大学往来 

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99/06/20 (日)結婚式

一期生のO君の結婚式に出席するため長岡市へ。やはり一期生のY君の結婚式で新潟市には来たことがあるが長岡市は初めて。上野から一時間半ほど。途中越後湯沢のあたりを通過して学生のときに一度スキーに来たことを思い出す。このあたりはトンネルが多い。当時はまだ新幹線はなかった。なにかの本で読んだ「この山を越える苦労を君らは知らんだろう」という田中角栄氏のコトバを妙によく覚えている。

午前中、基督教会での結婚式。そのあと披露宴。O君や同期生諸君とは昨年の同窓会いらいの再会。なり染めなど聞く。同郷の二人でお似合いであった。同僚諸氏の祝辞や余興でなごやかであたたかい式だった。O君は卒論では「MMPI検査のコンピュータ化」をテーマにして、現在のソフトウエアの会社に就職した。一期生はどういうわけか情報処理関係に関心のある学生が多かった。ゲームボーイファミコンが発売されたのは彼らが2年生か3年生のころだった。パソコンはまだ8ビットの草創期でかなり高価でもあったのだが、各自工面して購入していたことを思い出す。

O君は朴訥な印象だったが、真顔で冗談をいうシャイな人だ。式の途中まわってきた色紙には「カカアデンカがよろしいようで」と書いておいたが、新婦のAさんはしっかりしたカカアデンカになるだろうと確信している。

一期生諸氏は二次会に。二次会の始まる時間までロビーで話す。一期生のK君、Y君、C君はこの往来をよく読んでくれているらしい。式場のロビーで長岡の物産を見ていたら「元祖、柿の種」というのがあった。米どころ新潟がオリジナルらしい。駅弁ではやはり米どころらしくいろいろな寿司の弁当があったが、おいしそうなのは売り切れていた。

昨日のアップル社の新聞広告。供給できない商品を広告するな、と言いたい。


99/06/19(土)社会人学生

昨日は実験結果の解釈にワカラナイ点があり、(一日中悩んでいたワケではないのだが)日記更新できず。実験実習でやっている実験なのだが、どうも予想外の結果を示す例がある。いくつか解釈が可能だが次回の実験でどちらを検討すべきかを考えていた。可能な条件をつぶせればよいのだが、時間と被験者数の制約のため条件を選択しなければならない。

カミサンの買ってきた婦人向け総合雑誌というのかGrazia(グラツイア)7月号をパラパラ見ていたら「西山栄子のキャンパス・ダイアリー(第28回)という連載があった。「10代のときには断念した大学に社会人入学した」氏のエッセイである。いろいろ大学の問題が指摘してある。

カリキュラムの問題。各科目は「井戸をほっていて」専門にはくわしいが、「他(領域)とのつながりには興味がなさそう」で、関心のあるテーマを選択することはできるが、関心にそって体系的に選択することがなかなか難しい。また、各領域の関係について知ることはかなり困難だ。

技術的・専門的な科目ばかりで「高度な一般教養」科目がほとんどない。授業の年間計画が明らかでない科目がある。また、イソガシイ、あるいは明確な目標をもって入学した社会人学生の目には、時間をタイセツにしない、「学生、、、先生方も「時は金なり」を実行していない人種のよう」に映っている。オムニバス的な「総合講座」も2回ずつくらいでセンセイが交替されるため、「つかみどころがありません」ということだ。また、学生に連絡なく担当教員が変わってしまったりということもあったようだ。

このような感想を読むと、大学でのカリキュラム「改革」の流行(専門科目の増加、総合講座、多様な選択科目)は、やはり講義する側の(井戸を掘る)「論理」(都合)にすぎないのかかなあとも思う。多くの選択肢を提供する一方で、なんらかのストーリーを語る科目が必要なのだろう。学生も多様化している。カリキュラムはこれに対応しているだろうか、あるいはどのようにしたら対応できるのか、と思う。


