大学往来 

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99/5/2(日)オープン・エデュケーション方式の追跡調査結果・記事

今朝の東京新聞一面(11版S)は加藤孝次氏(上智大・教授)浅沼茂氏(東京学芸大・教授)らの行った「方式オープン・エデュケーション方式の小学校の卒業生が、自主性や社会性などの点で、一般校出身者よりも優れている」とする調査の中間結果の記事だった。

オープン・エデュケーションというのは従来の教室単位の授業でなく、複数の教師が複数のクラスや学年をあいてに授業したり、従来の教科横断的な授業を展開する教育の形態である、と説明されている。日本での公立校では、加藤氏(米国で小学校教諭経験をもつ)が1978年に愛知県内の町立小学校2校(新設、以下A、B)で指導したのが最初であるとのことだ。

教育目標は

これらをオープン・スクール建築(多目的ホール、教室毎に区切られていない形式の校舎)の小学校で実施したものである。

追跡調査は両校の卒業生を対象にアンケートと面接調査。比較条件のために同町内の一般的な教育方法をとっている小学校出身者を対照。(調査人数等記載なし)

(現在高校生の結果では)

等の回答を寄せる割合が対照条件をおおきく上回った(数値記載なし、A、B両校の結果?)。

B校の卒業生の調査結果として、

浅沼氏は「自分で物事にぶつかり、自分で考える子どもが育っている」、加藤氏は「波風がたったこともあったが、20年間よく続いた、、、おおまかな集計の段階だが、好結果が出ている」とそれぞれコメント。

最近テレビなどでこのスタイルの小学校の授業風景を見ることがある。高校の「総合科」というのもこれの延長なのだろう。

教育方法とそれの追跡調査の結果はあまり見たことがないので、このような研究は貴重なものだと思う。この記事からは詳細は分からないのだが、数値的には「教育目標」の達成に効果が上がっているようだ。

教育心理学の方面の研究にシロートの私の疑問点は検討違いの点もあるかと思うが、以下のようなコトが気になった。

たぶんフルリポートではこれらの要因はコントロールされていると思う。それにしても、生徒の回答は大学学生にてらしてみてもたいへんうらやましい回答だ。大学ではよく「勉学は自主的におこなうべきもの」ということが言われる。この結果を見ると、そのような「学習態度」そのものも「教育」によって形成・涵養されるもの(すべきもの)なのかもしれない。


99/5/1(土)私事都合

先日「念願の」自動食器洗い機を取り付けた。使い初めて間もないが、便利なものだと実感した。いくつか問題はあるものの「省力化」の威力は相当なものだ。問題というのは「がんこなよごれ」と食器洗い機用の洗剤を使わなければならないことだ。使用する水の量は手で洗うよりも少ないそうだ。ただし温水をつかうため温熱費がかかるようになる。

昨日、先月生まれたばかりの甥の写真を撮る。部屋の中だったので明るい標準レンズ(50mm、f1.4)を持っていった。標準レンズをつかうのは久しぶりだ。「きれいにぼけている」写真がいいなーと思い、ほとんど解放に近い絞りでとったのだが、私の全自動一眼レフのファインダーは透過スクリーン状態で「ぼけぐあい」を確認することが難しい。一眼レフのスクリーンはもはやピント合わせの機能をもたないようになったためだろう。このため何枚かは顔や目にピントが来ていない写真になった。自動化されるとかえって不便な面もあるが、それでも私の場合には手でピント合わせするよりははるかに確率高いと思われる。

きょうは富山の「鱒乃寿し」が届く。毎年義理の祖母(という言い方があるのか分からないが)が手配して送ってくれる。義理の母が言うには、いくつか食べくらべた結果「関野屋の鱒乃寿し」がいちばんよいとの結論である。一度富山でたべた、しろえびのにぎり寿しも旨かった。

ネット情報で、Mac用のOffice98のアップデータ2というバグ修正ソフトが配布されている。いくつかの不具合のなかにWindows用で問題になった「使用ソフト(ハードも?)識別コード」を作成ファイルに「無断で」書き込む仕様が修正されるという。パソコン関係の雑誌をすべて丹念に読んでいるわけではないのだが、このようなことはあまり問題にされず、バグとしてのコメントしかない。PC Waveなら少しは反応したと思うのだが、この方面の論評をパソコン雑誌に期待することはできない。


