心理学研究法 2006年度 秋セメスター講義予定

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(1) 9/25 アウトライン
「心理学の仕事のカタログ」:心理学の分野と仕事
心理学において研究法はなぜ必要か:Nisbett & Willson の実験
なんのために心理学を勉強するのだろう
授業について:評価基準:イエローカードについて:シャトル・カード(「通い帳」)について

(2) 10/2 研究とはなんだろう

「事実」とはなんだろう 事実の水準:記述的事実、相関的事実、因果的事実

「研究の結果」:法則性・一般性・信頼性・再現性

シャトルカードコメント:(1)内観について:(2)心理学の仕事:教室変更(次回よりR002)

(3) 10/16 素朴心理学者とひかえめな心理学者はどこがちがうのだろうか

調査法の大切さ:「血液型性格分類」の例:いわゆる「血液型性格分類」と心理学的な「性格分類」とどこが異なるのだろう

バーナム効果?選択的知覚?
調査法の不備?
トリビアルな差「ちがうものはちがう」 ?

統計的基準と理論的妥当性

シャトルカードコメント:(1)ある出来事の生起「頻度」と生起「率」:(2)カードの配布に時間がかかる問題について
(4) 10/23 研究法の必要性
「自分にだまされないために」
ピグマリオン効果
実験してみなければわからないこと:非人間化の条件に関するジンバルドーの「模擬拘置所実験」
行動の説明(環境的要因・内的要因)(外部要因への帰属傾向と内部要因への帰属傾向)(つづく)

シャトルカード:(1)以前他大学の受講コメントにあった「占いの歴史(本来はお遊びではなくて人智を超えたことがらについて未来を知ろうとする神聖な営みであった)」を紹介:(2)信ずることのコスト

(5) 11/6 実験の意義と倫理

ジンバルドーの模擬拘置所実験(つづき)
ミルグラムの服従に関する実験 (実験倫理の問題・外的原因帰属を基本におくことの利益・デブリーフィング)

シャトルカードコメント:人間行動について内的原因帰属と外的原因帰属の違い
  心理学の実験の意義:人間行動の可能性の範囲を知ること。実験室でさえ、生ずること、いわんや現実においておや。
(6)11/13 現実のできごとと実験室でのできごと

「実験」の条件
ジンバルドーとミルグラムの実験による「現実のできごと」の分析
「実験の効用と限界」

(7) 11/20 現実の出来事・実験室の出来事(つづき)

関連した実験として Latane の「責任の拡散」に関する実験

(後半:基礎・応用実験)

(8) 11/27 正常性の識別:二種類の過誤
  • ローゼンハンの実験(「正常性」の識別:実験1:第一種の過誤 :第二種の過誤)
「正常性」についての三つの基準(アイゼンク):「統計的基準」「理想的基準」「自然的基準」
(9) 12/4正常性の識別:診断のリスク

ローゼンハンの第二実験

「正常性」の判断:社会的価値判断を含む : 「医療モデル」と「適応行動モデル」
診断のリスク:信号検出理論による枠組みで整理して考えることができる

 

(10) 12/11社会における人間的条件:法と心理学 (1)

「社会の中の心理学」:「人間」についての一般的な理解や見解(「世間知としての心理学」「素朴心理学」)は調査や実験の結果あきらかになってくる心理学や行動科学の見解とくいちがうことがある。この問題は人間社会のあらゆる側面で現れてくるが、特に、人間の極限的な条件が現れる「法」の分野において特に重要であろう。

  • 人間の条件と社会制度
  • 判決における人間的条件の探求
  • 正義と公正 (罪と罰):主観的評価・測定の意義
(11) 12/18 社会における人間的条件:法と心理学 (2)
  • 目撃証言に関する心理学的研究
(12) 1/15 社会における人間的条件
  • 記憶研究の意義(つづき)
  • われわれの行動を既定する要因:「世間」のしくみ
  • 「群れによる教育」
(13) 1/22 社会における人間的条件:他分野との関係

 

  • 罪と罰:矯正教育:教育との関わり・行動の法則との関わり
  • Maconochieの刑務所改革:長谷川平蔵の人足寄場制度
  • 「道徳」:心理学的研究法による道徳発達の研究
(14) 1/29 (定期試験)
自筆ノート持ち込み可

(15) 2/5 テスト講評・まとめ・補足