大学往来 

■大学往来インデックス


2000/10/06(金)地震

鳥取県西部地方で地震。震源からはやや離れていたのと、報道などで大丈夫だとは思ったが夕刻になってから親戚に電話したが「つながりにくくなっています」というアナウンス。電話や携帯もいざというときは使えないかもしれない。i-modeでメールを入れておいたところ、こちらは通じていて夜になって返事があった。

合宿などで、もし地震などの災害にあったら、と考えることがある。いずれにしろ現地で避難し、まとまって行動するしかないだろう。安否情報電話というのがあることを知った。

わたしがこれまでに経験した震度は5が最大である。学生のころ東京で経験した。そのときは古いアパートだったが、壁にかなり大きなヒビがはいった。二度目はいま住んでいる柏でもうだいぶ前になる。こちらはベランダの手すりと壁の接合部分のコンクリートが欠けた程度であった。はっきりしないが、東京の地震は秋口のちょうど今頃だったような記憶がある。


2000/10/05(木)デジタル化された資料

午前中の知覚心理学は聴覚の単元で「音の科学」のテープ資料を使用。ただしアナログ録音の資料をデジタイズしてパワーポイントでプレゼンテーション形式に細工したものである。これは厳密にいうと「上演」にあたるのかもしれないので、著作権の問題が心配なのだが。聴覚関係のデモンストレーションにはもうひとつ CD録音されたものを入手しているのだが、こちらは説明が英語版である。聴覚現象のデモとしてはこちらの方が良くできているが、なにしろ量的に膨大で一こまではとても紹介しきれない。これらの資料をデジタルデータにしておくことで、実際の現象を比較的手軽に体験できるようになった。「講義」のみではなかなか伝わらない部分なので助かる。(デジタルデータになっている「素材集」テキストはまだ出ない?)

午後から卒論相談とゼミ。ゼミはちょっとテーマが拡散気味で、反省。この対策として卒論テーマに「課題研究」と「自由研究」を設けることを提案した。


2000/10/04(水)半人前

午後から院・行動適応学特論。後期は受講者の顔ぶれをみて、基礎心理学とかれらの専攻分野との接点をさぐる。心理学からみれば「応用心理学」ということになる。当然なことではあるが、さまざまな「接点」があり、いずれも「学際的研究」にふさわしいテーマが存在している。

私にとっては逆説的になるのだが、さまざまな職業において「心理学」をおおいに生かすことができる可能性がある。だから社会人に対する心理学教育の重要性があるように感じている。その一方で、心理学単独ではなかなか一人前として扱ってもらえない、というジレンマも感じているのである。

学期はじめで講義予定表をあれこれなおしたりしている。私は教科書を使わず、参考文献をそのつど紹介しているが、これは学生にとっては不便なことかもしれない。やはりなにかテキストを指定するなりする方が良いのかもしれないと思う。せめて(本学は開架式なので)図書館に講義の「参考図書」が科目毎に一カ所にまとめて、ついでに禁帯出にしてあると便利なのだが、こんなサービス無理でしょうねえ。


2000/10/03(火)説明

午前中の院・研究法は秋セメスターは推測統計学の入門。「社会人」枠の院生や他大学の出身者は統計的な方法についての講義や演習を受講していない学生が多いようなので、ごく基本的な内容。

学部研究法は、今年はじめての試みとして、心理測定法の応用としての官能検査や因子分析の話をしてみようと考えている。ちょっと私にとっては無謀な試みになってしまうかもしれないのだが。これは一部には見学合宿の「成果」でもある。今日は初日。簡単なデモンストレーションを行い、受講者のデータで来週以降の題材にする。今日は実験実習2で使用している「世界の民族衣装」のサンプル写真を刺激材料にして、衣装の好みの分析のためのデータをあつめた。終了後分析の簡単な説明を始めようとしたのだが、「相関係数」の理解がどうもあやふやな様子であった。来週はここにもどってしきり直しである。

