大学往来 

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99/05/23(日)インターネットと就職活動

昨日の午前中実験実習1のレポート読み(前回グループ分)。最初のレポートだが、全体的に良く書けていると思う。毎年感ずることだが、実験実習1と2で2年間レポートを書く訓練というのは「教育効果」が高いと思う。3年生になると「手慣れて」くるのだが、個人差も大きくなっていく。関心のある分野が限定されてくるということもあるのだろう。

OB,OGによる「サイバースペース相談室」へSさんより就職関係の雑誌記事情報のメールが昨日あった(“激変”就職戦線、したたかな攻防 〜 即戦力求める企業 VS 情報武装する学生、日経ビジネス1999年3月8日号)。著作権の問題もあるので、要約してリンクという形式が一番よいのだが、雑誌記事ではそうもいかないし、ページをみることである程度の情報を得られることも必要だ。今回分は「対話形式」に脚色して掲載することにした。

記事によると、インターネットによって就職活動のやり方が、学生側企業側ともずいぶん変化している。記事の中で気になる動向としては、しばらく前から採用にあたって大学名を不問にする企業も現れてきているのに、これに逆行するような動きがでていることだ。リクルート社は就職情報獲得のためにホームページで就職活動中の学生を登録させている。これがかなりこまかな個人情報で、データベース化されて、企業側が採用試験の情報として利用できるようになっているとのことだ。リクルートでは「大学名で採用することは推奨していない」と述べているようだが、企業側では大学別に選別したり、特定の能力をもっている学生をリストアップしたりというような「危険な」使い方もできる。学生は情報を得るために登録している(せざるおえない)のであろうに。

情報収集にあたってインターネットを利用している学生がほとんだと思うが、もし、学生が「いま知っている」企業名で情報収集すれば、インターネット上でもやはり特定情報に集中してしまう傾向になってしまうだろう。学生側も「企業名」だけで選択するようでは企業側とある意味で同じことをしていることになる。(しかし、まえにも書いたがインターネット情報は玉石混交だ。ウソ情報もおおいので注意が必要だ。)

学生側に利すると思われる点は、試験問題や面接内容を学生がインターネット上で「おおやけ」にできるようになったことだろう。明らかなセクハラや人権上のハラスメントを受けた場合には企業名やばあいによっては担当者名を「おおやけ」にするのが良いと思う。


99/05/22(土)反「デジタル・アパルトヘイト」・「セクハラ事件」

朝日新聞(夕刊、地球の肖像、伊藤千尋氏)「スラムになぜコンピュータ学校を。ロドリゴ・バッジオさん(ブラジル)」。ブラジルで彼が始めた反「デジタル・アパルトヘイト」運動を世界に広める活動の記事(コンピュータの民主化をスローガンにしたNGO活動「コンピュータ科学民主化委員会CDI」)。日本ではJCA-NETという団体が協力を表明している。市民団体ピースボートは来年1月の世界一周航海でリオに寄港し、バッジオさんに日本で集めた中古パソコンを渡す予定とのことだ(03-3363-7561でパソコンの寄付受付)。このような記事なのに各団体への問い合わせ先URLが書いてないのはどうしてだろう。

また、同紙には清泉女子大学でおこった「セクハラ」事件に端をはっする「人権ハラスメント」事件の記事があった。ある非常勤講師Aのセクハラを「告発」したB非常勤講師と学生にたいする「弾圧」事件という構図のようだ。講師Aは事実関係を認めたため契約うち切りとなった。しかし、学内教員Cが講師Bと学生を非難し(「たいしたことでないのに騒ぎ立てて、優秀な教員を首にした」)、これに同調する学科主任Dの圧力によりBはカリキュラム変更という名目で再契約をうち切られた。さらにCは学内で講師Bと告発した学生が「悪い」との中傷を続けた、という事件のようだ。学長は事実関係を認め学生に謝罪したとのことだが、誹謗中傷されたB「非常勤講師」の方は名誉回復されたのであろうか。この事件の顛末は、告発した「学生グループ」がホームページを開設して今回の事件の顛末を明らかにする予定とのことだ。インターネットで公開するという運動が大学側の謝罪を引き出したようにも読める記事であった。


