人間科学方法論(心理学研究法) index_syllabus
- 授業の目的:因子分析法の基礎を学ぶ
- 授業の水準:入門
- 試験の難易度:基礎
知能の研究から生まれた因子分析法は、錯綜する情報のなかから、心理学的概念を明らかにしようとするものである。今日では多変量解析法の一つとして心理学の領域に限らず広く用いられている。授業では、少数個の変数からなるデータを用いて「手計算による」因子分析を行い、理解の助けとする。なお、因子分析法には各種の手法があるが、もっとも基本的な主因子解とVarimax回転を学ぶ。因子分析結果を理解できるようになることを目標とする。さらに、因子分析手法を発展させた共分散構造分析の基礎まで紹介したい。
なお、実際の計算ではパッケージソフトを利用するので、計算の手間は全くない。授業では多変量解析パッケージソフトを利用して電算実習を適宜行う。
因子分析以外にも心理学の分野から発展した方法として多次元尺度構成法がある。これについては研究例のみ紹介する。
- 講義ガイダンス・心理学における多変量解析法(種類・研究例)
- 因子分析をもちいた研究例
- 心理測定法とは・心理測定法の種類・尺度の水準
- 構成概念・信頼性と妥当性
- 基本統計量(平均値、分散(標準偏差)、標準得点、共分散、相関係数、偏相関係数)
- 基本統計量のベクトルによる表現・行列演算の基本的規則
- (中間テスト)
- 因子分析のモデル(主因子法)
- 主因子解・共通性の推定法・次元数の決定基準
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- 因子軸の回転(Varimax回転)
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- 因子分析結果の解釈について
- 因子分析の探索的利用と検証的利用・共分散構造分析
- 定期試験(電卓・配付資料・テキスト・参考書 持ち込み可)
テキスト
- 柳井晴夫・岩坪秀一 複雑さに挑む科学:多変量解析入門 講談社ブルーバックス1976
- 並木博・渡辺恵子 ひとりで学べる統計学入門 第13章因子分析 慶応通信1992
参考書
- 狩野裕 AMO、SEQ、SLISRELによるグラフィカル多変量解析:目で見る共分散構造分析 現代数学社
1997
- 柳井晴夫・高根芳雄 多変量解析法 第5章因子分析法 朝倉書店 1977
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- 管民郎 すべてがわかるアンケートデータの分析 現代数学社
1998
ソフトウエア
- SPSS10.0J (Windows95/98/2000)
- AMOS 4.0 (Windows95/98/2000)
分析例
- 高木廣文・柳井晴夫
HALBAUによる多変量解析の実践 現代数学社 1995
- 伊田・関谷 病気と人格行動特徴 1995
- 実験実習データ 「香り」のイメージマップ 2000
- 増山英太郎 こころにうかぶイメージを測る
- 岩下豊彦 SD法によるイメージの測定:その理解と実施の手引き 川島書店 1983
(2000/4/22) index_syllabus