人間関係研究法(秋)・心理学研究法(春)

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人間関係研究法(心理学研究法:測定・実験)

 この単元では心理学的測定方法および心理学実験について解説する。これらの手法は研究対象である「心理状態」や行動を理解するために工夫されたものであり、心理学に固有の技術でもある。

 心理学に実験的手法がとりいれらたのは比較的近年のことであるが、現代心理学では方法論としての実験は必須のものとなっている。講義では基本的な実験手法・実験技術および重要な実験的研究を解説する。これらの研究は実験技術やアイデアが卓抜であると同時に従来の人間観に変更をせまる人間的事実を明らかにしたものである。「実験」に関わる基本的な概念を説明した後、各論に入る。最後に実験心理学の学際的研究をとりあげる。

 教科書は使用しないが、H. アイゼンク・M. アイゼンク(著)マインドウオッチング 新潮選書 がよい参考書である。


心理学研究法

心理学の研究や調査において得られた結果をまとめ、それからどのような結論をくだすか。この目的を果たすための一つの基準は統計的方法によることである。

「数理統計学」による基礎的な統計学の知識を前提として、心理学の研究にどのように適用され得るのを学ぶことを目標としている。この単元ではできるだけ実際の心理学の実験や調査から得られたデータを例として基本的な統計的方法を解説する。

今日では統計計算のプログラムがパソコンで手軽に利用できるようになっているので計算の手間はほとんどない。しかし、パソコンで処理された結果をただしく評価するためには、一度はデータ例について「手で」計算を行う経験が必要である。授業では手で計算し、手法を理解した上で適宜コンピュータ室で演習をおこなう。

統計的方法を機械的に適用するのではなく、その「効用と限界」について考え、心理学的研究の特質をよく理解し、より適切な方法を考案することも必要である。

実験的研究を行う場合、アイデアや実験技術の工夫が不可欠であるが、人間科学的人間観を思索するのに有意義な人間についての客観的事実を提供しているかという点を考えることが必要である。これらの実証的研究方法を通じて、人間の可能性についての新しい考え方や、行動や心理に関するあやまった見方や偏見の所在を認識できるようになることを願っている。 さらに、本質的な人間性に関する事実を実験的・実証的に研究しつづけてください。実証的研究によりあなた自身のオリジナルなデータを提供することができるのです。


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