99/05/21(金)「おもしろすぎる日記たち」

午後から本屋へ。発売になった「面白すぎる日記たち:逆説的日本語読本」(文春新書)を買ったのだが、いちばんおもしろいのはタイトルだった。まあ、いろいろな日記を知るには手軽な本ではある。歴史的な日記については、エンターテインメントとして読んでしまうと危険な面もあるように感ずる。他の本で知った歴史背景とかなり異なる読み方をされている部分がある。Web日記についてはふれられていない。

もう一冊、丸元淑生(まるもとよしお)氏の「家庭の魚料理」(講談社)を買う。これまでに出版されている本で丸元氏の料理体系はかなり完成されたものと思っていたのだが、今回の「新技術」は小型のコンベクション(対流型)オーブンと加工法としてピチット・シート(水分吸収シート)による「ひもの」技術が紹介されている。丸元氏の料理の本は「丸元淑生のシステム料理学」(現在は文春文庫)以来のファンで、料理に興味をもつきっかけになった。「かたち」からはいる様式で入門にはぴったりだと思う。「クッキング文学」としては檀一雄氏の「檀流クッキング」(中公文庫)が、その後出版された多数の「男の料理本」の原型と思う。

MacOS 8.6フルインストール版が届いた。ごく薄いインストールマニュアルとCD-ROM。


99/05/20(木)信じられやすい説・就職「戦線」

いわゆる「ごとう日(五十日?)」でいつもは座れる電車がやけに混んでいた。こんなにいろいろ情報化が進んでいるようでも、昔からの商習慣ということらしいが5とか10の付く日は混んでいる。

午前中知覚心理学。今日の話題は開眼手術後の視覚訓練がかなり進んで複雑な事物の知覚について。前回途中になった視野について話の後、人の表情の認知の話題へ。人の顔とくに目を忌避する発達障害例を取り上げる。

卒論は時間を繰り上げて四時間目に。就職活動のせいなのか全員そろわない。つづいてゼミ(三年生)は今日から演習にはいる。

国際部のS教授と昼食が一緒になりセンセイのお若い頃の米国留学の体験談などを伺う。別の話になって、最近の若い人は本をほとんど読まない、という話がでて、それぞれ先生方が持論を披露される。比較的同意をうけていたのが「幼い頃にお話をよんでもらったかどうか」という体験の有無という「幼児期起源説」だった。しかし、このような「決定論」は「努力しても無駄だという」面をもつので教育の分野ではタブーだという話もでた。人間の心理や行動については、データや根拠はないのに「信じられやすい説」が多くあるように思う。心理学はこのような「わかりやすい理論」との「戦い」でもあるのだと思う。

下校時短大部のS教授とバスでご一緒になる。今年の短大の学生はいい意味で危機感をもっていて授業への取り組みなど非常に熱心とのことだ。特にS教授は情報関係の授業を担当されているだけに、学生の関心も高いのだろう。たしかに短期大学では新入生も来年ははやくも就職「戦線」が控えている。大学の情報教育の現状などを話しながら水戸駅まで。


99/05/19(水)消耗品

昨日テレビで大勢の高校生のまえでなにかを主張するという演出の番組をやっていた。一昨日の新歓コンパでの学生「挨拶」がどうもこれに似ている。

プレゼンテーション用の教室ではスクリーンが正面に設置されていて、これを下ろすと、ホワイトボードは隠れてしまう。いちいちスクリーンを上下するのも煩わしいのでOHPで透明シートに手書きしている。M大学のC君の使っている教室もやはりスクリーンと黒板?が同じ位置に設置してあり、両方使うのは非常に不便だと言っていた。講義するときは、やはりスクリーンと「黒板」が同時に使える方が便利だ。私の場合には、液晶プロジェクター用のスクリーンとOHP用のスクリーンの二つが用意してあると非常に都合がよい。

