大学往来 

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99/08/01(日)電算教育

心理学研究法を話題にしているメーリングリスト(fpr)で「電算教育」の話題。いわゆるコンピュータ・リテラシーの範囲をどのあたりにおくのかについて、非常に大きな差が見られる。メール、オフィスあたりが「現実的」で十分という考えと、大学の「単位」である以上もう少し「高度」な内容があるべきではないか、という議論だ。

たしかに以前は「電算」教育は卒業単位に含めない「自由科目」的な扱いのところが多かったようだが、最近ではメール・オフィスあたりの内容で「必修単位」になっているところも多い。本学でも数年前に話し合い、結局「メール、ワード、エクセル、ホームページ作成、SPSSの使い方」を「必修」(1、2年生、2年間、週1回)に決めた。各学科専攻で必要な「特別な」技能は徐々に学科専攻に移管し(2年生)、それぞれ行っていくようにしよう、ということで。必修科目の範囲としては現実的なものだと思う。

メールやインターネット、ワード、エクセルの範囲で言えば各学生のリテラシーのレベルはだいたい揃い、以前のように少数の得意な学生のみがパソコンを利用するというような状態は無くなっている。この程度の技能は大学の単位に値しないという意見はまったくその通りだと思うのだが、それでもリテラシー技能の全体的な底上げ効果は非常に大きいと感じている。

しかし、この内容に2年間も必要かという意見もあるし、中級程度の電算教育についてプログラムやネットワーク管理を扱うような「選択」科目が必要だなあと感じている。

いろいろな問題もある。レポートなどで内容を理解していない方法(特に統計処理関連)をつかっている例が見られ、それを他の学生がコピーしているといった「弊害」もあることは事実だ。

また、授業中に「ネットサーフィン」しているような例もあり、こんな科目に単位をあたえるのかという意見も出てくる。ネットサーフィンに関係して、アダルトサイトや危険なサイトへのアクセス問題が持ち上がったことがある。これに対しては、授業中は担当教員がチェックできるので「注意」すればよいのであるが、時間外の利用について制限すべきかどうかという問題であった。結局大学からのアクセスは問題だという意見が多かったが、規制すべきでないとう意見もあり結論は出ていない。ただ教員によってはインターネットを利用しない場合には接続そのものをできなくして授業をおやりの方もあるようだ。

まあ、徐々に初等・中等教育でもリテラシー教育が始まっているようだし、「カリキュラム案」などを見るとむしろ大学の入門的なリテラシー教育よりも「高度な」内容となるかもしれない。今後の「電算」教育の目標を再検討し準備すべき時期だと思う。電算教育は「個別教育」を実現できる一番有利な環境にあるのであるから、この方面のソフト開発も必要だろう。

明日からゼミで見学合宿(二泊三日、都内の諸研究施設を見学、八王子の大学セミナーハウスに宿泊)に出かけるため、日誌の更新ができません。再開は8月4日からになると思います。再開の節はどうぞまたお立ち寄りください。


99/07/31(土)学習相談ネットワーク・web書店・散髪

昨日買ったASAHIパソコン(8/15・9/1号)の教育欄に(物理・化学)学習相談ネットワークの記事があった(「若手科学者と高校生のQ&Aネットワーク)。運営はなかなか大変だと思うが、「個別教育」のための環境になるかもしれない。学習面ばかりでなくいろいろな学生相談のシステムのヒントにもなりそうだ。

ゼミ3年生のI君のホームページはすこしずつコンテンツが増えている様子だ。

昨日初めて紀伊国屋のWeb書店を利用してみた(http://bookwebpro.kinokuniya.co.jp/)。大学向けのものでインターネットで注文して大学内の紀伊国屋書店を経由して受け取るものだ。いまさらWeb書店でもないのだが、ここは「個人研究費」で買うのに便利なように請求書で納入してくれるようになっているので便利。

夕刻行きつけの理髪店で散髪。「釣り」が趣味の若い人がやっているのだが、今日は理髪店のサービスについて話し、夜間営業をやるといいのではないか、などとよけいな意見を。サラリーマンだと散髪にいけるのは昼休みか週末ということになるので、昼休みのラピッドサービスと夜間は需要があるのではないかと思ったからだ。ちなみに私は髪を短く切っているのでだいたい3週間に一回散髪している。

