ThinkPad X20


2001/2/23 最高のノート

昨年の夏の終わりのころ、秋葉原の若松通商でThinkPad X20を買った(2000/9)。ウルトラベースというすごい名前の CD-RomやFDDの拡張ベースは発売開始まえで、予約・配達ということに。でもこのベースがないとソフトのインストールができないのであるが。X20はたぶん第一ロットから品薄になるだろうという予感があったので本体の確保を優先した。実際につかえるのはこのベースが到着してからだ。上の写真ではちょっとわかりにくいがベースの上にThinkPad本体を2階建て状に重ねるようになっている。

買ったのはThinkPad X20のWindows2000版。Windows2000については日本MSの信じがたいプロモーションのせいでしらけていたのだが、もの自体は悪くはない(ようだ)。結論から言うとWindowsであるにもかかわらず X20は私が移動用に買ったノートパソコンの中で最高のものである。

これまで移動用として買ってきたのはB5サイズだったが、いずれもなにかを我慢しなければならなかった。X20はサイズはB5というよりはA4に近いが、サイズとバランスが絶妙で、「我慢」を強いられるというところがない。ただし、「重さ」についてはまだ「我慢」しなければならないが。しかし、重さについては不思議な感じがする。3時間(カタログで)もつとされる比較的大型のバッテリーを備えて、重さは1.5キロほどあるのだが、持ってみると軽く感ずるのである。全体の重量バランスがよいのだろうと思う。人間のスケールの関係でおおきさには制約があるから、ただ小さくすればよい、ということではなく、つかいやすいサイズを保ったまま、軽量であればよいのである。

外観は直線的でシャープな印象。ソニーのバイオなどのうすうすノートと違ってシャーシーの剛性感十分。実はバイオ(505、C1)をつかっていたことがあるのだが、なんだかこわれそうな感じがして、そうそうに手放していた。液晶は12インチ(1024×760)。加齢眼にはB5ノートの10インチ液晶は小さすぎて文字が読みにくい場面もあるのだが(まあこれはウィンドウズのデザインやフォントが悪いことにも責任があるのだろう)、そのような感じはまったくない。キイボードも一部小さいキイがあるが、十分なキイ間隔が維持されていて使いやすいものだ。英語アスキー配列だともっと余裕があるのだろうと思う。

クルーゾー搭載で8時間使えるX20をみたいものだ、と秋口に買った頃には想像していたのだが、インテルも超低電圧プロセッサで対抗してきている。CPUプロセッサ自体の消費電力はノートパソコン全体の10%程度というメーカーの言い分が正しければ、X20ではCPUを変えただけではそれほどの効果は期待できないのかもしれない。省電力はCPUのみに注目が集まっているが、他のパーツの改良の余地も大きいということであれば、稼働時間はまだまだのびる余地があるということだろう。CPUについてのネットのニュースを総合すると今年の冬のモデルあたりから本格的な省電力機になりそうである。

先週の週刊アスキー(2001.2.13号)では「Navi」的車文化評論家氏(神足祐司氏)は、X20と外装の色以外はほとんど同じ「ThinkPad iSeries1620の段ボール箱を開けると、メルセデス・ベンツの車内に入ったときと同じ匂いだした」とお書きになっている。たとえとして述べられたのではなく実際の匂いのことのようだ。なにか同じような材質が使われているのだろうか。「高級感を醸し出すのに、匂いの役割は案外大きい」と応用知覚心理学と同じことを述べられていた。Think Padはノートパソコン界のメルセデスです。はい。PowerBookはVaioを目標にしたようだが、X20を目標にしてほしいなあ、と思う。


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