99/4/30(金)学内LAN・ネット「盗聴」・就職活動の「必需品」

電算室のIDとパスワードの件について電算室に確認したところ次のような内容のメールがあった。

今日の朝日新聞ではインターネット上で密かな「検閲」が行われているという(ネットの中の「私」1)。身近なところでは、「社内メール」、市民運動団体のホームページが「監視」されている。社内メールをチェックするロボットエンジンもあるようだ。特定キイワードを検索するもののようだ。おりから我が国でも「通信傍受法案」審議中(米国では「捜査当局によるコンピュータ通信の盗聴が十年余り前に合法化」されている)。これはネットばかりでなく電話・ファックスの「盗聴」を許可するというものだからオソロシイ。きちんと審議できるだろうか。

夕刊では、大学生の就職活動状況の記事。英語資格とメールアドレスが就職活動の「必需品」になっている。来春卒業の学生・大学院生で民間企業への就職を希望している30万人に調査(!どのように調査したのかは書いてない)した(リクルート社)結果によると、英検の有資格者が昨年の21%から42%へ(準2級(以上?)に限ると12%から20%へ)上昇。およそ7割の学生がメールアドレスを所有している。資料請求や会社説明会の登録の半数ちかくがインターネット上で行われている。インターネット以外では受け付けない企業も出てきている。「ニセ情報」もあるので注意が必要だ。現状は企業の「買い手」市場状態だが、面接や試験担当者の「態度」などいろいろな情報がインターネット上で行き交っている。


99/4/29(木)「キャンパスはもうインターネット・第8回専修大学編」(日経ネットナビ99年6月号)

http://www.senshu-u.ac.jp/ 

メールアカウント取得状況は、経営学部が92%、ついで文学部73%、商60%、経44%、法43%。文学部が高く、経済学部が低いのは意外な感じ。今回登場の4人の女子学生のうちパソコン所有は3名。メール利用はともだち同士で「常識」のようだ。また、4年生は「企業エントリー」にメール利用。レポート用の資料検索に活用しているデジタル度の高い学生も。ケイタイのメールに関心ある様子。

学内パソコン台数は事務処理用を含むのか不明だが、数量的に見る限り、文系総合?大学としては恵まれたパソコン環境といえるのではないか。大学の提供する情報サービスがどの程度かは分からない。記事から推測すると現在は「電算教育」用途が主体か。日本の大学ではせっかくのネットワークやパソコン環境を利用して本格的な「大学サービス」(学生サービス、教育サービス、研究サービス、地域サービス)を展開している大学はまだまだ少ないようだ。”the most wired university”になるのはどの大学だ。


99/4/28(水)電算教室での授業おぼえがき

 

電算室NさんよりメールでQ501のIDとパスワードの件は設定していなかったとの連絡があった。すぐに対応してくれたようだ。


99/4/27(火)講義のおぼえがき・ライセンス期限・ウイルス

午前中昨日の実験実習の追加資料をつくる。

3限の研究法は電算室(K405)で実習を予定しているのでSPSSのリハーサルをやっておこうと思って立ち上げたとろ、「ライセンスの期限がきれているので、、、」というメッセージが出る。このノートパソコンには大学で契約しているものをインストールしてもらっていたので、電算室のNさんにメールで問い合わせ。ほどなく連絡がついて新しいバージョンをインストールしてもらう。SPSSはハードウエアキイをつかうので、ノートパソコンだとパラレルポートのない機種が人気になったりで対応せまられているらしい。ハードウエアキイの問題にどのように対応しているのかについては聞き損なった。SPSSのバージョンが8.0Xになって、以前よりも動作が軽くなったようだ。

授業では先週採点した心理検査データをつかってごく基本的な実習。SPSSのカンタンな説明とデータエディターの使い方、記述統計、グラフ(ヒストグラムの作成)まで行う。教室が電算室に変更になったせいもあるが、10名ほど遅刻。実習系授業では遅刻は厳禁だが、まだ「プロの学生意識」が芽生えていないようだな。学生はパソコンになれているせいもあり、それほど問題は生じなかった。しかし、この程度の作業でも個人差があって、はやばやと作業を終えてしまう学生もあれば半分ほどしかできていない学もある学生もいる。きょうの記述統計は平均値と標準偏差値の計算だが、「標準偏差値を説明できない人てをあげてー」と質問したところ4割程度の学生が手を挙げた。1年次の統計学で当然教わっているはずなのだが。次回授業はプレゼン教室に戻る。

