行動適応学特講(春セメスター) index_syllabus


受講者の主専攻領域を考慮し、適宜テーマを変更することがあります。
 生命の誕生から死に至る人間の存在は、(1)生物的存在として、(2)社会・文化的存在として、(3)精神的存在として各々考察されてきた。現代においては人間の物質的側面の研究が急速に進み、ひとりひとりの持っていた暗黙の生命観や人間観がゆらいでいる。

 現在のところ、このような問題を包括的に扱う学問体系は形成途上にあるが、きわめて広い背景を有している。考慮しなければならない知識として、生物学的人間科学・医学的知識・医療人類学・宗教人類学などの領域が直ちに思い浮かぶ。また、人間の生命・健康の問題は法律や経済などの社会的枠組みにも大きな影響を与えることになるだろう。このような動向に関わる実験心理学的研究として、病気・治癒にかかわる行動的事実を取り上げる。

なお、受講の際、実験心理学(特に、知覚・学習・認知の分野)、心理統計学、および医療人類学の基礎的知識があることが望ましい。

参考文献

  1. Bakal, D. A. Psychology and Health. 2nd ed. Springer. 1992 (旧版、D. A. Bakal, Psychology and Medicine, Springer, NY. 1979、D. A. ベイカル 病気と痛みの心理学 新曜社 1983。)
  2. フリードマン他 性格と病気 創元社 1997( H.S.Friedman (Ed.), Personality and disease, 1990, Wiley.)
  3. H. J. アイゼンク たばこ・ストレス・性格のどれが健康を害するか 星和書房 1993
  4. 波平恵美子 医療人類学入門 朝日選書1993。


行動適応学特論(秋セメスター)

行動適応学特講(春セメスター)に引続き、実験心理学と生命・健康に関わる問題について実証的な研究例をとりあげる。

参考書


index_syllabus