99/06/17(木)ビデオ教材

午前中の知覚心理学では前半先週の続きで新生児・乳幼児心理物理測定法の意義と早期感覚遮断の問題のハナシ。後半は「オーソドックスな」知覚心理学の話題である錯視・錯覚関係のビデオ。今日使ったビデオは翻訳の関係もあって、ある程度の知識がないと理解できないと思う。教材ビデオは20分から30分くらいがちょうどよいのだが、時間の制限かすんなり理解することはできない。むろん一時停止しながら補足説明をするのだが。ドキュメンタリー的にわかりやすいフィルムにするにはどうしても40から50分くらい必要だろう。

むしろ、これからのビデオ教材はパソコンで利用可能なデジタル化されたファイル形式で「素材」として販売してもらえないかと思う。これを利用者が各自で加工編集して使えるようになっていると非常に便利だと思う。

卒論は学生により準備状況はさまざまだ。相談のあと自分なりに準備を進めることができる学生がやはり着実に進んでいる。3年生のゼミについても後期からは実験・演習方式でやりたいなーと思う。

ゼミは前の単元の「知能の測定」関係のビデオを見る(30分)。こちらのビデオは短いが論点がよくまとめられていて、事例も魅力的な材料が選択されていて、初めてでもよく理解できると思う(ジンバルドー心理学への招待シリーズ)。後半は新しい単元である心理物理測定法へ。今年使っている教科書は測定法にかんするものだが、具体的な研究例に乏しいので、ときどきビデオ資料で補うのが良いように感じた。

今日はじめてビデオデッキと液晶プロジェクターがポータブル型に一体化されたモノを使った。鮮明にスクリーンに投影することができて、演習室のような小さい部屋で見るのに非常に都合がよかった。

午後、夕立。寒冷前線通過という感じで、雨のあと非常に涼しくなる。


99/06/16(水)情報格差・ベンキョウと恋愛

今日は午後から会議が一つだけだったので、午前中遅く登校。ちょうど電車でL学部のJセンセイと一緒になったが、レポート読みのため失礼する。会議までの時間、図書館情報センターで文献検索。昨年度やっとCD-ROMの文献検索システムが入ったので作業が非常に楽になった。できればフルテキスト版だともっと楽だなあ、っときりがない。というのも、所蔵していない論文は図書館に申し込めば、所蔵図書館に手配して複写して送ってもらうこともできるのだが、手続き面倒で時間もかかるのである。小規模な情報センターでは専門雑誌類の購読に経済的な制約がある。できれば検索した論文を数百円の閲覧料でダウンロードできるようになれば、と切望する。購読料の問題が解決されれば、大学間の「情報格差」はデジタル化によって、解消できるのだが。

仮に、教員・学生が実際に読む論文はすべて(たとえば)オックスフォード大学図書館の文献複写サービスからファックス(かダウンロード)で取り寄せるようにした場合、現在図書館で定期購読している専門雑誌の費用と較べてどちらが高くつくのだろう。文献複写サービスはいまのところ高くつくのだが、それでもという感じもしないではない。

午後夕立があり、すこし涼しく感ずる。

WorkPadなどのPDA(個人向け情報端末)を扱っているVis-a-visというWeb商店からキイボードのドライバーソフトを買ってから、ダイレクトEメールがくるようになった。その中に担当者?の方の「日記」(編集後記のようなもの)が添えられてくる。個人の意見や感想が書いてあると、親しみがますような感じがする。今回はサブノートパソコンについての感想で、サブノートはどうも中途半端で未来がない、との感想だった。まあPDAを主にあつかうショップからのメールという点を差し引いても「どこでもパソコン」の夢はPDAのジャンルにあるのかもしれないなあ、などと思う。

朝あるテレビ番組で水上勉氏のインタビューが放映されていた。その中で若いアナウンサーが「私はパソコンができないのですが、、、」に答えて、「後悔しますよ」と答えられていた。水上氏にとって「電脳は杖」。また、今やりたいことは?という問いに「ベンキョウ(をやりなおしたい)と恋愛」。いいなあ。


99/06/15(火)送られてきた本

ねこやしき日乗http://www01.u-page.so-net.ne.jp/da2/necoya/d/という日記の中に、「言語表現ホームページ」という言語表現法関係科目の案内があった。「大学生の考える力、書く力、話す力」http://hyogen.edu.toyama-u.ac.jp/index_hobby.html

