大学往来 

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99/06/27(日)新手の「私語」

昨日は「私語」の話題を書いたが、新手の「私語」として授業中にケイタイ電話の呼び出しを経験することがある。最近ではさすがに呼び出し音はオフにしているようだが、教室の後ろのほうでケイタイに応えている学生にでくわしたことがある。また、呼び出し音が鳴り始めてあわてて鞄のなかなどをゴソゴソさがしている姿を見かけたこともある。

ケイタイを買った頃はまだこれほど普及していなかった。教室へも携帯していったこともある。つかっている教室周辺には内線電話がなく、万一のばあい教室から事務室への「緊急連絡」がとりにくいと感じていたことと、教務委員をしていたころはガイダンスなどの教室から事務方との連絡や確認に使って重宝もしたのである。携帯電話をつかうようになって数年であるが、この間一度だけ学生の急病で救急車の手配を事務方係りに連絡したことがある。

電話でながながと「私語」しているのに遭遇したことはさいわいまだないのだが、こんなときには、授業中に私のケイタイに電話してもらい、電話にでて「いまケイタイではなしているのがいましてね、、、」などとやってみたい衝動に駆られる。電話がかかってくるのはアナタの責任ではないが、マナーに欠ける人物だという印象をどうしてももってしまうなあ。


99/06/26(土)米国的私語の世界

日本の大学がモデルにしようとしている米国の大学の講義の状況、とくに私語について「アメリカにおける私語の世界」というタイトルで、「がくもんにっき」さん(http://www.fas.harvard.edu/~knakatan/who_d.html)が米国の大学事情を書いておられる。日本の大学の私語の問題はいろいろ話題になっているが最近ではちはる先生が「洗礼」を受けておられる。

「がくもんにっき」さんの大学では、「一般教養科目」は100名のほどの規模で、「決して人気のある授業ではないし、教える方が格別うまいわけではないのだが、、、私語はほぼ皆無」とのことだ。また、「アメリカに来てからぼくは「授業中の私語」の問題をきいたことがない」とのことで、日米の大学の違いについて考察されている。

(1)日本に比べると授業料は非常に高いので「投資」意識の差がありそうだ(日本のばあいには生活費が非常に高い)。

(2)カリキュラムの自由度は非常に高い(文系理系の区別などない。専攻を決めるのは三年生から)。しかし、系統的に基礎的科目から履修していかなければ希望の科目を履修できない。しかも履修できる科目数は制限されているので、「明確な目的意識」をもって履修科目を厳選して計画的に履修していく必要があるので、「授業にのぞむモチベーションが高まると思われる」。

また、履修科目数は非常に少なく、一学期に4〜5科目に集中する。一学期あたりの履修制限があるので、「 学生が授業を選ぶのに慎重にならざるをえない」。

(3)さらに日本よりも「大学で何を学んだかが卒業後の道に影響する。就職の際、自分を売り込む際に、大学で何を学んでそれがどう会社にメリットになるかをアピールできる必要がある。」

(4)授業については、基礎科目から系統だっており、「シラバスがかっちりと構成されている」。「授業の最初にはそれぞれの週にどんなトピックをやり、教材はどこを読み、宿題はいつだされ、テストはいつあり、成績はどのように計算されるかを明記した計画表=シラバスが配られる。このことにより、学生が学期半ばで方向性を見失うことが減る。各授業のトピックが授業に出る前から明示されているので、学生も授業にのぞみやすい。」

(5)また、宿題や試験が多いことも日本の大学とだいぶ違う。 

「宿題が多い。アメリカの大学では宿題は基本的に毎週出るものである。独力で教科書とにらめっこして宿題と格闘するより、先生の授業をきちんときいてポイントをおさえて宿題に望んだほうが楽なのは当然のことである。」「試験が多い。一学期4カ月のあいだに、中間考査が2度+期末考査」。

授業を受けることにこれだけ意味(メリット)があれば、「私語がないのも納得できる気がするのだが、いかがだろうか」ということである。

学生については、もちろん「不真面目な学生、いい加減な学生はいっぱいいる。しかし、やるきないなら最初から授業にでない、これがやはりこちらの学生の基本だと思う」ということで、決められた科目にしぶしぶ出席している状況とはだいぶ異なる。

要するに日本の大学ではこれらの正反対のことをやっているわけだから、「私語」が多くなるのは当然なのかもしれない。(「昔の」大学はどうだったのだろう。)個々の講義が改善されることはもちろん必要なことだが、現状の履修システムそのものを再考すべき時期だと思う。

わたしの講義では、比較的少人数のせいか、ときどき注意することがあるが、一度注意をすればそれで静かになり、私語は少ないほうだと思う。また、シラバスについては毎回のおおまかな講義内容程度でよいと思っていたが、これを読んで、さらに具体的な教程をつくって「かっちり」としたものにする必要があるなあと感じた。

