大学往来 

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99/10/2(土)「色覚型」

高柳泰世、つくられた障害「色盲」、朝日新聞社1996

高柳氏は色覚型についての「偏見」と闘いをつづけてこられた。知覚心理学の授業でもこの問題を取り上げているのだが、うかつにもこのような著書が出版されていることに気づかなかった。このなかに、視覚・色覚研究者の紹介部分がある。金子隆芳氏(色彩心理学)、井上俊氏(衛生学)、村上元彦氏(視覚生理学)などそうそうたる研究者は自ら「色覚異常」であることを「公言」されていたということだ。著者らの活動により、制限はかなり改善されたが、大学学部や職業によっては、なお制限の残されている所がある(リストあり)。


99/09/29(木)事故

今日は事故続きの一日だった。朝は通勤列車が柏駅の人身事故で一時間遅れた。昼頃には東海村の事故。知ったのは夕方だったが。下校時雨がかなり降っていたのでタクシーに乗る。運転手さんが事故の経過を詳しく説明してくれた。かなりの事故の模様だ。

午前中は講義で、午後から卒論指導・ゼミをやっていたのだが全くこの事件に気づかなかった。東海村方面の学生がいたかもしれない。


99/09/28(火)統計学

午後から研究法の講義開始。基礎的な統計の話しをしなければならない。ちょうど米国の大学の基礎統計学の授業の様子が書かれていて(がくもん日記)、レベルはちがうもののいずこも同じと思う。良いヒントになった。

身近なアンケート類を例題にするのは私もやっている。やはり統計そのものの内容のみでは学部の入門授業はもたないので、そのデータの背景をかなり話し、その上で統計的な方法の話しをしている。それでもある種の「アレルギー」は解消しがたいものがあるように感じている。しかし、まあこれは無理もない話だとも思う。つまり、キチンと理解するにはそれなりにキチンとした数学的理解が必要だが、その準備が無い場合にはどうしても概念的な説明の仕方になる。「雰囲気的な」理解の仕方では気持ち悪さが残るのは当然だからだ。

心理学のデータではかならずしも統計的な処理のみが「研究法」というワケではないのだが、実験や調査結果を見る場合には、統計的な考え方の基本は理解されていなければならないと思う。非常に興味深いデータ例というのはそうそうないので苦労するのだが、基本的なt検定で統計処理をやるとこんな結論を下せるのか、というある種の驚きを与える、データの決定版もある。

統計処理のみがヤヤコシイ方法として浮かび上がってしまいがちなので、実験や調査全体の中でどのような役割を果たしているか、という観点で授業を構成するように努めている。


99/09/27(月)「パソコンやメールアドレスのもらえる大学」

秋セメスター(後期)の開始。講義は明日から。ひさしぶりに情報処理関係委員のB教授にあい、はやくも来年度の計画について聞く。学期の始まりは気分も変わってうれしい反面、しばらく「自転車操業」の日々を迫られる。

電算教育関係の記事で「選んだキャンパスはココ!パソコンやメールアドレスのもらえる大学」(週間アスキー99/10/6号)。設備面では授業中に一人一台ずつパソコンが利用できる大学が増えているが、あたらしい傾向はノートブックの学生全員所有とインターネット入試のようである。

たぶん他にもあると思うが、記事ではノートパソコンを全学生に持たせる大学として、

目新しい所では「インターネット入試のある大学」

各大学とも情報教育には力がはいっているが、学務・教務・図書館情報などの整備は老舗大学が進みつつある。また、このような大学では完全双方向の「遠隔教育」の準備に取りかかっている。


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