院・特殊研究は修論のデータの分析を題材。今日の話に限らないが、行動の原因についての「内的要因説」には根深いものがあるものだとあらためて思う。それは「原因」かもしれないし、「結果」かもしれない。内的要因による「説明」には非常に大きな飛躍があるのだと思うのだが。「説明」を焦らず、相関データそれ自体をもっとよく検討すると良いのではないだろうか。


2000/10/02(月)実習

秋セメスターの実験実習再開。今季のテーマは、実習1はマッカロー効果、実習2はSD法と因子分析である。


2000/09/28(木)調香師

先日見学合宿で訪れたT香料のN君からメールで、あくまでも「私見」ということであるが、次のような「補足」があった。

調香師になるには特に出身学部などは問われない。心理学専攻の出身の方もおられること。調香師になるには、「香りが好きなこと」と「よい鼻」(定義は難しいが)と「創作力」(新しいものを作り出す資質)が必要ということだ。また、T香料(他の関係会社でもそうであるが)海外研修があるために「英語またはフランス語が得意」であると有利、また、「化学の知識や官能検査」を知っていればさらに有利ではないか、

ということだった。

採用状況については、採用数が少ないために調香師の希望者は非常に多くて難関であるという。心理学関係者では(T香料に限らず他社においても)官能検査を希望して入社試験を受ける人はまだまだ少ないので、こちらの方が可能性があるのではないか、ということだ。現在のところ、特定業種の官能検査を組織的に教育しているところはほとんどないので、入社してから官能検査を勉強している方が多く、講習会等もしばしば開かれているそうだ。

メーカー関係を希望している場合には、このあたりに焦点をあてるストラテジーもあるのではないだろうか。技術的な点が大切なことは言うまでもないのであるが、「香りが好きなこと」というのが一番大事なのだろうと思う。これは「香り」の世界に限らず、他の業種でもあてはまることではないかと思う。


2000/09/27(水)街角通信

Visor(てのひらコンピュータ)で街角通信するのに必要なソフトについて、関連サイトや雑誌の情報でだいたいわかった。インストールにちょっと手こずったが、赤外線ポートのついている公衆電話(ICテレホンカード電話)があれば、モデム・モジュールなしでVisorの赤外線ポートでインターネットに接続できるようになった。最初これらのファイルをインストールするとハードリセットせざるを得なくなっていて、うまくいかなかった。シンクロ関係の別のソフト(インストールしたことを失念?)とぶつかっていたらしい。

前にちょっと書いたように、Palm OS3.5では特にソフトを追加する必要はない。Visor (OS3.1)ではPalm Computingのサイトからirenhanceというファイルをダウンロードして、それに含まれているserial関係のファイルを二つインストールする。ついでに「いけてるハッカーさん」のirbeamも入れておくと赤外線Hotsyncが手軽にできるので便利。

OS3.5を備えている新しい機械(たとえば、 IBM c3(50J)やソニーのClie)はメールソフトとブラウザーが付いてくるから充電の問題が気にならなければこれらがお買い得かも。ただしソニーのカラー版はかなり見にくいとの噂だ。

これでVisor本体だけで街角通信はできるようになった。B教授に自慢したところ、電話機の前で変な情報機器をつかっているのはかなり怪しくみえないか、とのつっこみであった。

午後から会議二つ。実習用プログラムの修正。


2000/09/26(火)講義再開

今週から秋セメスターの講義開始。今日は院・研究法、学部・研究法、院・特殊研究といきなり授業モード再開。院・研究法は(推測)統計学の入門、学部・研究法はこれまでとすこし内容を変えて前半は多変量の分析について、後半は官能検査関係の応用について話してみようと思う。「手法」の説明は最小限度にして、説明できるかどうかを見極めたい。特殊研究は修論関係の発表と相談。本学の研究科は「学際」領域なのだが、まだまだ、教員(私)側にその準備が備わっておらず各自の「専門」的な見方からのコメントに終始している、という印象だ。こうなるといったい学生はどのように対応すればよいか、悩むのではないかと思う。

水戸はまだかなり暑く、午後に雷雨。雨があがって涼しくなる。



 

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