4限は大学院の研究法。おなじく電算室で実習。電算室はQ501。こちらは学生によりパソコンの習熟度はかなり異なる。パソコンの経験のない学生もワープロはつかっていたということで、一番おおきな障害になるキイボードの問題は幸いないようだ。春セメスターの期間中にかなり慣れるだろう。(こちらもしばらく電算室で講義することにする。)

昨年あたりから学内LANへの入り方が変更になって、K405のほうとQ501でシステムがちょっと異なるようで、とまどう。K405では教員個人IDとパスワードで入るようになっている。Q501のほうはこれでは入れない。また、以前は各学生のIDとパスワードが割り振られていたが現在はこの識別はおこなっていない模様だ(近々変更予定)。制限がないのはよいのだが、プリンターもLAN接続になっているので、だれの出力だかわからなくなることもある。このようなささいな点が改善されないと授業で気楽に活用するというわけにはなかなかいかないだろうと思う。K棟のほうには管理者が待機していていろいろ技術上の問題を解決してくれて助かったのだが、Q棟はこの点人手不足だなー。LANの管理はたいへんだと思うのだが、なにかいい方法がないものだろうか。

5限は行動適応学。こちらは「実験的に」学際研究分野を話題にしている。ここ数年は「健康・病気」に関する健康心理学、医療人類学、実験心理学の諸研究を話題にしている。

昼食時に国際部のF教授から、R001〜004のプレゼンテーション用教室にデスクトップパソコンが設置できるようになったとの朗報。これでノートパソコンを持ち運ばなくてもすむ。ただし、「大容量リムーバブル」記憶装置はMOになるらしく、ZIP派の私としてはMOドライブを購入しなければならなくなるので、ぜひZIPドライブも付加してくださるようにお願いしておいた。まあもしだめでも、新しいデスクトップならUSBポートが使えると思われるので、USB ZIPドライブを持ち運べばよいのだ。

(プレゼンテーション教室のパソコンのリムーバブルディスクがMOということになるとファイル変換用に研究室に一台必要だ。MOはドライブが高いので痛い。雑誌など見たところではCD/RとMOの組み合わせが「主流」らしい。以前はMOはおそくて問題外だったのだが、新しいモノは改善されているようだ。プレゼンテーション資料は完成品ならCD/Rに「焼いて」使うのがよさそうだが、なにせ変更がおおいのでやはりMOということになるか。99/4/28追記)

26日が「危険日」のウイルス情報。これはかなり危険でフラッシュロムのBIOSデータを破壊して(書き換えて)しまう可能性があるとのことだ。こうなるとカンタンには復旧できなくなる。「ワクチン」はできるだけ新しいバージョンで検査しておくほうがよいようだ。


99/4/26(月)パソコンの設定・実験実習解説・宿題

K書店のWeb商店のユーザーID、パスワードが届いていた。パスワードが申し込んだのとちがっているぞ。おいおい大丈夫かいな。まあ簡単に変更できるようだが。ニッパン(日販)もWeb書店を開店するとのことだ。こちらも注文はインターネットで、受け取りと支払いは書店で、という形式のようだ。

午前中コンピュータのCRTの調整確認。Dellのモニターを一台借用できたので、次回の実験グループは5セットで実験できそうだ。2サイクルで終了できるので待ち時間を短くできる。ディスプレイの設定を「工場出荷状態」にもどし色温度など設定値を確認した。同じメーカーだがやはり色合いなど微妙に異なる。統制条件の工夫で対応する。

ハードの設定やソフトの設定が簡単にできるのは良いことだが、このような時には一台ずつ設定しなければならないのでちょっと面倒。実験室のパソコンに「実験実習用のパソコンやディスプレイの設定を変えないように」という掲示をしておいた。

午後から実験実習。実験実習1は先週やったマッカロー効果の実験について、データを配布し、実験手続き、データの処理方法、参考文献などを説明。2年生は初めての実験レポートなのでいろいろとまどうことも多いと思う。

実験実習2のほうも先週実験したカテゴリー弁別の実験の説明と解説。こちらはちょっと時間が足りなくて追加・補足資料を明日配付ということにした。これは次の実験グループでは最初から用意しておくべきだな。

夕刻、研究室スタッフと大学院生で会食。わたしの「教歴」のスタートしたころの事を話す。わたしの職業上の原点である。しかし、この「宿題」はいまだに果たせないでいる。


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