iMac六つのトホホ事情

iMacが8月29日発売された。商業的に は成功している様子で久しぶりに明るい話題だった。


現在何台目かのマックを愛用していているオールドファンのiMacについての感想である。現在はPowerMac7300/166を主につかっているので、最初はすぐにでも買おうと思っていたのだが、いろいろ調べているうちに、オールドファンには買い換えしにくい機種であることがだんだんわかってきてしまった。逆に言えば、これさえ満たされていたらすぐに買っただろう。


私情をはさめば、その1:外部ディスプレイ端子がない。EIZO FlexScan E141Lという液晶ディスプレイを使っているのでこれがつかえないのは大枚はたいた都合上精神的によろしくない。

プレゼンテーション用にもiMacなどぴったりだと思うのだが外部ディスプレイ端子がないので、とほほだ。たぶんアップル社内では会議用などのプロジェクターはマックに接続されていて、すべてLANで結ばれているのだろう。このような設備があるところというのは非常に限られる。mac OSは最初からマルチ・モニターをサポートしている。複数モニターでなく単純に並列に出力する外部ディスプレイ端子でも、非常に便利なのに。ああもったいない(WindowsではW98で実現)。


私情をはさめば、その2:外部記憶装置。たしかにUSBのZIPがでれば何の問題もない。USB接続のフロッピードライブがでれば何の問題もない。10/100EtherNetがついているのでまあ問題はないのだが。でもフロッピーディスクドライブはDOS/Vの世界では3000円ほどだ。DOS/Vの世界でもUSBが普及してたとしても、この価格ではちょっと無理だろう?(ホームページ用写真に活躍しているフロッピーデジカメSony Mavicaを愛用しているわたしとしては、とほほである。初代のMacで3.5inchのフロッピーが採用され、たしかsony製で、オートイジェクトなど非常に画期的なもので、その後パソコンでは3.5インチのフロッピーが標準的な記憶装置になっていった。)

USB-SCSIでは現在のSCSIバスの転送速度を超えることができないだろう?


私情をはさめば、その3:プリンター。初代無印のヒューレットパッカード・デスクライターを本当に壊れるまでつかった。その後、DeskJet720Cというのが一番気に入っていて、ウインドウズではこれを使っている。しかし、マック用はDeskWriter694Cという一世代前のプリンターで、ちょっと購入意欲がわかない(非常に安価ではあるのだが)。エプソンのはカラーは良いのだが、通常よくつかうモノクロのテキスト印刷の遅さが心配でちょっと買えなかった。それで、マックでは、ウインドウズでも使えるということでOKI 620CLを使っている。USB-appleTalkもしくはパラレルインターフェースとの変換アダプターがでるだろう。したがって、プリンターに関しては、むしろ選択肢が広がるかもしれない。しかし、いまのところは無い、という意味でとほほである。


私情をはさめば、その4:パワーブックやWindowsノートとのデータ交換で、フラッシュパッカー(メモリーカード)が便利なのだが、iMacにはPCMCIAカードスロットがないのが、とほほである。これもUSB-SCSIアダプターとドライバーがでれば問題ないのだが。これらがそろうのはいつか。アダプターはもちろん無料ではない。


私情をはさめば、その5:外部インターフェースがUSBだけというのはちょっとあとで困るかも。まあ、最初のマックが拡張性の点で問題をかかえていた。マックプラスとしてSCSIを外部に出したのと同じように、たぶん、USBが機能強化されるか、IEEE1394ポートが拡張されることになるのだろう。たしか、マックプラスと前後して、ジョッブズは更迭された。初代のマックは拡張性の点で問題があり、SCSIを外部に拡張したマックプラスとなった後、実用的になった。歴史は繰り返すか?


私情をはさめば、その6:あのポップなオブジェを我が家にもってきたらどうなるだろうか?

というようなわけで、、iMacで打ち出された「特徴」はことごとく私の利用環境とぶつかってしまうことが判明した。iMacには現状のマック以上のものはなにも含まれていない。それどころか制約の多い機種である。うーむである。なんとも買い換えしにくい機種だなあ。

以上のようなトホホに該当しない幸せな新規ユーザーと、デスクトップのマックを複数置くことのできるスペースのある買い増しユーザーにとっては非常に魅力的なものだろう。しかし、パッケージを変えるだけで、こんなんに売れるというのはちょっと不思議な感じもする。しかも機能的に制限されたものなのに。パッケージを変えるだけという点では、パワーブックをなんとかしてくれー。今回はトホホということで静観するしかない、というのが結論になってしまった。


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