大学往来 

■大学往来インデックス  ■index_hobby


99/09/05(日)「学級がうまく機能しない状況」

スクラップ。朝日新聞、「学校崩壊の3割、担任の能力超越 文部省初の委嘱調査中間報告まとまる」「学級経営研究会」(国立教育研究所長が代表)に文部省が委嘱。学級崩壊は「秩序が壊れたかのような印象をあたえるので、「学級がうまく機能しない状況にある」」と表現することした、そうだ。この状況にある102学級を聞き取り調査し、学級崩壊の要因を10個に分類している。「学級がうまく機能しない状況にある」クラスは平均3つの要因が関わっていた。7割は教師の問題で3割は「指導力のある教師をもってしても、、困難」ということだ。

研究方法は教師ほかへのインタビューで、「実態」よりも質的な調査を目指したとのことだが、正確な実態は把握できているのだろうか、と思う。この長い定義によれば相当のクラスが当てはまることになってしまうので、任意の教師を「不適格」にするというようなこともあり得ないハナシではないなあと思う。

臼田昭司、Math T/Lパーフェクトガイダンス:簡単に楽しむMacintosh用数式処理ソフト、BNN(1998)、3400円(Macintosh版Math T/L3.0付き)

中村和男・富山慶典、選択の数理:個人的選択と社会的選択、朝倉書店(1999)


99/09/04(土)亜土電子・「学力調査」記事

朝日新聞夕刊のウイークエンド経済(照屋憲一記者)は金山和男氏(旧亜土電子、現バーテックスリンク会長)のインタビュー記事。Tさんに教えてもらい「秋月」と「亜土電子」は必ず立ち寄った店だ。金山氏と面識があるわけではないのだが、学生の頃よく秋葉原にパーツを買いにいったので、パソコン雑誌などに記事がでるので、なんとなく親しみ感じていた。

亜土電子は最初通信販売の店としてスタートして、その後T-Zoneになって全国展開。しかし、その後ワンマン的経営のためか経営不振に。現在はCSKに吸収されている。金山氏も T-Zone からは手を引き、いまは「無料パソコン」ビジネスを展開中ということだ。

秋葉原を自転車で駆ける社長として有名だった人だ。「無料パソコン」は無料ではなくて、月10時間までのプロバイダー料と電話代の3500円、IBMとの保守契約料1800円の合計6300円が必要である。10万台がビジネスとして成立するラインということだ。現在最初の一万人に配布してスタートしているという。T-Zoneはパソコンの新しいトレンドに敏感な会社だった。先駆者はリスクを負うという典型のように思える。リターンマッチに健闘を祈る。

朝日新聞(夕)は「学力低下」検証へ、大学センター試験を分析、小中高生に修得度テスト(文部省方針)という記事。「かつての詰め込み教育への反省から、、、指導要領の改訂のたびに学習内容を大幅に減らしてきている、、、一方で「基礎学力の低下を招いた」とういう批判もある」。学力低下の比較は難しいと思う。同じ問題での比較でも成績低下しているという調査もあるようだが、「指導要領」内容に系統性がないこと、偏った大学入試も原因の一つだろう。

東京新聞(朝)は駿河台教育研究所が行った大学入試アンケート調査結果の記事。対象は高校(全国900校)。高校側の入試制度に対する批判は強く教諭の不信感は強い。

これらのことが高校教育を混乱させていて(入試科目以外の科目を勉強しない)、大学側は必要な試験を課さず、学力が低下したなどと言っているワケだ。このもんだいについては、大学の教育や研究の面から見て必要な各科目の基礎学力の具体的な内容を明らかにする「義務」もあるのではないかと思う。また、大学入試センター試験の「資格化」を求める回答が6割を超えている。まあこれは高校側の、各授業に「意味」を等しくもたせたいという「思惑」もないではないだろうが。

入試については、高校のカリキュラムにそった試験を、多数の科目で行うべきで、新しい入試方式については高校の実態をよく把握した上で考えてほしいというまっとうなものだった。

http://news.yahoo.co.jp/headlines/hwj/990903/cpt/15055200_wircpt007.html「遺伝子操作でマウスが賢くなる」

クロックアップ? みたいな話しだなあ。この遺伝子はなにをつかさどるのだろう。


99/09/03(金)「不適格教師」

朝日、東京新聞とも不適格教師・指導力不足の教師対策の研究を26都道府県・制令指定都市に委嘱して始めるとの記事。自浄能力を無視されたというところか。なかには「心理テストを」というヒトもあったようだが、「研究会」はどんな人で構成されるのだろうか。「問題」を解決できない教員組織というのはたしかに問題だが、同時に、東京新聞には文部省教育助成局長の(公務員としての)「教員の身分制度は手厚く、、、免職にすると裁判ざたになることが多いが、何年ものデータを残していないと勝てない」との発言がある。記事からはどのような研究をするのかよく把握できないが、どうも「人事上の処遇」や「裁判対策」といった面での「人事管理研究」が主体か?対症療法も必要だが、教員組織の自律性を確保する制度を考えることが必要なのではないかと思う。

