2002年度春セメスター・知覚心理学・授業日程

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NHK 人間家族(ビデオ)

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開眼手術後の視知覚の形成過程

初めて見る世界についての哲学的問題と実証的研究

心理学研究の意義・方法

  • 発達的方法
  • 病理的方法
  • 応用研究と基礎研究
  • 鳥居修晃 (1986) 先天盲の開眼手術と視知覚の形成 別冊サイエンス、特集視覚の心理学III(色・運動・イメージ)日経サイエンス社、1986、p45−55

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「開眼手術(初めて見る世界)」現代心理学編アポロンビデオライブラリー(30分)

知覚的障害の概念

  • WHOの定義
  • 障害概念の人為的性質
  • 一時的障害・二次的障害

障害援助における心理学的研究の意義

有効な援助のためには、感覚・知覚諸機能の成立条件と生成過程を理解することが必要である

 

WHOの定義

可視光線の範囲

心理物理的現象

暗順応曲線

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「障害」の機能回復訓練は長期にわたる困難なもので、心理学的な支援が必要とされる。しかし、社会的に適応し、完成した人格をもつ存在について、機能回復するべきか否かという問題も難しい選択である。

  • 視覚機能の成立条件と生成過程の理解
    • 明暗の識別
    • 色彩の分化
    • 形態の識別
    • 立体物の識別
  • 表情の知覚・認知
  • 「共同実験」

光と視覚系の基本的な構造

  • 光とは
  • 視覚系

視覚の基本的な能力

  • 鳥居修晃 () 視知覚の発生と成立(開眼手術後の視覚体験) 現代基礎心理学3知覚II(認知過程)東京大学出版会p45−79
  • 鳥居修晃・望月登志子 (1997) 視知覚の形成2(開眼手術後の視空間と事物の識別)培風館
  • 望月登志子 (1993)「顔の認知とその成立過程」、(鳥居修晃編「視覚障害と認知」、放送大学教材 1993)第14章
  • 鳥居修晃 (2001) 開眼手術後の視知覚(第7章)、知覚研究の応用・感覚代行(第15章)(相場覚・鳥居修晃・編著 改訂版・知覚心理学 放送大学教材)

適切な視知覚の形成訓練ができなかった場合の例としては、オリバー・サックス(2001)の「見えていても見えない」を参照。 オリバー・サックス (2001)「火星の人類学者:脳神経外科医と7人の患者」ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

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盲人歩行についての研究

伊福部達 (1993) 「気配のもとを聴覚から探る」日経サイエンス93年10月号p.39-46

  • 斉藤さん卒論(2000年度)

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ソナー・エイド適用のケースからみた感覚代行技術と心理学的援助・視知覚の発達

感覚知覚障害援助の基本的方針

感覚知覚障害の援助には「保有している感覚を活用する」「他の感覚を活用する」方法が考えられる。最近、新しい感覚障害の援助として感覚代行技術が発展してきている。視覚障害の領域では、超音波によるエコーロケーションの原理を応用した「ソナー・エイド」(ソニック・ガイド)が実績をあげている。ソナーエイドを装着した研究や実践例は知覚心理学的にも興味深く、また、意義深いものである。

  • 装着研究の例(バウワー、T.G.R、「子どもの世界」)
  • ソナー・エイド(ソニック・ガイド)の仕組み
    • 空間の定位
    • 「純粋知覚形式」
  • 発達理論から考えた最適装着時期の問題(Siegler、1982)
    • 発達条件と適応能力
  • R.S. Siegler 子どもの思考  誠信書房、1982、第5章 知覚の発達
  • T.G.R.バウアー「子どもの世界」教育心理学年報、第24集、119-122
  • Humphrey, G. K., and Humphrey, D. E., (1985), The use of binaural sensory aids by blind infants and children: Theoretical and applied issues, Applied Developmental Psychology, vol.2,59-97.
  • Aitken, S., & Bower, T. G. R. (1982), Intersensory substitution in the blind, Journal of Experimental Child Psychology, 33, 309-323.

