CrossPad


ちかごろアナログ・デジタル変換にこっているIBMと「ボールペンのクロス社」から「手書き」入力装置。かいた絵、図、文字をデジタルデータにして、「絵」のままPCへ転送する。いわゆる「インクワープロ」。転送はシリアル。普通のパッドとちがうのは、単独で使えるという点。A4サイズの用紙で50枚程度はパッドそのものに記録することができる。各ページはベクトルデータで記録され、書き順を再現できるというところがおもしろい。ページ当たり20Kバイト程度ということなので、手書きのデータのままでもWebサイトにも掲載可能だろう。

パソコン転送後に手書き文字の「文字認識」も可能。音声入力装置のViaVoiceのように、クセを教える練習プログラムもある。しかし、「絵」ページのまま保存して、最小限必要なキイワード部分のみを「文字認識」(英語のみ)させて、ファイルの検索に利用する、というのが実用的。キイワードの文字認識の修正の際に漢字やひらかなを入力できる。

たしかに、メモをとる時には、図や絵をよく書く。あとで「清書」したものは「ひらめいた」アイデアとは別のもののような気がする(「ひらめいた」ときは「すごいアイデアだ」とたいがい感じているのだが、実際には、、、)。

アナログデータをデジタル的に処理する「ありそうでなかった」おもしろい入力装置である。重さは約1キロ。A5,B5ノートパソコンの重さだが、CrossPadは普通の単4電池(4本)で数ヶ月使える。ペンは特殊なもので、これを使用しなければならないが、こちらも電池1本(ただしUS規格AAAA)で6ヶ月から1年はもつとのこと。インクはペン先を交換。

ソフトウエアはIBM Ink Managerで、使いかってはかなり良い。ファイル転送もシリアルケーブルでワンタッチでできて簡単。ページはインクマネージャー形式のファイルのほか、ビットマップやJPEGも可。選択した部分のカット&ペイストもできる。

http://www.watch.impress.co.jp/PC/docs/article/980629/stapa04.htm

のサイトで、スタパ斉藤氏は、なぜ、これを小型携帯パソコンに組み込まないのだーと言っておられる。

シリアル接続で問題ないが、USBならもっと便利だろう。接続コネクターはシリアルとなぜかもうひとつコネクターがついている。本体サイズはやはり米国サイズでちょっと大きい(8.5 x 11インチ)。小型のパッド(6 X 9インチ)もマニュアルには載っているので、こちらの方がよいかもしれない。

専用のペンが必要。ボールペンだが、サインペンのような換え芯があると書きやすいのだが。このボールペンには電池がはいっているせいか、かなり重い。また、国内用にA4用紙サイズにあわせるアジャスターがついてくるのだが、プラスチックできた小部品のため紛失しそう。替え芯はきちんと引き出しにおさまるようになっている。このようにおもしろい製品。難点は価格。国内では62800円なり(並行輸入物で49800円くらい。国内版はソフトの表示とマニュアルが日本語)。

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