近所の文房具店・本屋で手書き用のOHPシートをさがす。厚手の立派なものは置いてあるのだが、黒板代わりに消耗品的につかいたいので薄手の安いもので十分なのだが、結局見つからなかった。カタログ注文しなければならないようだ。

これまでは余っていたリソグラフ用の透明シートを使用していた。昨日早めに教室に来られたF教授は環境問題が専門の方なので、私がシートを使い捨てにしているのをご覧になってマーカーは消せるのかとお尋ねだった。たしかに、あらかじめ作っておくものとは別に、書き込みながら説明するための、「何度も使える、マーカー・イレイサー・シート」の組み合わせの商品があってもよいのではと思う。

昨年度分のZIPドライブがいまだに納入されないでいる。どうも業者の担当の方が変わったらしい。ちゃんと引き継ぎができているのだろうかと心配になる。


99/05/18(火)教員談話室運営費

午前中学部の研究法の授業の準備。パワーポイントでスライドをつくってまとめた。R003・プレゼンテーション教室は私の時間のあと国際部F教授の講義が続いている。セットしたノートパソコンを引き続き使いたいということで、片づけないように心理準備室のT君に連絡しておいた。今月末にはデスクトップが常設される予定のようだ。うれしいことにZipもMOも準備できそうだということなので、ノートパソコンは持ち運ぶ必要がなくなる。今年は学生として品格に欠けるものが数名いるようだ。これまでこういう経験はなかったのだが。

昼食時に教員談話室の「運営費」(教員のポケットマネー)に多少余裕がでたので、なにか談話室に必要なモノがあればという話しがあった。ちょっと変な提案かとも思ったが、小型の自動食器洗い機はどうかと話した。このような機器を教員のポケットマネーで購入するのはちょっと変な気もするが、談話室の係りの事務担当者は教員のワガママに対応し、かなり大量の茶碗や茶器を洗い、教室の管理もしなければならない、等々、見ていると非常に繁忙な印象である。実は我が家でも、省力効果大であることを実感している。大学側がこの設置を認めれば、なかなか良い選択だと思うのだが。

つづいて大学院の研究法。Q棟電算室でSPSSの実習。今日はピアソンの相関係数の意味を説明し、計算実習を行う。例題演習。次の行動適応学は談話室でカリキュラムのことで話しこんでしまい大幅に遅刻してしまった。メンボクない。


99/05/17(月)新歓コンパ

午後から実験実習1。前回実験データを配布。処理とレポートインストラクション。つづいて実験実習2。こちらも前回実験分の結果を配布し、処理方法、レポートのインストラクション。実験実習2の方は刺激の構成などかなりくわしいハンドアウトを用意しているので、説明自体は短時間に要領よくできたが、実際の理解のほうはどうだろうか。

4年生のHさんが卒論の相談にやってきた。前回渡した本のなかにやや類似した研究があり、それを参考に計画をたてるということで具体的になってきた。

夕刻より学内カフェテリアで心理学専攻の新入生歓迎コンパ。ことしも定員よりも多い新入生を迎える。先週来読んでいる二人の経済学者の本のなかの大学ついての章をあらためて思い浮かべる。諸君の能力をそこなわないようにしたい。自らの能力を見くびってはいけないよ、とせめてものアドバイスだ。できることなら才能を開花させて全員卒業してほしいものと願う。

2年生の学生に、私が推薦入試の時の面接担当者だったといわれた。けっこうきびしいことを言われれた、と言っていた。学生とは1年生の時にあまり接する機会がないので入試の時のことはあまり覚えていないのだが、受験生にしてみればやはり記憶に残るのだろう。学年によって新歓コンパの様子や雰囲気はずいぶん違う。ことしはなんだかみんな元気よい人が各学年代表の挨拶をした。

電算室より連絡でQ棟電算室のネットワークへのログインのIDとパスワードが変更になったとの連絡。実験実習の合間にJ会議議事録の不明の点をM、H助教授にメールで問い合わせる。


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