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経営学科ニュース【2020年3月~2009年】

2015年12月15日

「国際経済学」の授業で、「アジアにおける日系企業の動向」についての特別講義を開催

12月15日に「国際経済学」(担当:佐竹正夫 教授)の授業でゲスト・スピーカーによる特別講義を開催しました。講師は三菱東京UFJ銀行経済調査室調査役の福地亜希氏です。福地氏は大学院終了後、経済研究所勤務を経て同銀行に入行、経済調査室で主にアジア経済を担当、シンガポールに3年間赴任するなど銀行エコノミストとして活躍されています。

この日は、「アジアにおける日系企業の動向」というテーマで、近年の日本企業のアジア展開やアジアビジネス、日本との貿易や現地経済への影響について、環境変化への企業の対応を含めて、豊富なデータを用いた詳細な説明がありました。特に、中堅中小企業の現地企業数が急増していること、非製造業の割合が製造業を超えたこと、海外売上高比率が国内のそれを上回っていること、有望な事業展開先として、中国に代わってインドネシアやインドが台頭していること、アジア進出の大きな理由が高い投資収益率であることなどの話がありました。

アジアビジネスの環境変化としては、現地コストの上昇(円安と人件費高騰による)、中間層の拡大、広域経済圏(FTAやTPP)の進展が挙げられました。最後に、日本とあまり変わらないカンボジアのスーパーマーケットの写真などを見せて、アジア後発国の急速な経済成長の一端が紹介されました。

近年のアジアにおける日系企業の活発な活動が、実際に大手銀行の調査部で活躍しているエコノミストの口で語られることにより、学生には通常の授業では得られない貴重な話を聴く良い機会が与えられました。特に学生の目から見て、印象的であったのは、アジアと日本の関係、中小企業の進出、中国以外の国、インドやインドネシアだけでなくミャンマーなどの台頭、中間層の出現などでした。「学生の内では分からない面白い話を聞けたと思う」「とても充実した時間を過ごすことができた」「普通に生活していては聞けないことばかりでとても勉強になった」「海外事業にとても興味がわいた」「これからさきどうなっていくのか楽しみ」といった感想があり、改めてビジネス面でのアジアとの深い関係を知る意義のある特別講義となりました。

アジアにおける日系企業の動向について講義する福地氏

アジアにおける日系企業の動向について講義する福地氏