大学往来 


99/4/25(日)のどもとすぎれば・NHK FM放送「日曜喫茶室」

なんとか最初の一ヶ月をのりきれそうな気分になってきたので、午前中春セメスターの授業計画のリストづくりをやった。講義が始まる前は15回の講義というのは際限ないもののように感じられるが、一月なんとかのりきると、あれも話たい、これもとりあげなければ、というように変わる。げんきんなものだ。昨年度は「授業進行状況」の更新ができなかったので、今年はこの日誌と授業関係のページでぜひ続けてやりたい。実験授業の「宿題」になっていた講義内容のWebテキスト化も今学期の目標にしたい。

昼頃、車のなかでNHK・FM放送の「日曜喫茶室」というトークショウ番組を聞いていた。ゲストの一人は作家の森村誠一氏。タイトルは「創作の命は見果てぬ夢」というものだった。森村氏の「作品」には三種類あるとの話があった。正確ではないが、「迎合作品」、「対応作品」、「(聞き取れず)作品」。迎合作品というのはこれを書けば読者にかならず「うける」ということを意識して書くばあい(このような技量がなければ職業的な作家とは言えないかもしれない)、2番目は読者も求めており、作者も書きたいと思っていることを書く「需要と供給」のバランスのとれためぐまれた作品、3番目はもしかしたら読者に反感や拒否反応をもたれるかもしれないが、書かなければならないと作者が思う作品ということだ。

もちろんプロの作品の話で、レベルも次元も異なる話であるが、講義や研究にも当てはまると思った。講義では「対応講義」であればおたがいハッピーだが、毎回そうも行かない。これまでの経験を思い起こしてみると、ある程度うまくいったなーと感ずる学期の講義はこの三つの要素のバランスがとれている時のような感じがした。しかし、科目によってはその内容上「(反感)講義」の比重が大きいものもあるので、これらには苦労するのである。

森村氏には多彩なジャンルの作品がある。「私は総合病院をめざしている」ということばが印象的だった。作家にはある特定分野で活動する人などいろいろだが、自分としては「好奇心から、よくばっていろいろやってみたい」ということだ。

番組の終わり頃、座談の中の話のなりゆきが、文学作品にしろ娯楽作品にしろ(読者の側も、作者の側もお互いに)「より良い」ものを目指してきたのだが、「より良い」ものが必ずしも期待され受け入れられなくなるような時代がくるのかもしれないなー、とも。(クラシック音楽が「残るか」という話題のなかで、「右肩あがり」の神話が信じられてきたのと同じように、文学や芸術においても「より良きもの」が追求されてきたのだが、これも「神話」にすぎないのかもしれない、という話になり、森村氏はなるほどそういう見方もありうるのかと、ちょっとショックを受けられた様子だったが。)

話をじっくり聞くことができるラジオは良いものだ。この番組は最近は聞く機会がほとんどなかったが、私がまだ学生のころから続いているような気がする。非常な長寿番組だと思う。


99/4/24(土)Delphiで心理学実験

自宅から歩いて10分ほどのところにC-YOUというパソコンショップがある。茨城・千葉方面のチェーン店である。以前はトンチンカンな価格付けのため、まったく購入する気にならなかった。しかし、最近では大手チェーン店に対抗できる価格になってきて、なかなか競争力が出てきた。

iMacの箱がめだつ。きょうは12個ばかり積んであった。予約済みの札がはってある。iMac333とかいてあったのであたらしいRev.D のようだ。

この店は本や雑誌・文房具などもあつかっているので用もないのによく見に行く。今日はフロッピーディスクのラベルと「Zipディスケット3枚収納ケース」を買った(PPケース、環境対策商品で不要になったら資源ゴミで出してください、と書いてあるのだが、外観はプラスチックなので資源ゴミの日にだしても回収されないオソレがある)。フロッピーも結構ながく使っているなあ、とあらためて思う。

本売場を眺めていたら、岡本安晴氏の「Delphiでエンジョイプログラミング:心と行動の科学がわかる心理学シミュレーション」(CQ出版)がでていたのでさっそく購入した。Delphiのプログラミングを始めるきっかけとなった同氏の「Delphiプログラム入門(CQ出版)」、同じく「Delphiでまなぶデータ分析法(CQ出版」)はたいへん参考になった。目次を見ると計量・数理心理学、知覚・認知心理学関係の内容。学部学生にはちょっと高度な内容かもしれない。しかし、Windows95/98環境での心理学実験プログラムの書籍はほとんど無く、貴重なものだと思う。


99/4/23(金)Web書店

4月初旬に大学のK書店に同社のWeb書店の利用申し込みをしたのだが、その後全然連絡がない。昨日問い合わせたところ、明日メールボックスに返事を入れておきます、という。これはあきらかに忘れていたのだなーという印象だ。なんともやる気のない返事。クレームしないと動かない例がまたひとつ増えた。まあ、店舗や支所の存在を脅かしかねないものではあるのだが。いまのところ、Web店に申し込んでも、受け取るのはK書店を通じて、ということになるようなので、この調子ではあまり期待できないかもしれない。

