西澤弘行ゼミナールコミュニケーション学科対人コミュニケーションコース 

 

   担当教員からのメッセージ   

●担当教員の専門や関心は何?

 専門は言語学心理学です。言語学ではとくに社会言語学に興味が有りますが、タイポロジー(類型論)文法論にも興味が有ります。タイポロジーとは、沢山の言語を調べてその間に在る多様性(変異の幅)と普遍性を探る研究、文法論とは、言語の要素(まあ、単語だと思って下さい)を組み立てているルールの研究です。

 

社会言語学とは、社会と言語の関係、或いは、社会の中の言語についての研究です。心理学ではとくに発達心理学文化心理学に興味が有ります。文化心理学とは、生物としてヒトの普遍的な心理というよりも、それぞれの文化の中での心理学的現象の多様性を探ろうとする研究です。発達心理学は、人間の発達すべてを扱う領域で、ここでいう発達とは胎児から死ぬまでの変化を指します。

 

私はとくに、コミュニケーションや言語の発達に興味が有ります。言語・コミュニケーション発達は、言語学と心理学の接点でもあります。近年は、認知言語学という名称の、認知心理学と言語学の接点の領域や、認知科学という名称の心理学・言語学・哲学・コンピュータ科学・社会学など多くの領域を取り込んだ新しい学問も登場していて、心理学と言語学の接点は色々な意味でたいへん面白い領域です。

 

具体的には、相づちを初めとする、「会話」に見られる様々なルールについての研究、日本手話に関する文法や社会言語学的側面や心理学的側面の研究、幼児期の言語発達などを研究しています。

 

●担当教員はゼミナールの他にどんな授業を持っているの?

 「言語学入門(旧カリキュラム2003年度で終了)」「コミュニケーション言語学(新カリキュラム2004年度秋セメスターより)」「コミュニケーション研究法2(旧カリキュラム2004年度で終了)」「対人コミュニケーション発達論」「言語コミュニケーション論」「コミュニケーション実習C(観察法)」「異文化間コミュニケーション論」です。コミュニケーション学科の学生さんは知ってますね?

 

●コミュニケーション学科や心理学専攻の教員と比べて担当教員の特徴は?

 コミュニケーション学科の対人コミュニケーションコースの他の教員は、社会心理学をベースにされている方々ですが、私は、発達心理学がベースです。心理学専攻の教員と比べると、うーん、やっぱり、言語学も専門だという所でしょう。

 

●いつ始まったゼミなの? 今、学生は何人いるの?

1998年に始まり、現在の4年生(6期生)は13人、3年生(7期生)は16人です。

 

●どんな事を勉強したい人が来るゼミなの?

個人間コミュニケーションに於ける心理学的and/or 言語学的研究をしたい学生が来ています。

他学科の学生でも個人間コミュニケーションに興味の有る人は大歓迎です。

スピーチ・セラピー(言語聴覚士)、手話通訳士、日本語教育の分野に進学・就職を希望する学生も歓迎です。

 

●「個人間コミュニケーションに於ける心理学的and/or 言語学的研究」というのをもう少し易しく言うと?

日常の生活(普段の生活)の中で経験する、人と人との間の普通のコミュニケーションの様々な側面を、心理学や、言語学や、あるいは心理学と言語学の両方から見ていこうとする研究の立場です。具体的には、この後にある今までの卒業論文の全タイトルを見てください。

 

●「卒業論文」って何?

 自分の知りたい事(研究テーマ)を3年生の時から2年間かけて勉強して、「研究」して、「論文」という形に仕上げていくプロセス総てを指します。「ゼミナール」や「卒業研究」という授業に出るだけでは有りません。

 

●授業以外でも何かするの?

 いろいろなことをやります。4年生の卒論の授業に出席することも有ります。卒論の中間発表会・最終発表会に出席します。他のゼミの発表会にも出席します。授業時間外にデータの収集や解析の練習をしたり、4年生の卒論の手伝いをしたり、ゼミ生で集まって勉強したり、オープンキャンパスなどの手伝いなどもします。むしろ授業時間外が大事な勉強の時間です。

 

最近はやっていないのですが以前は大学祭にも参加していました。復活したいです。合宿を何回かします。もちろん、飲み会(パーティーと呼んでいます)もやります。たまに夕飯を食べに行きます。

とにかくイベントを企画してください。企画するのは学生さんたち、あなたです!

