大学往来 


99/4/18(日)サイバー研修会・サーバーまだダウン

サイバー研究会の「研修会」用のビデオ録画どりのタイマーをセット。「日高義樹のワシントンリポート」、テレビ東京午後4時から5時25分まで。日高氏のリポートは子供の頃みたNHKの「特派員」報告にちょっと似ている。昔は海外事情番組はめずらしかったので、日常のなんでもないような出来事やニュースも、アナウンサーではない「素人的な」語り口に独特の魅力があってよく見ていた。今日は「ハーバードビジネススクール」の様子を期待していたのだが、新聞の番組案内では「官僚をきたえなおす、米国の官僚教育の実態」みたいないさましいタイトルになっていた。サイバー研究会の「研修教材」には向かないものかもしれない。これまで何本かこの番組を見たところでは、日高氏のリポートは英語教材のテープのような口調なのがご愛敬だ。

夕方買い物に外出。この間ワシントンリポートをビデオ録画。帰ってきて見る。前半は「バージニア州立?大学での「軍隊式」教育VMI」、後半は「ハーバード・ケネディ・スクール」(政治・行政関係の大学院)の内容。

VMIのほうは「規律」を軍隊式で教育する、カリキュラム内容は普通の大学とおなじという特殊な大学の例。アメリカにはこのような教育方針の大学が2校あるそうだ。やはりテレビでみたことがあるタカラヅカの養成高校が似ていると思った。廊下は小走りで端を移動し、直角に曲がる(昔の日本海軍兵学校式だそうだ)。いわゆるエリート校ではないが、就職状況は良いとのこと。全米でも人気があるようで、500名ちかい希望者があるといっていた。希少価値?日本では体育会系の学生が好まれる企業があるようだが、それに似ているのかもしれない。

ハーバードの方はいかにもエリート教育。授業の様子は特別なものではない。しかし、学生、教員とも「熱心」で「規律」とは別種の緊張感を感ずる。半円形の階段教室(これがどうも世界の流行のようだなあ)で、学生が飲み物をおいているのがなんとも米国式。スターバックス・コーヒーのテイクアウトの容器が目についた。ガクモンと実践の融合をめざす、とのコメント。学生の方もガクモンしにくるのではなく、実際的な知識を得ることが目標のようだ。実践的な知識を得るということで、「現役」の政治家や行政官をしばしば講演に招く。

若い院生と社会人40歳前後の学生。学生用のコンピュータルームはにぎわっていた。ある学生へのインタビューではパソコンは2時間くらい利用。読書の方が時間は多いが将来は逆転するかも。と答えていた。その他の質問にたいしても、学生は非常に見識の高い目標と意見を述べていた。短時間に明確な意見を述べる見本のような回答で、これには感心した。

これらの「ビジネススクール」は当然学部のような教育は行わない。米国での学部教育の上に成り立っているのだろうが、学部教育の実態はどんなものだろう。ハーバードの大学院のスタイルは日本の大学にも大きな影響を与えているようにも思う。日本の「実践的な教育をめざす」大学では、学部教育をとびこして(あるいは基礎教育をないがしろにして)「ビジネススクール」的な実践的な教育を行おうとしているように見える。

大学のサーバーはまだダウンしている様子だ(夜9時30頃)。大学とは別にアドレスをお持ちのB 教授に確認のメールを出したところ、やはりメールを読めなくて困っているとの返事。


99/4/17(土)情報A、B、C(高校)の試作教科書・サーバーダウン?

きょうは大学のサーバーがダウンしているようで、応答なし。

2003年度開始の情報A、B、C(高校)の試作教科書が公開されているとの記事(今週発売のASAhiパソコンの教育欄、p.118、坂本伸之氏)。http://www.ics.teikyo-u.ac.jp/InformationStudy/)。情報処理学会が独自に「教育課程審議会の答申」の内容を教科書にして示したもので、文部省とは独立の試みであるそうだ。試作に関わられた武井教授(帝京大・理工・情報科学科)は「コンピュータの本質的理解と、それを道具として活用していく能力の育成は併せてなされるべき」との見解だが、坂本氏は「ここまで深い理解が必要か」という感想を述べておられる。たしかにエンジンの仕組みをしらなくとも車は運転できるのだが、学校は自動車教習所ではないことも明らかだ。個人的には高校などではコミュニケーションツールとしての教育で十分ではないかという感じがする。それ以上は「コンピュータクラブ」など課外授業の対象ではないだろうか。コンピュータはゲームによって非常に身近なものになっているだけに、コンピュータはゲームだけではないことを教えるべきだが、ゲーム以上に「おもしろい」利用法を示すことはなかなか難しいかもしれない。特に次期パワーステーションなどはパソコンとしても驚異的な性能になるらしいし。教科書をつくることは困難な作業だろう。


