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99/12/10(金)香港旅行記

大学とは関係ない話しなのだが、先日短い日程だったが香港に出かけたので、その「みやげ」話ということで。

K夫妻はマニラに駐在からひきつづき香港駐在になっている。ある電子機器メーカーに勤めているので海外生産の拠点づくりの仕事をしている。マニラ駐在のさいに一度訪ねたことがあり、非常に印象深い旅行となっている。アジアではほかにタイ(バンコク)を訪ねたことがある。もう15年も前になるが、このときもちょうど駐在になっていた知り合いを訪ねていった。

K夫妻が駐在してから数回目の訪問になる。前回の訪問と同じく友人夫妻のS婦人と我々夫婦の三人の旅行。今回は二泊三日という短い日程だが、香港島側のホテルに滞在した。朝、成田を出発すると午後には香港市内に到着できる。飛行時間はだいたい4時間半で気軽にでかけられる。天気は雨模様でぐずついていたが、冬の間はあまり天気がよくないということだ。

私の楽しみは「中華料理」にあるのでそれ以外はただただ買い物につきあった。食事も買い物も楽しいのだが、あのせっかちな人たちの喧噪と人口密度を体験するのも楽しみのひとつである。「大陸的」にゆったりとふるまう人も多いのだが、街全体は非常にせっかちである。歩く速さはたぶん東京より早い。地下鉄のエスカレータもスピードが速い。老人などはちょっと危険な場面もあるのではないかと思うほどだ。

宿泊先のホテルまで出迎えにきてくれたK婦人がさっそく街を案内してくれた。現地化したK婦人は流れの速く、こみあった道をものすごい早足でブランド店や個人商店のアウトレット店を案内してくれる。ブランド店は日本とかわらないが、個人商店では値引き交渉などおもしろい。また、香港では夜が長く、9時とか10時頃まで開いている店も多い。夜型人間には天国だろう。ちなみに私はゼミのコンパでプレゼント交換(1000円以下)があるということで、帰国する日に、ある品を選びプレゼント用に包装してもらった。

夕食は地元の人で込み合っている店へ。香港には超高級レストランから非常にやすい食堂まで多彩である。洗練された中華料理もすばらしいが、ごく普通の食堂でたべる料理もこれまたうまい。食事のあと香港で流行しているデザート専門店(麺・粥・簡単な料理もうまい)で中華のデザートをたべた。おなじみの中華のお菓子類のほかに、日本の「お汁粉」に似ているメニューや「とうふ」のデザート類が多数。甘みは日本よりも軽い。

香港では、食事はほとんど外食という人たちが多いということで、朝・昼・おやつ・夜・深夜と安価でバランスのよい食事がとれるようになっている点はうらやましい。日本でも食事は24時間いつでもとれるようになっているが、その実質をかんがえると伝統的な食事のとれる香港のほうがすぐれているのではないだろうか。日本でも最近は外食がふえているので、レストランはすぐれた日常食を提供する食堂に衣替えするのがよいのではないかなあ、などとおもった。

帰国の日、朝食のあと宿泊したホテルの近くの公園に散歩にでた。スター・フェリー乗り場へ通じる地下通路をくぐりぬけ、地上にでるとおびただしいフィリピン人女性があつまって、かなり騒然としていた。香港としては冬の季節なのだが一気に南国の雰囲気であった。彼女たちの多くはメイドとして住み込みで働いていて、日曜日にこうして公園に集まって話をしたり簡単な食事をしたりすることがほとんど唯一の楽しみであり息抜きであるとのことだ。高校生か大学生の年齢にあたるのだろうか。公園には彼女たちをめあてにした露店などがでているし、カメラをかかえたカメラマンが写真を撮っている。たぶんプリントをすぐにして渡す写真屋さんなのであろう。これを彼女たちは故郷に送り元気な姿を知らせるのだろうと思うと、小柄な彼女たちがけなげに思える。

K夫妻がフィリピン駐在のときにはマカティ市という高級住宅街で「メイド・運転手つき」の生活をしていた(多くの駐在員がそうであったそうだ)。K夫妻によるとやはり家の中に「他人」が一緒にいるという状況にはなかなか慣れることができなかったそうだ。

おりから日本国内は不況のためK夫妻は駐在期間がのびそうだ。かれらは狭い香港に食傷気味であったが、また近いうちに訪問する口実ができた。


99/12/9(木)