 

●ゼミのモットー

 勉強出来る時にはサボらないで力いっぱい勉強する!でも、休まなければいけない時は、しっかり休む。遊ぶ時には勿論全力で遊ぶ!卒論を書上げた時には、「そのテーマについては誰にも負けない!(指導教員にも負けない!)」と言えるようになる!

 

●ゼミ生からのメッセージ

私たち西澤ゼミは、主に言語について勉強しています。なので、言語について勉強したい人、言語に興味がある人、大歓迎です!ゼミ生はみんな仲が良く、楽しいゼミです!もちろん先生は優しく、内容も分かりやすくとことん説明してくれるので、自分が学びたいと思うなら、難しいことはありません。

 そして、普段のゼミの時間以外の活動としては、飲み会や、合宿等、イベント事は西澤ゼミは大好きなので、一緒に企画して楽しいゼミを作りましょう。

 

●今までの卒業論文の全タイトル

2003年度

「母親との話者交替における2歳児の会話発達」「沈黙が訪れた時人は―話題がなくなった2人の場面」「常磐大生の口癖について」

 

2002年度

「携帯電話がパーソナル・スペースに与える影響 −携帯電話利用者からの距離−」

「胎児期からの言語発達とサウンドスケープについて −胎児期から幼児期の言語獲得への発達とサウンドスケープの関連について−」

「共感覚的比喩表現について −修飾関係の方向性−」

「出生順位と性格について −きょうだいの性格特性と性別構成−」

「日本人のコミュニケーション −察し型コミュニケーションと間接表現の関係性」

「ことばの権利 〜多言語社会における言語権の必要性と人権としての言語権〜」

「会話における含意の解釈 〜人はどのようにしてもう一つの意味を伝えるのか」

「手話における非手指動作の役割 −頭の動きと表情を中心に−」

「母子の遊び方と言葉の発達 −1歳2ヶ月と2歳0ヶ月に注目して−」

「聞き手の会話中の「あいづち」と「うなずき」が話し手に与える印象 −会話を弾ませ、よりよい人間関係を築いていくには−」

「住居観と人生観・生活観・個性との関連 −大学生にとって住まいとは何か−」

「対人関係における身体接触 〜二者間における接触とされる側の印象〜」

「対話における視線のパターン −凝視は「あいづち」「うなずき」の促進剤−」

「身近な相手に対する自己開示について −開示相手、開示内容、性差によって広がりや深さは異なるのか−」

「第二言語習得における臨界期との関係とその意義 −第二言語習得への課題−」

「英語公用語論 〜その向こう側にある早期教育の必要性〜」

 

2001年度

「結婚式にまつわる事柄」

「言語獲得最初期における母子の会話に見られる「くり返し」の機能について」

「むずかしい話し合いを効果的に処理できる会話法」

「敬語とスタイルシフト」

「言語変化の考察」

「ろう学校における手話とはどうあるべきか」

「子どものこころを理解するために意識すべきこと 〜家庭環境、親子関係が及ぼす影響から考える〜」

「東京のことばの変化について」

「新密度による聞き手のフィードバックの変化」

「日中同形異義語の意味比較研究」

「デジタル・デバイド及びネットワークセキュリティ問題について」

 

2000年度

「欺瞞的コミュニケーション場面における欺瞞検知率とその手がかり」

「児童向け辞書と一般向け辞書における擬音語・擬態語」

「独り言 〜その分析と実態〜」「弱気な人にもできる交渉術」

「会話場面における<うなずき>の構造と機能 〜うなずきの分布・形態・機能から複合体としてのメッセージを読む〜」

「広告の目的と効果 〜広告表現におけるイメージ的要素の効果について〜」

「日本語・英語話者の音声認識の違い」

「初対面二者間会話の特徴 〜ポライトネスストラテジーの変化について」

 

1999年度

「接客マニュアル」

「災害時における弱者への情報提供」

「日本人の日常において人称代名詞の性質はどのように捕らえられているのか」

「様々な配慮に応じて表現を使い分けるのはなぜか」

「ろう者理解への考察」

「家族の情緒機能とコミュニケーションの重要性 〜「社会的ひきこもり」状態にある青少年をもつ家族の経験を交えて 〜」

「子どもに向ける発話とオノマトピアについて」