心理学研究法 (心理統計) 2004秋セメスター

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1 偶然にだまされるな?ESP実験 9/21 R003

統計的仮説の検定の基本的な考え方

  • 例:PSE実験(カード当て実験)(実験10回繰り返し試行)
  • 帰無仮説・偶然確率
「統計的仮説の検定」の基本的な考えかた(二項検定)
  • まぐれあたりの分布(偶然分布) 二項分布
  • 帰無仮説:危険率(有意水準)
  • 統計的仮説の検定と二種類の過誤(Type I error and Type
  • II error :あ(α)わてんぼのエラーとぼ(β)んやりもんのエラー
2 ESP実験(つづき) 9/28 R003
  • 配布資料1(統計的仮説の検定:基本的な考え方:二項分布)
  • (つづき)
3 ESP実験:二項分布(つづき) 10/5
  • (演習)二項分布の計算
  • 統計的仮説の検定と二種類の誤り
(演習問題)
  • クッキーの嗜好調査データ(両側検定)
  • すまし汁の塩分濃度の識別(片側検定)
4 平均値の比較 平均値のサンプリング分布 10/12 R003

条件間の比較:配布資料2(二群の平均値の比較)

平均値のサンプリング分布(標本平均値の偶然分布)

  • 基本的な統計的知識(復習)
  • 母集団からランダムに選ばれたサンプル(無作為標本)
  • 母集団の分布と標本分布の関係
  • 母平均値と(標本)平均値の関係
  • 母標準偏差と(標本)標準偏差の関係
  • データの基準化(標準化)
5平均値の比較(1)独立な2群の平均値の差の検定(いわゆるt検定) 10/19 R003

独立な二群の平均値の差の検定

二つの平均値の差の偶然分布 t分布(自由度と標準化)

(例題1)不安尺度得点とテストの成績

「Help ! 匿名student先生、教えて!」 「自由度はいくつじゃ?」「tに標準化してから使うんじゃぞ」

「おおかみ少年(少女)?にならんようにな」

6 平均値の比較(2)10/26 R003

独立な二群の平均との差の検定(演習)

(例題1 つづき)

配布資料3 独立な二群の平均値の差の検定(計算手順書)

実験によって得られた平均値の差は(もし両群の母平均値に差がないとしたら)どの程度の確率で得られるのだろうか。この偶然確率が一定以下であれば両群の母平均値には(有意な)差がある、と判断する。この確率を求めるのには t 分布表を利用すればよい。

ステップ1(帰無仮説が正しいものとした場合の)平均値のサンプリング分布のちらばり(標準偏差値)を求める(公式1)

ステップ2 得られた平均値の差を(基準化された)t に変換する(公式2)

ステップ3 t 分布表を利用して 該当する自由度に対応する棄却臨界値を求める(通常はタイプIエラーの確率を両側0.05(5%)とする)

ステップ4 判定・結論

配布資料4 演習問題(SPSS実習)次回へ

7 平均値の比較(3) 独立な2群の平均値の差の検定 11/2 (電算実習)K405

配付資料4 電算実習

8 平均値の比較(4)対応のある平均値の差の検定 11/9 R003

「対応づけられた」データおよび「くりかえし」のある実験データ

(配付資料 5)データに「対応がある」場合の平均値の差の検定:
「対応のあるデータ」の平均値の偶然分布

演習問題 事例(ダイエット法の比較・心理的介入の効果)

「平均値の差」:データの種類は以下の2種類

(1)独立な2グループのデータか (2)対応matchedまたは繰り返しrepeated のあるデータか: 

(1)と(2)ではデータの自由度および平均値の差の偶然分布(サンプリング分布)の標準偏差が異なる

9 平均値の比較(5)対応のある平均値の差の検定 11/16 電算実習 K405

(配布資料)演習問題集 電算実習

(補足資料配布) 平均値の差のサンプリング分布(偶然分布):二つのモデル
10 平均値の比較(6)対応のある平均値の差の検定 11/30 電算実習 K405

対応のあるデータ・繰り返し実験データ例 演習問題集 電算実習

例題4・5 次回宿題

11 平均値の比較(7) 12/7 R003 

(前回宿題解題)(平均値の差の検定:まとめ)

12 クロス集計と独立性の検定(1)12/14 R003

クロス集計 独立性の検定 (配付資料)

分割表(自由度・期待値・観測値)、χ二乗統計量

13 クロス集計と独立性の検定(2)12/21 R003

独立性の検定(つづき)

確認事項(観察値・期待値・周辺度数・自由度・χ二乗分布)

(例題)「遊園地で迷子になった子供の数と血液型」

血液型性格分類はどのようにトンデモなのか

これらの問題について統計的観点・心理学的観点・倫理的観点から考察されている下記のサイトを参照されるとよいでしょう。http://www1.doshisha.ac.jp/~yshibana/etc/blood/archive/index.htm

血液型性格類型論と性格テストや性格心理学とはどこがちがうのか、また、どこが同根なのか、を良く考えてみるとゲンダイ心理学が内包している根本問題に気づくことになるでしょう。

14 まとめ:心理学と統計学:「深いような浅いような関係」 1/11 R003

 

心理学研究はどのような方法を必要としているのだろうか

統計学を利用した研究例

  • 観察的研究
  • 調査的研究
  • 実験的研究
  • 尺度構成・心理測定
    • イメージ測定への適用:産業における適用・イメージ調査(因子分析)
    • 個人差の測定への適用(心理検査項目の選択)卒論「性格行動特徴と罹病リスク」についての卒論の紹介
    • 個人差の測定への適用(知能測定)

 イメージ調査(実験)

  • 増山英太郎、心に浮かぶイメージを測る:SD法の理論と応用、ISS産業科学システムズ1996
  • 柳井晴夫・岩坪秀一、複雑さに挑む科学、講談社ブルーバックス1976
15 定期試験 1/18
ノート・配布資料・電卓持ち込み可

 

はなせなかった事項

平均値の推定

回帰

パラメトリック検定とノンパラメトリック検

確率化検定

一元配置の分散分析
  • 三つ以上の平均値の比較の方法
  • 偏差・平方和・(不偏)分散の復習
  • 二つの分散比のサンプリング分布(F分布)
  • 一元配置の分散分析(基本モデル)
  • なぜ分散比によって平均値の比較ができるのか
    • 群内分散(偶然のちらばり)と群間分散(条件によるちらばり)の比較
多重比較

二元配置の分散分析:主効果と交互作用の発見と理解(データパターン) 
  • 主効果・交互作用
  • 相加的効果と相乗的効

心理測定値の特徴

  • 尺度の水準
  • 基準化
  • 「人間関係を測る」ソシオメトリー・ゲームの理論(囚人のジレンマゲーム・連合形成)
  • その他の検査法(MMPI、STAI、投影法)