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ビデオ「TBS噂の現場:統一されない点と線」(点字ブロックの諸問題)

弱視について

視力・視野・教育上の援助

  • 鳥居修晃、視覚障害と認知、放送大学教材(中野泰志著、6〜9章)
  • 東京女子大学・小田研究室(視覚障害心理学関係の資料・リンク)http://www.twcu.ac.jp/~k-oda/oda.html

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(春セメスター・中間テスト)

ノート・配布資料持ち込み可

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視知覚行動の機能的異常(発達障害児事例)

  • 眼や顔刺激への忌避
  • 知覚心理学的対応

(実験手続き上の関連事項)瞳孔反応の測定方法(pupilometrics)その他の視覚障害 ・認知障害

  • 伊藤英夫・平井久 (1982)「行動異常者の諸現象。:行動学的視点」、現代基礎心理学11(平井久編、行動の異常)、東京大学出版会、第三章

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知覚・認知の発達(新生児・乳幼児心理物理学)

新生児や乳幼児はどのような感覚・知覚の世界に生きているのだろう。新生児や乳幼児の感覚・知覚・認知能力の測定法は近年発達し、新生児心理物理学と呼ばれる研究領域を成している。新生児や乳幼児はまだコトバをもたないのが、行動や生理学的な測定値から推測する方法がある。代表的な方法は乳幼児の行動の特徴を利用した「順化・脱順化」法、「注視選択」法がある。

  • 視覚の基本的機能の発達とその測定(視野、視力、色覚)
  • (聴覚の測定は秋セメで)
  • 新生児・乳幼児の知覚発達

 

これらの測定方法の発達は次のような意義がある。

  • 感覚・知覚能力の状態をより正確に知ることができること。従来知られてきたよりもはるかに乳幼児は早期の発達段階において諸感覚を通じて能動的な存在であることが明らかになってきている。

このような発達の状態が明らかになることによって、発達障害を適切に判定することができるようになること。人間のいろいろな能力の発達過程を知ることにより、障害があるばあいに適切な対応がとれるようになる。

早期感覚遮断・感覚遮断化実験

  • 鹿取廣人 (1984) 感覚・知覚(現代基礎心理学10)東京大学出版会
  • マウラーとマウラー (1992) 赤ちゃんには世界がどう見えるか 草思社(Maurer,D. & Maurer, C. (1988) The World of the newborn)
  • R.S. Siegler 子どもの思考  誠信書房、1982、第5章 知覚の発達
  • 池田光男 (1982) 「パターン認識と有効視野」、現代基礎心理学3、(鳥居修晃編、知覚:認知過程)、東京大学出版会、第三章
  • 視覚障害リソースネットワークhttp://ningen.human.tsukuba.ac.jp/~h-kawash/VIRN/ref/Ref1993.html

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  • 色覚
    • 色彩知覚・色彩の心理物理学(色の3属性・混色・表色系
    • 色覚の理論(三原色説・反対色説・段階説)
  • 色覚障害の理解・ビデオ(ETV8 見直される色覚異常)
    • 社会における色覚障害の諸問題
    • 色覚型
    • 測定法(石原式色覚検査票・アノマロスコープ)
    • 対策(一律排除でなく実際場面での検査・測定を)
    • ユニバーサルデザイン(教科書の配色・信号機の色)色彩心理学者の貢献
  • カラーコーディネイターのための色彩科学入門 日本色彩研究所(色彩の基本的な知識がわかりやすく解説してある。カラー図版もきれい。)
  • 高柳泰世・つくられた障害「色盲」・朝日新聞社・1996
  • 色覚問題研究グループぱすてる
    • 電話相談「色覚110番」、検査相談機関の紹介、進学と就職についてのアドバイス、色覚問題に関する情報サイト)
    • http://www.pastel.gr.jp/

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  • (VTRつづき)
  • 色彩心理学
    • 色彩の応用(環境デザイン・流行色・色の好み・信号機の色の決定・教科書の配色)
    • 色彩と色の象徴性についての文化人類学的研究
  • オリバー・サックス 色のない島へ 早川書房 1999

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色彩知覚の基本事項

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休講(学会出張のため)

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視知覚に関係する認知的障害・失認

視知覚の成立条件・視野の機能による分類・眼球運動)

視知覚と社会:交通心理学

ビデオ「視覚的錯覚と知覚過程」(Visual Illusions: Now you see it. BBC Open University, 800000960)「われわれはなにを見ているのか」

  • 鹿取廣人 (1982) 認識機能の障害、(講座 現代の心理学、5認識の形成、小学館)
  • 杉下守弘 (1983) 右脳と左脳の対話、青土社、(第三章、大脳の破壊で生ずる精神機能の障害)
  • R. グレゴリー 脳と視覚:グレゴリーの視覚心理学 ブレーン出版 2001

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(定期試験)教室変更あり 

(ノート持ち込み可)


秋セメスター 

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