 

今日はコンピュータの入れ替えで部屋を整理したのだが、いっこうに片づかない。むしろ雑然となり、足の踏み場もなくなってしまった。


99/06/25(金)

先日注文していたPowerBookG3/333(java color)が届いた。到着を待つ間にいろいろネガティブな情報が入ってくるのと、現状のマック(PowerMac7300/166)でそれほど不満はないため、入荷案内の電話口で一瞬キャンセルしようかとも考えた。しかし、デスクトップが「入門」用のiMacよりも性能が劣る面があるというのもシャクなのと、PBG3/333が旧来のインターフェースを引き継いでいるためスムーズに移行できるだろうと期待して購入することにした。自宅の7300/166と代替できるかしばらく試してみることにしようと思う。

付属のマニュアル類やシステムソフトの入ったCD-ROMは簡素そのもので、以前のアップル社の凝ったパッケージやマニュアルと比べると大違いだ。アップルロゴのシールはやはりおまけでついてきたが、6色でなく白いアップルマークだ。

ネガティブな情報というのは、意外に熱をもつらしいこと、ファンの音が騒々しいらしいこと、キイボードのチャタリング(すでに古語だなあ)が発生しているものがあるらしいこと、PowerBook部門の「内紛」のうわさ、供給が大幅におくれる模様、などであった。それでちょっと待ってもよいかなーとも思っていたのである。

国際部のF教授より、プレゼンテーション教室のパソコン設置がはじまったとのメールをいただく。授業のたびにノートパソコンを移動しなくて済むので助かる。でもプロジェクターは以前のままか。昨年後期の「実験授業」でプレゼンテーション資料を準備してあるので、秋セメスターはこれを改良しながら講義を進めればよいと考えると、ちょっと気が楽だ。

(義理の)甥の顔を見に行った。一月ほどの間にかなり成長して、体重は倍近く、首がすわってきた。表情が豊かになって、かわいらしい。


99/06/24(木)

午前の知覚心理学は前回ビデオの残りを見た後、失認、弱視など視覚障害の話しをする。午後から卒論相談。今日は2名。共感覚をテーマにしたIさんの発表を聞いて、研究の方向を考える。ゼミは心理物理測定法の章の残りの部分。後半はジンバルドーのビデオ(心理学への招待、感覚・知覚)を見る。

前期終了のコンパをやりたいとのことで、それと、合宿の相談を少し。先日大学院の卒業生のGさんからおくってもらったお煎餅をわけて食べる。サクサクと軽い味で好評だった。

授業終了後、教員談話室で英語のネイティブのアシスタントのBさんほか英語担当教員と雑談。Bさんはパーティが好きということで、ゼミコンパに呼ぶことになるかもしれない。コミュニケーションがちゃんととれればよいのだが、英語教員の方に「通訳」をお願いしなければならないなあ。Bさんはこちらが英語をほとんどワカラナイことはわかっているハズなのに、いろいろ「むずかしい」冗談をいったり、今日は「コソボ」問題の議論をしかけてくるのでちょっと困った。あまりにも大きい軍事力の差、他にとり得る方法もあったのではないかと答えるのがやっとだった。


99/06/23(水)MacPac 2

PalmDeskTopというパソコンとWorkPadのデータをシンクロするソフトがある。これまでThinkPadでWindows用を使っていたが、Mac用を試してみた。PalmMacPac ver2で英語版(2980円)。これにmig氏開発の日本語化パッチ(MacPac2日本語Kit R5)をあてる(http://member.nifty.ne.jp/mig/pilotroom/)。DiskCopyユーティリティをつかった経験がなかったので、ちょっととまどったが、無事インストール完了した。Windows用は日本語版が付属してくるのだが、Mac用の「正式」な日本語版は未だに発売されず、このフリーウエアが「事実上の標準」になっているという状況。しかし、WorkPadはひさしぶりにユーザー主導の展開でおもしろい。Macな世界もよいものであるが、新しい動きも見たいものだ。特にWorkPadはMacの世界から来たモノなのだから。

「ホットシンク」してみたところ、WorkPad側で削除した項目の一部に復活しているものがあった。開くデータファイルをまちがえたのだろうか。Windows版とデザインなど異なるが同等の機能のようだ。WorkPadのソフトはパソコンからインストールするようになっているが、Mac版ではまだ試していない。