夜、柏市の花火大会でにぎやか。ゆかた姿の若い女性が目立つ。


99/07/30(金)「キャンパスはもうインターネット」立命館大学編・レポート

日経ネットナビ今月号の(99年9月号)「キャンパスはもうインターネット」は第11回。

きょうは成績を提出して春セメスター終了だ。今学期はある科目の試験を課題レポートにした。一割程度は良いモノがあったが、全般的にはあまりよくなかった。特に、同じ文献の同じ箇所を同じ分量「引用」しているものが目立った。「カンニング」扱いにしようかとも考えたほどだ。次回からは試験に戻そう。


99/07/29(木)採点・ゼミコンパ

午前中大学院の「追試験」1名。「社会人」の院生の場合には定期試験に優先するコトガラがあるようだ。これは私がもっていた「試験」にたいする意識と全く異なるもので、ちょっとしたカルチャーショックだった。「社会人」を受け入れているにもかかわらず、「追試験」や「再試験」の制度も定められていないようだ。今後もこのようなコトが起こる可能性もあるし、いったいどう対応すべきだろう。

いちおう学部の制度に準じて得点に80%をかけた値を成績として扱うことにする。学部の試験とレポートの採点なんとか終了。しかしマークシートへの転写が間に合わず明日提出。

午後からは見学合宿の申請書その他の書類の書き直し。今回見学予定のある研究施設の担当の方から連絡。直前なのでなにかと思ったが、先般ある大学の見学を受け付けたのだが、遅刻者や見学「態度」がどうも芳しくなかった様子で、やんわりその旨の注意をしてくれるようにとの内容だった。そこは、とくに「お堅い」ところなので最近のわかもののファッションなどには唖然とされた様子だった。

夕方日程表のコピーや、参加者名簿などファックスして合宿の準備はほぼ完了。

夕刻からゼミのコンパ。一部の時間を合宿の連絡に当て、予定を大まかに説明。集合時間、服装などの注意、見学先担当者の方の簡単な紹介などをする。

私はコンパなどではしゃぐのは不得手なタイプで、学生も緊張している様子で気の毒だとは思う。しかし、今回の幹事役のJ君は得難いキャラクターで、いろいろ気をつかっておもしろい話をして、笑わせていた。こういう人はほんとにえらいなあと思う。


99/07/28(水)「平常点」

数日家を空けたので、メールやファックスなどいくつか返事しなければならないものや、見学合宿の申込書や参加者名簿などの通信事務モード。電話やファックスや宅配便タイムサービスまで利用。まだまだぜんぜんインターネットな世界ではなく、かなり時間をとられる。

午後から大学院の研究法の試験の採点。およそ半数は合格点だった。しかし、大学院の授業での出席の扱いに悩む。学部のように受験資格喪失をもうけるべきか、「平常点」として加味すべきか。大学院なのだから?出席にうるさくなくても、と思う一方で、講義や実習を(私もそれなりに無い知恵を絞って)毎週やっているのだ、とも思う。この件は明日検討し結論を出そう。やはり評価方式をあらかじめ明らかにしておくべきなのだろうか。

学部のレポートを受け取る。いつもは定期試験をする科目だが、今年はレポートに切り替えた。ぱらぱら見たところ「カットアンドペースト」風のものもある。ゼミの見学合宿が8月2日からなので、明日中に採点終了しないと成績提出日に間に合わない。なんで春セメスターの成績締め切り日はこんなに早いのだろうか(春セメスターという呼び方も新学期の頃はよいのだが、この季節になるとどうも変だなあ)。

今学期は授業評価アンケートを実施できなかった。学生の様子から察すると、知覚心理学まあまあ、学部研究法まちまち、実験実習なかなか、といった感じ。全然評価になっていないか。

大学院のほうは研究法まちまち、適応学特講まちまち。でも研究法の方は「大変タメになる」という学生の感想をメンターのセンセイを通じてうかがったこともあるので、少しは役に立つこともあるのだろうと思う。(まあこのあたりのネガティブ情報をそのまま表現しないのは「社会人」の深慮というべきなのかもしれない。)


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