所長あいさつ

John P. J. Dussich 常磐大学国際被害者学研究所
所長 ジョン・ドゥーシッチ

常磐大学に被害者学の国際的な研究所が開設され、その初代所長を拝命しましたことを大変光栄に思っております。研究所のロゴをデザインするにあたり、「Search for Victim Truth(被害者の真実を探究する)」という、当研究所の理念を取り入れ、人類の状況をよりよくするために必要な「知恵」を獲得するために、社会資源として広く活用いただけるような研究機関とする、という思いを込めました。

過去5年間、この夢を実現するため、研究所に所属する教職員はともに努力を積み上げてまいりました。レフリー付学術雑誌として、研究所紀要「International Perspectives in Victimology」を年2回発刊。世界被害者学会の伝統的な事業である「アジア地域大学院コース-被害者学および被害者援助論」の開講。また、国内外の専門家を招いてのシンポジウムの開催。これまで4回実施したシンポジウムでは、「被害者のための正義は日本においてどう実現されるべきか」(第1回)、「被害者の声が社会を変える」(第2回1日目)、「児童虐待‐国際的視点から見た原因と対応‐」(第2回2日目)、「災害被害への対応‐被災者への影響とニーズを見据えて‐」(第3回)、「被害者のためのグローバル・スタンダード:「国連被害者人権条約」の制定をめざして」(第4回)、といった様々なテーマを取り上げ、参加者とともに議論を深めました。さらに、講演会を3回開催し、ゲルド・キルヒホッフ教授による「被害者学とは何か」(第1回)、ハーヴィー・ウォレス教授による「ドメスティック・バイオレンス-アメリカの視点から-」(第2回)、エリック・ヒッキー教授による「連続殺人・大量殺人の被害者について」(第3回)を通して、専門的な知識を共有してまいりました。

一方、現代社会の諸問題をテーマとして研究プロジェクトにも取り組んでまいりました。「被害者支援サービス提供者の訓練・教育に対するニーズ測定」、「隠された性的被害」、「犯罪被害者の立直り要因比較研究」、「ホームレスの被害」、「被害者の脆弱性の認識と刑事司法制度における処遇」「被害に対する高齢者の脆弱性に関する比較研究」、「犯罪被害者の自助グループの機能促進に関する研究」、「少年司法手続きへの被害者の参加に関する研究」、の8つのプロジェクトが、研究所に所属する教員らによってこれまで実施され、また現在も継続されて執り行われています。

2007年からは、独立行政法人国際協力機構(JICA)委託を受け、3カ年間、「総合的被害者支援システムの開発」と題した研修事業も実施しています。研究所は、本学学生や教員の勉学・研究活動を支援する場所としても利用されているほか、学外の研究者また一般市民にも開放されており、地域資源の1つとして広く活用されるよう機能の充実に努めています。

被害者学に関心のある方なら、当研究所の施設やサービスをどなたでもご利用いただけます。将来的に、その事業の成果をすべての被害者に還元できるよう、努力を継続する所存です。当研究所事業への皆様の積極的なご参加とお力添えを心よりお願い申し上げます。

2008年4月

プロフィール

最終学歴 フロリダ州立大学大学院犯罪学・矯正学専攻修士課程修了
学位 Ph.D.
専門 犯罪学と社会学、被害者学
所属学会 世界被害者学会、アメリカ被害者学会
著書 『日米における暴力に対する異なる対応』(Paul Friday氏、岡田幸之氏、山上皓氏、Richard Knudten氏共著、Criminal Justice Press社、2001年)
社会活動(経歴):全米被害者援助機構を設立し現在は終身会員、アメリカ被害者学会創設に携わりその功績から「John P. J. Dussich Award」が設けられた。世界被害者学会元事務局長、2006年8月より世界被害者学会会長

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