昨年度よりゼミの合宿は研究機関の見学という新企画。今年の合宿も数カ所の見学を予定している。候補として考えていた防衛庁関係の研究所では心理学関係者が働いておられるのでぜひ見学したいと思っていた。旧知のUさんに問い合わせのメールをだしたところ、現在見学や広報活動を重視しているということで歓迎の意向だった。日程があえば、昨年と同じくU大学のNセンセイの研究室と共同で開催予定。「ハードな」心理学の仕事場を見たい(見せたい)。あと、いくつか企業の研究所を候補にしている。


99/06/22(火)よくであう犬

午後からの研究法は今日から知能測定の単元へ。心理測定法のもっとも基本的項目としてMPI検査と知能測定をとりあげた。いろいろな問題を引き起こしてもいる「心理検査」の理解は必須のものだろう。のこりもあと数回だが。続いて大学院の研究法。きょうは「かたちからはいる」因子分析で、昨年度のSさんの卒論研究データを借用してSPSS実習。アウトプットの要点を解説。次回さいど計算過程の要点を解説する。しかしこの種の授業では欠席するとちょっと分からなくなるのではないかなあ。

毎年のことではあるが、春セメスターの数ヶ月の間にパソコン環境への習熟にはかなりの個人差が現れる。これはいったい何によるのかワカラナイのだが、これ自体研究対象になるのかもしれない。基本的には触れている時間によるのだろうが。

登校時、バスの窓から、犬を散歩させている人をよく見かける。毎日ではないのだが、よく見かける犬がいる。南町付近ではときどきりっぱなムク犬にであうことがある。いつもは淡々と散歩しているのが、今日はしっぽをふってなんだかうれしそうであった。郵便局付近で出会うのは小型のシーズーで、いつも飼い主を引き連れて散歩している。つづいてよく会うのが「バーバーまつお」の玄関マットで店番をしている「まつお犬」(犬種不明)だ。東原のあたりでは双子?のビーグルにときどき出会う。2頭つれられて、散歩していたり、スーパーの入り口で飼い主さまを待っている。

自由が丘の交差点の「そばや」では柴犬が店番をしている。このあたりではコッカスパニエルを2頭つれている人をよく見かける。また、立派なゴールデンリトリーバーには夕方下校時に会うことがある。夕方はやはり2頭(犬種不明、一頭は黒のブチ)つれて散歩させている人とときどきすれちがう。あの元気そうな鼻息を聞くと、犬を飼うことの意味が分かるような気がする。

記憶が確かではないのだが、茨城県は犬を飼っている世帯の比率が全国一だか、かなり高いのだそうだ。通勤の列車から田園風景のなかに犬をつれた人の姿を見かける。特に和風の犬の姿が風景に調和して実によい景色である。

自宅の集合住宅のとなりにはゴールデンリトリーバーがいる。これはタイヘンわがままなようで立派なイスを居場所にしている(しつけの上では御法度だそうだ)。近所にはあまり犬がいないのだが、3頭の柴犬と一頭の(犬種不明)犬の吠え声を識別することができる。


99/06/21(月)蛇足

午前中実験実習1の実験プログラムの修正。実験条件を変えることにした。グループ実験は来週で終了。小実験室で、パソコンの熱風で気温の高い暗室こもって実験するのは梅雨の時期はなかなかつらい。冷房が入るのが7月にはいってからのため。今年は梅雨らしくなく、例年よりはマシで助かった。実験実習2は次回(たぶん来年)は刺激条件を再考して、いくつかの仮説を検討できるように修正するともっと良くなると思う。

注文していた「日経映像CD-ROM科学教育シリーズ、イリュージョン」が届いていた。M大C君によるとファイル構成はQuickTime形式やMacromedia director形式になっているようだ。

一昨日の「社会人」学生の眼からみた大学の感想についてさっそく多次元尺度構成(休日日記)でコメントをいただいた。補足というか蛇足というか追加として、「井戸を掘る」のは決して悪いことではなく、むしろ非常に大事なことで、水や温泉がでたりなんかして「世のため人のため」になるのだと思っています。ただ、今日では大学自体の役割が広がって、汲み上げたミネラルウオーターを濾過して、殺菌して、必要なら砂糖や香りをつけてまで味見をしていただく、というようなことも「期待される」ようになってきたということがひとつあります。また、このようなコトとはベツの観点から、ガクモン的にも、「井戸」同志の関係を探求するのも重要なことのように感じているワケです。これらはどうも混同されがちですが。

また、今日はホームページを見たというコトで問い合わせられた方があった。おまけにリンクまでして下さるということだった。なんだかうれしいのだが、「セキニン」を感じてしまうと精神衛生上よろしくないのでお気軽にご覧くださいということで。

大学の帰り道で学生とすれ違う。「センセイ、髪染めたんですかあ、青いですよ」と声をかけられる。たぶん短く切った、白いモノが混じる髪に、上着の色が映ったのだろう。


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