウィンドウズCEや携帯ワープロでも十分以上の性能を備えているのだが、他のデータやソフトのことが非常に気になってしまう。(デスクトップ環境からなにも取り除かれていない、同じ環境であることが重要であると感じている)。
この点で、最近流行の薄型B5ノートはコネクタ類は別にアダプターを取り付けなければならないので、総重量は実際には増す。チャンドラではすべてのコネクタが取り付けられておりこの心配はない。ただし、USBが本格的に普及すればいくつかのコネクターは不要になる。(フロッピー、シリアル、パラレル、PS/2)。そうすると、たぶんさらに100グラムほど軽いチャンドラができる。
先日ある学会で、若い研究者がソニーのバイオでプレゼンテーションしていた。今風でかっこよかった。特に文字表示や画面切り替えにアクセントがつけられるのでOHPよりも訴求力がある。DOSのソフトに切り替えてデモを行い、講演は無事終了したのであるが、休憩時間の、あとかたづけの時ハングアップしていた。講演となると、バックアップ体制がないとちょっと怖い面もある。近場なら、ノートを2台もっていくことも可能だが、結局バックアップとして予備にOHP資料を用意する必要がありそうだ。(バイオでは外部CRT端子が外付けアダプターにつけられているのでプレゼン用にはちょっと不便。)
電池はかわらずビデオ用によく見かけるタイプ。IBMのロゴがしっかりプリントされている(中身は以前と同様ビクター・パナソニック系のもよう)。「モバイルパソコン」では電池が命なので、汎用電池を電源にしようとしている意図はよく理解できる(まだ、コンビニやキオスクで手軽に購入というわけにはいかないが)。実用性はともかく、TP220のときにも非常に短時間ながら単三乾電池で使えるようになっていた。しかし、ACアダプターは重量を増してしまった。TP560X,TP600用と同じ製品らしい(16VDC/3.36A)。TP535のACアダプターは電圧同じなのだが、容量がやや小さい(16VDC/2.3A)のでちょっと気になる。しばらく使っているが大丈夫、というのがもっぱらのネット情報(Nifty
serve・ FIBMTP2
・TP235)ではある。(神代ではチャンドラ2の電源はチャンドラ1と同じ15VDC/2.3Aで動いていた。チャンドラ3のパンフレットではチャンドラ2と同じ電源のようである。)
コードネーム?
チャンドラ1(P100/120,TFT640*480)
クラビウス1(チャンドラ2?)(MMX P166,TFT800*600)
クラビウス2(チャンドラ3?)(MMX P233,TFT800*600)
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