戻る


1999年度・授業評価アンケート結果

「大学往来」(file:ar2k0111.html)より抜粋


2000/1/18(火)大学院の授業評価結果(人間科学方法論)

大学院の方は代表的なノンパラメトリック検定法をプリント配布して概念のみ説明し、SPSSをつかって例題をいくつか演習をして終了した。最後に大学院初の授業アンケートを実施した。大学院では「本邦初」かもしれないと世間知らずモードで。無記名であるが受講者は5名で書きにくいのでは、と思ったのだが、まあものはためしということで。

大学院授業評価アンケートの集計結果(人間科学方法論:心理学的方法:受講者5名)

質問はK学部のアンケート用紙を借用して行ったもので、「授業の内容」に関する質問(4項目)、「教材」についての質問(3項目)、「進め方」についての質問(3項目)、授業への参加度の自己評定の合計11の質問について、それぞれ5件法で回答する形式になっている。1点が「最低」、5点が「最高」である。各質問項目内の平均値と標準偏差をもとめた。次のような結果だった。なお、自由記述欄ももうけてある。

各項目の得点の分布は下に示すようになり、分布の形からみると合格といえるだろうと思う。(Q1は4項目あるので他の質問群よりも度数が多くなっている)

学生自身の授業への「参加度」(自己評定)は平均値4.4(標準偏差0.9)となり、かなり「意欲をもって参加している」ことが分かる。自己評定3というのは謙虚なのか、「おーいたのむぜ」状態なのかは分からない。

自由記述欄には学部とは異なり全員が問題点や感想を書いてくれた。内容としては

今期の講義は各受講者にすこしは役立ちそうだ。問題点としてはやはりテキストを指定するだけではなくポイントをまとめた資料(ハンドアウト)があればさらに良いように思う。OHPはどうも私自身が話しを進めるためのプロンプトとして使っている傾向があるようで、この点は改善しなければならない。入門とはいえ、テキスト外の情報が必要であることもわかる。

最後のコメントなどは院生らしくてうれしいなあと思った。大学院は学部以上にバックグラウンドが様々なため、(学部も同様だが)「予備知識」を前提としない授業を目標にしてやっている。このことが一定には高い評定値に結びついていることと思う。しかし、そのために進度が犠牲になっていることを忘れてはならないと思う。

私のジレンマは、統計的な知識は、むしろ、本当に心理学の研究に必須の方法が何であるのかを認識できるようになるためにある、といういささか逆説めいた感じがしている点なのである。それで、今日も話したように「統計的処理は最小限度に」という意味もわかってもらえるだろうか。

以上の結果は数値的には十分「合格」だが、やはり少人数の授業であるので無記名とはいえ悪くは書きにくいという面もあるだろう。以上の考察をふまえて「自己評価」は「B+」としたい。「進度」の条件を克服できれば「A」も夢ではないのだが。


戻る