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1999年度・授業評価アンケート結果

「大学往来」(file:ar2k0111.html)より抜粋


2000/1/13(木)授業評価アンケート結果(知覚心理学特講)

K学部で実施している「授業評価アンケート」用紙を借用して「自己点検」することにした。時間終了後にもかかわらずほぼ全員が記入してくれた。調査は無記名である。そのおおよその結果は下に。

授業評価アンケートの集計結果

質問項目は11で5件法で回答する。1点が「最低」、5点が「最高」である。各質問項目群内の平均値と標準偏差をもとめた。次のような結果だった。

得点の分布は下に示すようになった。分布はおおむね釣り鐘型だが、Q2の質問項目の得点は5段階の評価が多くなった。教材についてはまあ合格点といえるだろうか。内容・すすめかたについての質問項目群はそれぞれQ1とQ3で、評価段階は4が最も多い。(Q1は質問4個からなるので度数が他の質問グループよりも多い。)分布からはなんとか合格といえるだろうか。

さて授業のもう一方の主役である学生自身の授業への「参加度」(自己評定)は平均値3.5標準偏差0.94となった。分布は下の図のようになった。「意欲をもって参加している」学生は大体1割というところだろうか。

自由記述欄に記入してくれたのは9名であった。

これらは来年度以降努力する。プリント配布については、学期途中にある学生からリクエストがあったのでスライドのハンドアウトを配布することにして対応している。ハンドアウトについては授業直前までパワーポイントで変更したりしているので印刷の依頼が間に合わないことがあるという事情があるのだが、これも次年度以降対応することにしよう(Web公開してダウンロードしてもらうという方法もある)。声の問題は私はマイクをつかっていたので十分かと思っていたのだが授業中に音量を一度確認することに。また、たぶんOHPの交換などでマイクから離れるときに聞き取りにくくなるのだろうと思われる。話題については「概論」的にカバーしなければならない範囲があるので、もっと詳しく聞きたいという話題も出てくる。これについては話題をさらに整理して、参考文献や資料で対応するのが良いだろう。

以上の結果が「合格」なのか「不十分」なのかは比較の対象がないので判然としない。平均値はあまり芳しいものではないが、分布は比較的良好な方向へ偏っている点を評価して、「自己評価」では「B+」としたい。

この「授業評価」はK学部では「義務付けられている」のだが、この結果をどのように解釈すればよいのだろうか。私の所属する学部ではまだ制度化されていない。現在は個人的に「自己点検」としてやっているので、気は楽だし、授業改善にも役立てようとも思うのだが、もしこれが義務づけられるとするとやはり気が重くなるだろうなあ。

昨年度の各質問グループの平均値は、Q1(3.6)、Q2(3.9)、Q3(3.5)、Q4(3.2)であったので、今年度のほうがやや高い。しかし、受講者は同一ではないし、このような比較もあまり意味のあるものではないだろう。

 

「参加度」と授業評価の関係について、質問10項目について個人別に一項目あたりの平均値(最低1、最高5)を求めた。昨年度は、その値と「参加度」自己評定値の間には相関がみられた。今年度もその傾向をうかがうことができる。上の図は個人毎に10項目の質問の平均値を求め、その値と参加度自己評定値との関係を示したものである。参加度0は「参加度」に対して「わからない」または無回答のケースである。

この結果は「それなりの」関心をもって出てくる学生は「それなりの」満足感をもっているが、「意欲的な」学生の要望にはこたえていない、というようにも読めるぞ。ああむずかしい。

授業評価はいくぶん「お客様窓口」に寄せられるクレームに似たところがある。クレームにはいろいろなものがあるだろうが授業改善に役立つ。しかし、学生とて「お客様」扱いばかりを望んでいるのではないだろう。この問題についてはあらためて。


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