プログラム言語・Delphi2、3.1で心理学のためのプログラムを作る。

(卒論などでは実験プログラムが必要な場合には指導教員が面倒みてくれますので、心配は無用です。現在Delphiは3.1Jが最新です。)
基礎心理学の分野では人間の認知や学習の働きを実験的に調べるためのプログラムをつくることが多い。それは基礎的な実験や調査では、新しい事柄を研究することが多いため、プログラムや実験装置がないことが多く、自分たちで開発しなけらばならないことが多いためである。
いろいろ調べてみたところ「しろうと」にもなんとか利用できる言語として、また、たまたま、比較的わかりやすく書かれていた下記のDelphi
の入門書の2冊が心理学関係者であったという偶然もあって、Borland社のDelphi
2Jが候補としてあがってきた。
- Delphiの特徴は、岡本(1996、1998)、村上(1997)を参照されたいが、
- 基本的な文法はpascalで、非常にはやいコンパイル、完全な実行ファイルの生成、豊富なコンポーネントなどがあげられている。Visual
Basicもこれに似ているが、コンパイラー、実行ファイル生成の点でDelphiのほうが優れている。
- (しかし、ビジネスチャンスはVisual Basicの方に分があるかも?
あるいは、共通プラットホームを目指している JAVAに未来があるかも?)
- DelphiはいわゆるGUI(Graphic User
Interface)を備えた「オブジェクトオリエンテッド」な言語で(たとえば、Windows95などで、あるアイコンをクリックするとなにか仕事が始まるようなスタイル)、従来のプログラムとは異なるので最初はかなりとまどうが、このスタイルは結構心理学の実験プログラムの記述に合っているように感じられる。
- ただし、I/O制御が直接できない点がちょっと問題だが、方法はあるようだ(大野、1996)。
- 心理学の実験プログラムでは時間の測定が必要なのでWindowsのスタイルになってかえって「実時間」性を容易に満足できない心配があったが、Delphiではミリ秒単位の測定が可能のようである(現在のところ、精度は未確認)。
夏休みに4年生の佐藤君などと卒論実験用プログラムを開発したが、Basicなどのプログラム言語の知識・経験が少しあれば1カ月ほどで十分実用的なプログラムを作成できることがわかった。コンピュータはワードやエクセルをつかうことだけではない。プログラムができればもっとコンピュータを楽しむことができるし、研究上非常に有益な技能となる。プログラム言語はDelphiに限るものではないので、各自の用途と趣味により適切な「言語」を選択すればよい。
今年度(97年度)の卒論では
- 佐藤君の「確率的概念の識別」用の実験プログラム、
- 黒鳥君の「知覚における学習要因」についての実験プログラム、
- 山口君の「ゲーム理論」のプログラムを作成した。
- 心理学実験実習1では「人工文法の修得過程」の実験プログラムを使用している。同じく実験実習2(「カテゴリー弁別・2」)では上記の佐藤君のプログラムを使用している。
ふたたびプログラムが個人レベルで可能になったということで、また、15年前のapple
][
の費用で性能的にははるかにすばらしいハードウエアを購入することができるようになったことだから、Windozeなどといわずに昔とったなんとかでプログラムの勉強をすることとしよう(Version
3で実用になるというのが某MSの慣例でもあるようだからw3.1,w95,w98?でGUIもまともになるかもしれない?)。
- 岡本安晴 Delphi プログラミング入門:Object
Pascalの基礎から始める CQ出版社 1996
- 岡本安晴 Delphiで学ぶデータ分析法:プログラミングによる統計処理の実践的アプローチ CQ出版社 1998
村上宣寛 やさしいDelphi
日刊工業新聞社 1997(このページ上の写真)
- 大野元久 Delphi 2.0 Q&A
120選 ビレッジセンター 1996。
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