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2018年12月7日 総合

常磐大学心理臨床センター主催、公開講演会を開催しました

心理臨床センター主催 公開講演会 開催概要

常磐大学心理臨床センターが主催する、第26回公開講演会が11月25日に開催されました。講師としてお招きしたのは京都橘大学健康科学部心理学科教授で臨床心理士の宮井研治先生。『「児童虐待」の対応に役立つ解決志向について』というタイトルで、適切に子育てを行えない保護者を支援するための、面接や接し方の工夫を講演していただきました。

児童虐待に関する報告件数は年々増加する傾向にあります。虐待のパターンも、心理的虐待、性的虐待、ネグレクト、身体的虐待など様々です。しかし、その相談への対応は困難を極めます。虐待を行っている保護者は自覚を伴わないケースが多く、しつけの一環だと認識しているからです。そこで効果的なのが「解決志向」です。解決志向とは、解決に焦点を当てた心理療法。問題点を探すのではなく、まだ残っている良い点を見つけるカウンセリングです。人は誰でも普段の生活に多少の不満を抱えており、その不満が子育てに悪影響を及ぼすこともあります。しかし、その問題点を指摘しても、聞き入れてもらえるとは限りません。そこで、普段の生活で頑張っていること、出来ていることを聞き出し褒めることで、解決策を見いだす方法です。宮井先生は、どのような質問が解決に効果的かを体験に基づき詳しく解説。聴衆も二人一組となり話し手と聞き手に分かれてエクササイズを行うほか、宮井先生も自ら会場に降りて効果的な質問の仕方を実演するなど、実践的な試みが行われました。

相手が頑張っていることを聞き出し褒めることをきっかけに、さらに良い方向へと導く解決志向は、通常の子育てにも応用出来ることも特徴の一つ。宮井先生の講演は児童虐待という特別なケースだけではなく、より良い家庭を作るための接し方を学ぶ貴重な機会となりました。

日時 2018年11月25日(日) 13:00~15:00
会場 常磐大学 H棟大講義室(見和キャンパス)
講師 宮井 研治 先生
京都橘大学健康科学部心理学科教授、臨床心理士
演題 「児童虐待」の対応に役立つ解決志向について
公開講演会
公開講演会