ThinkPad S30


2002/5/5 大和研究所の一つの結論

1昨年の夏に買ったThinkPad X20 を「最高のノート」と評価していたのだが、その後 S30が発売になった。S30はX20よりももう一回り小さいサイズで、より「モバイル」に特化したデザインで、X20で課題だったバッテリー問題も解決され、通常使用で3時間は平気になった。最初のモデルがつるつるぴかぴかの塗装ででたものだから、二の足を踏んでいたが、その後従来のThinkPadの塗装のものが発売されたので、昨年末にこちらを購入した(2001/12、Windows 2000モデル)。画面は10インチで、加齢眼にはきついかなあと思っていたが「拡大モード(800×600)」に切り換えてもフォントなどそれほど汚くもない。ただ、困ったのはLANが無線か有線(10/100Base T)のいずれかを選択しなければならない点だった(X23では両方装備されている)。無線は必要な場合にカードで増設すればよかろう、ということで有線LANの方を選択した。

一番気に入っているのはThinkPad 600シリーズを思い起こさせるキイボードである。きちんとクリック感があって、しかも打鍵音がほとんどない。X20のキイボードよりも良い。列車のなかでは、パチパチ音のするキイボードは案外気に障るものだ。英語キイボードに交換すればさらに快適とは思うが、いまのところ交換するほどの問題はないように感じている。

重さは1.5キログラムでこれはもう少し軽くならないかとは思う。重さはX20とそれほどかわらないが、サイズが一回り小さいので鞄のなかに収まりがよいのと、「ラップトップ」としてちょうどよい大きさである。起動時間もS30の方が早く使いやすい(X20はいろいろソフトやファイルが増えているせいかもしれない)。

問題点としては、やはり拡張コネクター(映像出力、1394コネクター)にアダプターが必要なことであろう。まあ、これはまれにしか使わないだけにうっかりコネクターを忘れてしまう、ということも起こりそうだ。あと、バッテリーについている「スタンド」(つかうときにこれを半回転させてひきだすと角度がついてタイプしやすい、というふれこみのアクセサリー)は不要で、はずすか、その分バッテリーにまわしてもよいのではないかと思う。トラブルとしては、一度だけ、スタンバイがうまくいかないことがあって、鞄の中でけっこう熱をもっていたことがあった。

いくつか改良してほしい点もあるが、パワーポイントで教材を作るのと、ワープロしか使わないので、ほとんど不満はない。しかし、残念なことにS30には後継機がないらしい。たしかに現状ではX20シリーズを選択することが合理的ではあるのだろう。IBMのこのシリーズ(大和研究所シリーズ?)はときどき断絶しては新しいモデルがでてくる、という歴史をくりかえしているので、この次はやはりエポックメイキングなコンセプトをもった機種が登場してくるものと期待している。


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