朝すこし寝過ごしてしまったが、いつもの電車にはなんとか間に合った。

知覚心理学のプレゼンテーションスライドを配布資料用でプリントしてコピーを依頼。今日は嗅覚の2回目で、多少体系的に嗅覚の知覚について話した。今日でこの話題は終わるつもりだったのだが、時間内で終わらず、あと一回延長することにした。心理物理学的研究を主として話し、他の感覚や「情動」「動機付け」に関連する話題を取り上げた。

におい感覚そのものを表すことばとしては「くさい」や「かぐわしい」くらいしかおもいつかない。「においを表現する」ばあいにはほとんど共感覚的比喩がとられたり、あるいは直接「○○のにおい」というように表現される。共感覚的表現自体もおもしろい現象だ。嗅覚や味覚などの分野は心理学的研究も未開拓な部分が多く心理学を学びはじめた人たちにとっても挑戦的な分野であると思う。

卒論相談は今日は4名。2名は時間外に。これは私自身としては時間的に余裕があるときは時間外でも歓迎なのだが、いきなり問題点を相談されると困ることもあるし、とりかかっていることを中断しなければならないこともある。できれば、あらかじめメールかメモで問題点を連絡しておいてくれれば、当方も時間の都合をあわせ、心の準備ができるのだが。

つづいて3年のゼミはJ君の当番で「瞳孔反応」に関する論文。話しが具体的で明解だった。実際にこれを研究テーマにする場合には、今後の進展・展望について考えてみるとよいのではないかと思う。


99/12/8(水)

午前中、昨日より持ち越してしまったプログラムのデバッグ完了。合間にセレロン・ホワイトボックスのケーブルの接続などして、一応立ち上がるようになった。あとはWindows98をインストールすればよいのだが、時間がとれず明日以降に。

昼食時に午後からの会議のための打ち合わせ。会議終了後、午前中にデバッグしたプログラムで実験をした某氏から、実験でつかう視覚刺激にデバッグ用にはりつけた記号をつけたまま実験をやってしまったとの報告。動作のみに注意して、他のパソコンにコピーする作業に気を取られたためのミスだった。唖然。呆然。仕方ない。せっかくの実験は実験者のリハーサルになってしまった。まあプログラム自体には間違いないことがはっきりしたのだから、とせめてもの慰め。


99/12/7(火)

午前中某氏のプログラムをデバッグしたのだが、午後からは被験者を呼んでいるとのこと。結局授業の合間の休み時間にデバッグしたということで、午後からの講義開始時刻に影響が出でしまった。

学部の研究法はt検定の2回目。半数ほどの学生はイメージできたようなので来週は電算実習。基本的な数式をつかえばもう少しすっきりと説明できるのだが。

大学院の研究法は分散分析の2回目で、一元配置の説明。こちらは概念的には理解できたようなのでやはり来週は電算実習へ。時間の都合もあり二元配置の一番単純なモデルの演習までになりそうだ。

毎年のことながら本格的なプログラム教材をつくらねばと感じ入る次第(だが、のどもとすぎれば、ということを毎年繰り返している。あーなさけな。今年はそれでも新機軸をうちだせと、「自分をほめてやりたい」症候群。)

大学の公開講座を一回やらなければならなくなって、それの概要を提出してほしいとの依頼をすっかり忘れていた。催促の電話。かえりの列車のなかでいろいろ考えた。


99/12/6(月)

午前中。午後からの実験実習のインストラクションの資料をつくる。時間がすこしあったので、パソコンのアップグレードの組立作業を半分ほど。2年前に同じ様な作業をしたが、部品類の規格化が進んでいるようで、さらに簡単になっている。

実験実習2の課題はすこし未成熟な点があるので、今日は二つの仮説のどちらに有利なデータが得られているか、というように非常に単純化して説明した。実験手続きのややこしい部分は資料を用意したので比較的説明しやすかった。ただ、一部のデータの解釈については私自身も明確な答えのない部分が残されている。

夕方電算室からメール。年末12月30日から年始は1月3日まで学内のサーバーを停止させるという連絡だった。Y2K問題への対応ということだ。技術者としてはサーバーを動かして何が起こるか経験し、適切に対処して腕のみせどころだと、はりきっているのではないかなあと期待していたのだが、安全性を優先させたということだろう。シロートの勝手な見方としては、ちょっと消極的な対応という感じもするが、学務・教務情報など重要な情報を管理しなければならない立場の人に野次馬的無責任発言をすることはゆるされないだろうなあ。二桁の年号処理を考案した責任者は名乗り出なさい。


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