数日前、プロバイダーのASAhi-netよりメールで料金体系の変更の知らせがあった。現在はプランB(月15時間まで1700円以後3円/1分)というのに加入していた。月々の接続時間は予想をはるかに超えてかなり高くついていた。それで、プロバイダーの変更を考えていたところだ。あたらしい料金体系ではプランCというのが従来月30時間までで3000円だったのが、月150時間まで2900円に「値下げ」になっていた。月150時間というと一日あたり5時間ということになるのでほぼキャップ制に近いものになった。乗り換えを検討していたDTIは上限が3500円で回線状況も良好との評判で魅力があるのだが、柏地区は入会制限中の模様だ。とりあえずASAhi-netのプランCに変更することにした。乗り換えは回線状況の様子をみてからにしようと思う。

ネット情報ではNTTも市内定額料金制を一応検討しているとのことだ。記事では開始時期などまったく不明だが、最初は地区を限定してテレホーダイのような付加価値サービスとして開始されるかもしれない、とのこと。プロバイダー料金込みで上限が5000円を下回るようになれば、学生も気軽に使えるようになるだろう。


99/4/22(木)しあわせな実験・事務処理モード・誕生パーティ

午前中知覚心理学。きょうはふたたびビデオ教材で、「開眼手術:はじめて見る世界」を解説。このビデオで心理学の臨床的な貢献をみることができる。鳥居先生のいわれる「共同実験」について私なりの解説を行う。「被験者」と「実験者」双方に意義のある「しあわせな」実験で、心理学の研究の理想的な姿の一つであると思う。実験実習などではなかなかこのような状況を作れない。

今日はR004教室の備え付けのビデオとプロジェクター(天井固定型)でおこなった。カーテンをしめて、照明を落とす。30分のビデオで解説しながら70分程度話す。備え付けのビデオのリモコンがない(だれか返却してくれー)ので一時ストップがちょっと面倒。スクリーン前にコンソールがあって、その一番下の段にVTRが備え付けられているので。なんか文句ばっかりのようだが、備え付けるときにちょっと配慮してくれればよいものだ。次回ビデオを使うときには手元を照明するペンライトとリモコンが必要だ。

昼食時教務上の問題で(まえに教務委員をやっていたときの履修規則について)、現教務委員より質問を受ける。教務課のTさんを呼んで確認。数年前のことだが、教務委員会処理モードになかなかもどれない。

昨日のJ会議議事録メモとフロッピーをN助教授へ。こちらの事務モードはやや回転してきた。

昨日卒業生でいったん就職の後、U大学のN教授に大学院でお世話になったO君からメール。希望の「研究所」へ配置になったとの知らせだった。修了後計量心理学の知識を生かせる企業に就職することができたのだが、希望の部署に配属されず、昨年はくさっていて、やめたいといっていただけにうれしかったことだろう。(しかし、企業の研究所では何をしてもよいわけではないと思うし、厳しい制約があるだろう。これからが正念場だ。)

肝心の研究モードはどうなっとるのかとカゲの声。午後からゼミ。

ゼミでは卒業研究の紹介(T君の卒論)。かゆみ感覚についての素朴だがおもしろい研究なので紹介。いくつか質問があった。次回もう一度卒業研究の紹介をやって、テキストの演習へうつる予定。ゼミ終了後なにか学生がニヤニヤしているので変だなーと思っていたら、私の誕生日を調べてくれていて誕生パーティを開いてくれる。今日はちょうど私の誕生日だったのです。3,4年生と4年の新メンバーも二人交えて。花束をもらう。名前を知らないのだがいくつかすみれ色の花をくみあわせたなかなか趣味の良い花束だった。すみれ色というのは語感もその色も、とてもせつなく、けなげで魅惑的だ。「すみれのはーなーさくころー」という歌を思い浮かべた。すみれを収集しておられたある老教授のことも。学生が大学のそばにできた自家製のパン屋さんでアルバイトしていて、そこでつくってもらったというイチゴ・クリームのロールケーキを食べた。家庭的な味でなつかしくやさしい味だ。写真が趣味らしいということで写真立てまでプレゼントしてくれた。みんなどうもありがとう。


99/4/21(水)沖縄・退学・最新設備

今日やること

午前中ビデオテープ発送。琉球大学のNさんへ。学生の頃から沖縄にはあこがれていて、なんだがちょっとうらやましい。学生のころ大学の研究室に石垣島の出身のOさんというアルバイトのテクニシャンがおられた。かれに「はいどなん」というスピリッツをおみやげにたのんだことがある。最初につとめた大学で知り合った、当時学生だった那覇市出身のT君もどうしているかなー。きなしょうきちの「はな」をライブできくのがもっかのあこがれ。池袋にある沖縄料理の店がなつかしい。夏になったらまた行ってみよう。