ワード7で開いてよんでくれという添付書類付きのメールが来た。ワード7?。機種依存のファイルは送らないようにしましょう。

心理学会でのオフに参加したかったのですが、今回学会欠席のため残念ですが。


99/09/02(木)「知らない権利」

インターフェース誌(CQ出版)に「移り気な情報工学(北大、山本強氏)」というエッセイが連載されている。本やで立ち読みしたのだが、今回は11回目で「本当はおそろしい学力崩壊」というタイトルだった。「今時の若い者は」ということにすぎないことかもしれないけれども、という前置きで、最近の大学生の行動傾向を考察されている。

「最近の」学生の特徴としてよく教員の間で話題になるのは、「知らない権利」を主張する、というものである。「それは教えられていないので知りません」というものだ。旧世代では、教師に「高校で教わっただろう」とか、「え、知らないの」と言われるのは恥ずかしいことだという意識があったが、いまはそうではないと述べられていて、単に知識がないということよりも、こちらの方を心配しておられる。

このエッセイを読んで、いくつか思うところがあった。ひとつは、高校と大学がまったく分断されているなあということ。いまの高校では多くの科目が選択になっているようで、「理系」に進学するのに「物理」や「数学」(高校でのアドバンストコースの)を選択しなくても良い場合もあるということなどは、大学の教員からするとたしかにとうてい理解できることではない。しかし、この問題への大学の取り組みは始まったばかりだ。そして、大学のカリキュラムがこのような事実に対応しようとする場合には、「補習が必要だ」というようにネガティブに語られているのである。

世代間でそれほど「資質」に差があるとは思えない。なにがこのような「考え方」の変化をもたらしているのだろうか。どうもこの種の問題は結局天につばするようで、書きにくいなあ。ところで、教えられたことはきっちり理解できているのカナ?


99/09/01(水)災害時の安否情報・おさきにどうぞ

防災の日。静岡県立大学と岩手県立大学が相互のサーバーを利用して災害時の安否情報システムの運用試験を実施したというニュースをラジオで聞く。まんいち静岡大学のサーバーがダウンした場合には、静岡大学の学生は岩手県立大学のホームページを開いて、安否情報を書き込めるようにするシステム。普段学生が大学のWebサイトを利用する習慣はどの程度のものだろう。それでも、通信ルートが確保されていれば役に立つことがあるかもしれない。大学間のサイトは全国規模で連携すればかなりの通信ルートにできる。

昼過ぎ近所の文房具店へノートを買いに行った。やけに混んでいてレジーの前に並んだ。列が入り組んでいたのだが、となりに並んでいた大学生くらいの女性がわたしの袖をつついて、あなたの順番だと言ってくれる。いいえ私はこっちのレジですからと返答したのだが、ちょっと意外な驚きだった。それにしてもなんで店員は並んでいる客の順番に気を配らないのだろうかと思う。


99/08/31(火)発表申し込み・日記の内容

今日はある学会の申し込みの最終締め切り日だ。実はこの学会の会員にはなっているのだが、参加したことが一度もない。しかし、今年は旧知のKさんのおさそいもあり、出席することにして急遽申し込みをした。今年はS大学が幹事校なのだが、申し込みを(原則的に)すべてemailで行うということだ。比較的小さい学会なのだが、このような学会運営は個人的には初めての経験である。準備委員会はこの後の申し込みやアブストラクト類をどのように処理されるのだろう。なにか学会運営のノウハウのようなものがあるのだろうか。

午後から卒論相談。いきづまっていたHさんの実験は一応3通りの方法の中から検討することにした。Sさんの方は近いうちに予備実験にはいれそうだ。実験計画を話し合った。

ちはるセンセイのページには「書かなくていいことは書くな」という文章の基本。

別の問題として、書いてはいけないこと、かけないコトがあるように思う。

他人のプライバシーに関わることなど書いてはいけないコトはやはり書いてはいけない。しかし、書くべきコトなのに書けない、書くと後で面倒なことになるかもしれないので書かない、という場合もある。これらについては「ほめ殺し」スタイルで書くのが良いとは思うのだが、実力が伴わないので単なる皮肉であることがすぐに分かってしまったりで、なかなか書けない。また、書くことがない、というのもけっこうキョーフだ。

A大学で論文盗作問題。指導教授と学生の間にときどき起こる問題だ。連名で発表することが多いような気もするが、たとえ連名でも貢献度にはさまざまな分布があるのだろう。


99/08/30(月)エントラップメント

昼過ぎ映画を見に行く。Entrapment。魅惑的な女泥棒役、どこかで見たことがあると思ったら新作の怪傑ゾロに出演していた女優。アジア系かと思ったらラテン系らしい。ストーリーはそれなりにおもしろいが、ボンド氏が昔の名前ででています?的な展開でどうも今ひとつ。

夕方のニュースで、老教授と女子学生の心中?事件があったそうだ。

明日は卒論の相談があるがHさんのテーマはあまり良いアイデアがない。まあ、明日話し合いのなかで、なにかいいアイデアがでることを期待。Sさんの方は、いまやっているデータと関係あるもので、どうなるか実験データ次第。



■大学往来インデックス  ■index_hobby