レポートの書き方の参考になると思う。私にとってももちろん有用だが、立場上レポート採点のチェックポイントの参考にする。「読む力、聞く力、調べる力、分析する力」というのも加わるとカンペキだ。

午後から心理学研究法。前半相関係数の確認をして次の話題に移る予定だったが、結局説明しなおして一時間つかってしまった。講義の中程で新学部設置の調査とのことで文部省関係の視察?があった。しかし後ろのドアをあけてご覧になっていたが、ほんの数分間で他の教室に移動された。

大学院の研究法は Q棟の電算室。今日は電算実習課題は無いのだが、冷房が効いているので電算室で。個別放送システムを利用して因子分析の解説。OHCを通じて「板書」するのだが、各学生のディスプレイに提示されるので、これは意外と見やすいようだ。途中の計算過程のところを省いたので、どのように理解するかちょっと心配だが、次回はいよいよ実際の計算を行う。結果をみて再度説明に戻るつもり。行動適応学は「痛み」の実験心理学、計量心理学の研究の紹介。一応講義は今日までにして、まとめの意味と最終的な目的地として、今期の残りの講義は行動計量学会誌の「生活の質」に関する論文をとりあげて、演習形式で行うことにする。

帰宅したところ「日経マック」が届いていた。もう一冊どうも本らしい宅配便の包みがある。住所は合っているが名前が一部違う。送り主は私の高校の同級生のようだ。名前は忘れてしまっていたが、第○期卒業(旧姓○○)と書いてある。これも本当かどうかワカラナイ。お、同級生がなにか出版したのかなーなどと思いながら開封したところ、なんとある新興宗教の本だ。印刷されたメモが同封されていたところからみて組織的に行われているのだろう。こんな本で「救われる」のであればそれはそれで結構だが、なにもわざわざ送ってくれなくとも良いし、受け取る理由もない。ノルマでやらされているのかも知れない。この本を何部購入して何人に送っているのかは知る由もないが、買う費用が多いほど信仰心が強いとでも言われているのだろうか。明日返送することにしよう。


99/06/14(月)CD・学期の期間

6月9日付け朝日新聞(夕刊)科学欄に紹介されていた、 NTTコミュニケーション科学基礎研究所のCD-ROM「イリュージョン 〜 不思議な錯覚の世界」を注文した。

(1) 錯覚博物館(2) 錯覚実験室(3) 錯覚の迷宮(4) 錯覚情報室などインタラクティブなデモンストレーションのようだ。株式会社「日経映像」より5月24日発売 \ 12,000(税別) 日経映像連絡先: フリーダイヤル 0120-151-051

問い合わせ先にはURL情報の方が良いと思うのであるが、新聞記事にはURLが書いてないことが多い(ような気がする)。URLが変更になったりするからだろうか。

朝、車中でレポートよみ。カンタンなコメントをつけて返却しているのだが、コメントが読みにくいのは電車の揺れにも一因があるのです。午後から実験実習1、2。今日は先週の実験データを配布し、結果の処理などレポートのインストラクション。実験1は全般的には予想された結果が得られたが、一部に予想外の結果もあった。なぜだろうか。

昼休み先生方と話す。学期の期間や講義のことについて。本学はセメスター制で春・秋のセメスターそれぞれ15週である。あと夏期セッションと冬季セッションで「集中講義」期間になっている。ちょうど学期の2/3が終わったのだが、疲れもでる時期で、3学期制の10週というのがうらやましい。「中だるみ」がなくて良いのではないかと思う。

大学院の授業についてBキョウジュと話す。結局、演習形式でやるのがよいのではないか、という結論に達した。大学院の研究法の方は進度はおそいがいまのまま行く。

今日はあるガクモンのホンモノの大家の方が非常勤でおいでになる日だ。いくつか授業を担当されているが、ある学部での講義はマスプロで、やりにくいと言っておられた。違いがわかるのは、だいぶ後のコトになるのだろうなあ。ひょっとすると気づかないままかもしれない。


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