地球市民教育へのアプローチ

国境を越えて地球規模の問題に取り組む人々の間で、「地球市民」という新たな意識が形成されつつあります。
それにともなって教育の領域では、地球市民を育むための教育として、「地球市民教育」という考えがしだいに注目を集め始めています。 しかしそれ自体が、20世紀後半に登場したばかりの新しい発想であるために、その具体的内容についてはまだ十分に議論されているとは言えません (1)

ここでは、この地球市民教育へアプローチするために、欧米で理論と実践を蓄積してきた「グローバル教育」を手がかりとしています。 ここでは、まず、グローバル教育の全体像をとらえてみましょう。

1.佐藤群衛「日本の国際理解教育の概念をめぐって」(第2章第2節)『国際理解教育の理論的実践的指針の構築に関する総合研究』、 平成7~9年度科学研究費助成金、基盤研究(A)(1)研究成果報告書(研究課題番号 07300024)、pp. 129-134。