入学したばかりの大学院修士1年のTさんが「退学することになりました」との挨拶にあらわれて、はじまったばかりなので何事かと思ったが、Tさんの専攻分野の大学院に合格したということだ。Tさんの関心と私の講義の内容は比較的よくあいそうな印象だったので残念なことである。本学のような従来の学問区分とは異なる大学院は「先駆的」ではあるのだが。最近はこのような時期にも合格発表するところがあるのか、とちょっと驚いた。

昨日M大C君が来学。ちかくの専門学校で非常勤の帰りとのこと。M大では今年から日本で初の通信制の大学院(教育学関係)が開学になった。研究に比重のかかっている大学院のほうが通信教育制度を生かせると思う。教員免許状関係はまだ交渉中とのことらしいが、希望者はかなり多かったようだ。いろいろ大学のことを話した。教室や設備の話になって、やはりM大でも最新設備を導入しても全体の設計とチグハグして活用されないものが結構あるとのことだ。「決定」段階で利用者の意見をキチンと聞かないからだろう。組織上の問題の現れでもある。

G教授から引き継いだ卒論の学生tさんが卒論の相談に現れた。関係論文を探してきて、だいたいそれにそってやりたいとの希望だ。論文はメディアを通して行うカウンセリングの比較検討を行った実験。これならもうすこし変数を明確にして実験すればきちんとやれそうだ。

今日は午後からJ会議。昼食をとりながらJ会議打ち合わせ。委員会構成について二三の変更点あり。J会議終了。懸案の議事録はなんとか一ヶ月おくれまでこぎつけた。


99/4/20(火)授業の要点

管理者Mさんより大学のサーバーダウンの経過の説明と「おわび」のメールがあった。サーバーのハードディスクの故障ということだった。

午前中昨日の実験実習のデータを一カ所にまとめる。Zipディスクにバックアップ。実験補助のL君にプリントアウトと集計を依頼しておくこと。サイバー研究会「自宅研修」用ビデオのダビングを準備室U君に依頼。ひる前にできあがる。

昼食時に担当者3名でJ会議の議事録校正。遅れていた議事録もなんとか一ヶ月おくれまで追いつけそうだ。5月より遅れなく配布したい。

今日の授業の要点

以上の予定でいったのだが、研究法はそれぞれ予定の1/3程度。授業の展開で予定外のどうしても話しておかなければならないと感ずるコトガラが出てきたため、「まとめ」の時間がなく板書対策を適切に行えなかった。統計など基本的な事項が重要なのでここは急がずじっくりいくべき。学部のほうは結局各自の「検査結果」を本人に知らせることにした。心理テストの扱いやデータの保護の問題を話す。

研究法は今日から教室をR002からR003に変更してもらった。R002は受講生の数とくらべてちょっと大きすぎたので。R003は昨年も使った教室で、受講生50名弱程度の場合、大きさがちょうどよい感じがして話しやすい。備え付けのOHPも標準的で明るくつかいやすい。

大学院のほうは予備知識の範囲はいろいろだし、心理統計学も初めてという学生が大半なので、文字通り基礎統計からスタートしたのだが、、、。こんなことやっていていいのだろうか、との思いもヨギル。来週は電算実習とする。まあ、この授業が終わる夏には諸君は計量心理学のエキスパート(のたまご)だ、といきたいのだが。

授業を終えて教員談話室に立ち寄った。非常勤のセンセイがノートパソコンを持参されて仕事をしておられた。東芝のダイナブックの薄いやつ。「いつでもどこでも仕事ができるということは、良いことのような悪いことのような」と楽しそうにお話になった。ダイナブックは2時間程度は大丈夫と話されていた。


99/4/19(月)サーバートラブルつづく・実験実習・ケイタイメール

午前中11時頃やっと復旧。なんだかほっとする。

復旧最初に、大学の一期生のO君の結婚式の案内が来た。いやいやおめどう。

サーバーがダウンしている間、Z教授はインターネット関係機器を一新されて、たまたま自宅から大学の方に初めて接続を試みられていたが、接続できず悩んでおられた様子だった。たしかに最初の頃インターネットに接続できないと、自分の設定の方が間違っていると考えることが多いようだ。

昼食時談話室にB教授がさっそくIDOの新しい携帯(メールのできるやつ)を見せびらかしに。インターネットのメールも扱えるということですばらしい。メールをチェックするのに非常に便利そうだ。メールを書くことを考えると、ケイタイ付きWorkPadが理想的なのだが。

今日の授業

夕方からまたサーバーダウンの様子だ。メール確認に応答しない。帰宅したところ復旧の模様。昼休み「情報センター部長」を交えて雑談のおり、プロバイダーへのアウトソーシングの話題。インターネットを学生にも本格的に解放する場合には現状の人員・設備では無理だろう。


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