94/4/16(金)私事都合

私事であるが、自宅の台所などの修理と改装のため一日自宅にいた。ガスコンロ、給湯器、換気扇の取り替え、食器洗い機の取り付け工事。集合住宅なので取り替える機器に制約が多く自由に選べない。工事を依頼した会社の担当者の方もここは初めてだったので、いろいろ調べなければいけないことも多かったようだ。それで、春休み中に工事を予定していたのだが、延び延びで今日ということになった。見積もりを数社に依頼した。それぞれ「現場」を見にきたのだが、こちらの希望に対して比較的迅速に適切な回答をしてくれたI社に依頼した。他の社は、工事そのものに自信がもてない様子が感じられたり、あまりもうからないと思ったのかどうも反応が悪かったのである。

工期予定は二日間とってあったが、今日一日で完了。移動したモノを片づけなければならないが、明日に。


99/4/15(木)「英語の論文」

午前中知覚心理学。今日はOHPのみ使用。午後ゼミ。3年生ははじまったばかりなので過去の卒業論文をいくつか紹介。来週もう一回卒論を紹介し、そのあとテキスト(未定)の演習形式に移る。今年は4年生と一部時間を重複させて卒論の経過を3年生に話してもらうように予定している。今日の花見(葉桜見)予定は4年生が都合悪く中止。リーダーをやることになった4年生4名の「新歓」をかねて、あらためてコンパをやるように相談。

大学を出てバス停で午前中の授業をとっているという学生に声をかけられた。「センセイは板書しないのですね。あれ(OHP) のなかから試験にでるんでしょうか」と聞かれた。そうだそうだ、「板書」の対応を忘れていた。来週から話の概略を最初にまとめて提示し、最後に「まとめ」をパワーポイントで提示しよう。実験授業は秋セメスターからだったので、春セメスターの講義の部分の資料についてはあまりデジタル化が進んでいないのであった。

J大学のNさんより論文の抜き刷りを送っていただいた。そのなかに私にとっては感慨深いタイトルの論文があった。もう18年ほどもさかのぼるのだが、当時大学院のマスターだった(Nさんと私も「同窓」の)Uさんが行った画期的な研究がある。それと同質だが、しかし、より組織的・理論的な論文があらわれたのはUさんの研究から10年が経過してからだった。こちらは米国のメイジャーな研究雑誌に掲載され、「英語圏」では「世界で最初の研究」として言及・引用され広く知られているものだ。この分野ではこの論文をきっかけにしてかなりの数の研究が行われるようになったのである。最後に合ったときに、Uさんはこのようなことにあまり拘泥されていない様子で、ご自身の予想された方向の分野で研究が進展していることに満足だと言われた。その後進路をかえられてしまった。ともかくNさんは「英語圏」にたいし、Uさんの研究を知らせ、先駆者としてUさんの存在を明らかにした。私は、Uさんのような研究者が研究の場を得られないということについて、大学にいながらなにもできなかった(Uさんに対しても自分にたいしても)ことについて、わだかまりを持ち続けていたのである。Nさんの論文でUさんの研究が評価され広く知られるようになると思えば、このわだかまりの一部は軽くなるような気がした。

「事実」は本質的にコスモポリタンなものだが、それが知られるのは「共通語」としての「英語」を通じて、ということになるのだろう。しかし、もちろん「英語」だけの問題ではないのだが、英語「も」不得手な私にはくやしい思いがつのる。


99/4/14(水)

転出されたGセンセイのゼミ生のうち4名の卒論の「リーダー」をやることになった。2年3年時の心理学実験実習ではいずれも熱心にとりくみレポートの出来も非常によい学生であったので、卒論のほうも大丈夫だろう。

日曜日にasahi-netはなにかトラブルがあったらしい。M大のC君がメールで教えてくれた。asahi-netを見に行ったが「障害のおわび」はあったが、理由など詳しいことは書いてなかった。

きょうは甥の「宮参り」。若い人もけっこうキチンと「通過儀礼」を経験している。私の「宮参り」の記憶はもちろんないのだが、「ひもおとし」(七五三)は近所の幼なじみのSちゃんといっしょに聖徳太子の時代のような衣装で撮影した写真がのこっている。生まれて一月くらいで母子とも安定してくる時期のようだ。たしかに、なにかに感謝したくなる気持ちがわきおこるのだろう。


