ゴーイング・ドッティ
| 目的 | グループ作業には協力が必要なことを確認し、言葉を使わないコミュニケーションの大切さについても理解を深める |
|---|---|
| 対象 | 小学生(中学年)~ |
| 時間 | 20分 |
| 準備 | 色つきの水玉シール(小さな丸いシール:最低4色必要)を人数分。 自由に動きまわれる広さのスペース。 |
生徒は輪になって目と口を閉じます。
1人ひとりのおでこに色がついた水玉シールが貼られます。
近くにいる生徒どうしが同じ色にならないように、違った色がクラスに散らばるようにします。 ただし、それぞれの色がほぼ同じぐらいの数になるようにしてください。
教師が準備を終えたら、生徒は目を開けて、同じ色の人を探しグループをつくります。 このとき話をしてはいけません。 また、色を指差したり、窓や鏡に映してみたり、シールをとって見たりしてもいけません。
いろいろと応用が可能なシンプルな活動です。
グループでの問題解決をはかるためにメンバー1人ひとりの協力が必要なことを、その場で理解することができます。 短時間に楽しく問題解決の体験をすることによって、みんなで協力しあうことの意義を肯定的に受け止めることができます。 さらには、言葉を使わないコミュニケーションの大切さについて理解を深め、信頼しあうことについて考えるよい機会にもなるでしょう。
また、このアクティビティは、相互依存やアイデンティティの概念について考えさせるものでもあります。
相互に助け合い信頼しあうことなしに何かを達成できるような人は1人もいません。 誰もが、自分のアイデンティティを確認するために(自分の水玉の色を知るために)、他の誰かに依存せざるをえないのです。 そのため、このアクティビティは、「つながり」(第2章)や「シチズンシップ」(第13章)を学ぶ際に、導入のアクティビティとして非常に有効です。 また実践的な活用方法としては、生徒をグループ分けするときに利用できます。
本格的な作業を始める前に、楽しくグループ分けができ、グループの意識を高めることができるでしょう。
このアクティビティのモデルは、いろいろな授業で応用できます。
理科の授業では、生徒が身体の器官について、理解を深めるために使えます。 チョークなどを使って、人間の身体の輪郭を大きく床に描きます。 生徒は、目を閉じている間に、身体の器官の名前が書かれたシールを背中に貼られます。 そして、話をせずに、助け合って輪郭の中のふさわしい場所に並びます。 その後で、自分が身体のどの部分にあたるのかを考えます。
地理の授業では、同じように、ある国の輪郭をチョークで描き、 その国の地理(都市、町、川、山、その国の特色ある場所など)を学ぶのに使えます 。
上記2つの授業例では、生徒が、身体を使って自分の役割を表現するようにしてもよいでしょう(例えば、床に寝転がって身体をくねらせて、腸や曲がりくねった川を表現します)。
算数(数学)の授業では、分数や小数の練習に使えます。例えば、生徒は背中に小数のついた番号を貼られます。 そして、話をせずに、合計の数が教師が指示する数(例えば、2~5)になるように5人のグループをつくります。
国語や英語など語学の授業なら、生徒は背中に単語や句読点を貼られます。 そして、文法的に正しい文章になるようにグループをつくります。 このような応用の授業では、クラスの全員が適切な位置につくまで、作業を終えたことにはなりません。 また、知識を獲得したり深めたりする学習が、言葉を使わないコミュニケーションや協力のスキルの練習と結びつくことになります。