99/4/13(火)「なぜ心理学を学ぶのか」

心理学研究法の最初の授業では例年「心理学のあつかう問題について、これまでに抱いた疑問にどのようなものがあるか?」という質問をしている。実際にはなかなか答えてくれないので、元ネタの「調査」結果(藤永保氏、1981)をOHPで示す。年代はちょっとちがうが、受講生にとってもみぢかな「疑問」が並ぶ(と思う)。これを元にして、心理学研究法あるいは「方法論」の必要性を話している。今年はこれに加えて、昨日の「愚一」さんの「記」http://wwwkyo1.meijo-u.ac.jp/staff/toshiito/kinkyo.htmにヒントを得て、「なぜ心理学を学ぶのか」という質問をしてみようと思う。例年は授業でさきまわりして私の個人的な意見を述べていたのであるが、学生にこのような基本的な質問をしてみるのも良いと思う。例年は、田中氏と藤田氏のかかれた教科書の扉の印象的なことば「自分にだまされないために」というOHPを提示して、えんえんと「解題」してきた。意見を聞くとなると、いろいろな回答を用意しておかなければならなくなって、私の手にあまることになりそうではある。

学部の研究法は測定法の話から始める。今週は心理検査について、客観検査法の代表としてMPI検査を「実習」。来週「採点」と説明を行い、再来週はこれを記述統計の復習のためのデータとしてコンピュータ実習。今年は電算「実習」の時間を多くとるようにするつもり。

R002の設備の問題点

大学院の方は研究法が6名ほど履修するとのことで今日の授業から出席してきていた。行動適応学は4名となり、先週の打ち合わせを変更しなければならなくなった。また教室も変更しなければならなくなった。2名なら小研究室でもよいなーとおもっていたのだが。あいにく火曜日は演習室が込み合っている。

大学院は修士論文を書くのが第一の目的だとおもうので各自関連する論文を授業の中に取り入れるようにしたいと話す。例年のように学生のバックグラウンドはさまざまのようなので、研究上必須で体系的に理解しておかなければならない心理統計学を中心にする。こちらも電算実習の時間をおおくするつもり。

「愚一」さんの「記」1999年4月8日では、加藤尚武氏(京都大学)・学力の低下現象と新「学問のススメ」http://www.ethics.bun.kyoto-u.ac.jp/kato/education.html 最近の受験競争のカゲで深刻な事態が進行している。「才能の浪費」を組織的に行っている感じだ。


99/4/12(月)免許更新

今日は大学をやすんで免許証の更新の手続き。さいきん完成した免許センターまでいく。視力検査と聴力検査?があった。視力検査の装置は以前警察署で受けたときの装置より新しくて、だいぶ明るい印象。聴力検査は「次の方どうぞ」というのが聞こえるかどうからしい。「優良ドライバー講習」というのが30分ほどあった。前回までの講習会では、フィルムをみると気分がめいって、まいっていた。今回は客観的なフィルムでよかった。衝突実験でシートベルトをしているときと、していないときの比較のフィルムで、前の席は当然だが、チャイルドシートと後部座席での着用が強調されていた。次のフィルムは運転中にケイタイ電話をつかったばあいの視線の動きをアイカメラで撮影したものだった。ケイタイ使用中は視線の動線範囲が通常の半分ほどになっている。ケイタイ使用中の事故では追突事故が80%弱程度をしめるのだそうだ。ケイタイを使っていない場合の事故では追突事故は30%弱。これは知覚心理学の授業でもつかえそうなフィルムだった。

そのほか道路交通法の改正点の説明。30日の免停を「講習」か「社会奉仕」で「つぐなう」仕組みなどがある。高齢者についてはCRT検査(なんの略だが説明してくれなかった)という「動作や反応時間の検査」が加わるようになったとのことだ。

講習会の部屋は大学でいうと小〜中教室(70人くらい)くらいの大きさで、設備はかなり良い。大型のテレビ(背後から投影するタイプ)とOHPのビデオ版、音響設備。ただしテレビには虹色状態のよこしまがかなりでていて気になる。プレゼンテーションとしてはビデオが15分程度、解説が15分程度でほどよい時間なのだが、解説する項目が多すぎて、やはり「時間が少なくてわかりにくかったかと思いますが」という最後の挨拶。時間が少ないこととわかりにくいことは一応独立のはずだと思うが、私も授業で同じ様なことを言っているのかもしれない。しかし、全体としては「はきはき」として声も聞きやすいいい声だった。「聞く」立場で感じたことは、ビデオの時にはバックグランドミュージックがあるが、解説中にもあると良いのではないかと思った。講義では御法度かもしれないが。

(講習終了後、教室を出る際に「終了印」を押してもらって、免許証と引き替えて交付を受ける。終了印方式は、出席をとる方法としてよいかもしれない。出席カードを各自一枚用意しておき、それにハンコを 押していく。最後の定期試験の時に一緒に提出する。でも、カードをなくしてしまう学生が必ずいるのだろうなー。4/19追記)

昨日「往来」を更新して日記猿人に報告しようとしたのだが、Asahi-netそのものにつながらなくなってしまった。はここ数日つながりにくくなってきたように感ずる。課金のこともあるしそろそろプロバイダーの検討をしなければ。



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