空想科学 

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2001/4/15(日)カフェ・カルディ・5月の「革命」

午後からプールに行く前に柏の「名」喫茶店カルディの新しい店(カフェ・カルディ)によってみた。そごうデパート横のビルの2階で、前の店にくらべると非常に広くなった。ほどよい混み具合で、雰囲気も良く、これならすこしくらい長居しても大丈夫かもしれない。コーヒーは前と同じくカフェ・パウリスタ系のしっかりしたものである。この店主は、前の店の時から感じていたのだが、なかなか粋な人で、趣味的に店をやっているような印象だった。帰りにカウンターの中にいたマスターが覚えていて簡単にお祝いのあいさつ。

テレビで重信メイ氏を見る。ニュース番組で鳥越キャスターと都内を歩きながらのインタービューだった。原宿では、「パレスチナのような厳しすぎる状況は若者には不幸だが、日本の若者も(過剰な自由のなかで)幸福であるようには見えない」こと、「日本人は(どの国の人々と比べても)本来はきちんとした美しさをもっているのに、外国や人のまねばかりして、本人たちはそのことに気がついていないようだ」という意味のことを述べていたことが印象に残る。

夜、秋田県知事選の結果。「地方」=自民党支持とステレオタイプ的に思いこんでいたが、このところの知事選挙の結果はそうではない。これまでの政治はこのままでは「地方」を破壊してしまうものだということが明らかになったのだと思う。いくらなんでもひどすぎる、という気持ちだろう。


2001/4/14(土)新クリエ

ソニーの新クリエ。画像解像度が倍増したことで、きちんと漢字表示ができるようになった。しかし、加齢眼にはやさしくなく、特にホーム画面の表示のフォントは線が細すぎ。せっかくの高解像度画面が生かされていない。線が細い、というのは日本画あたりではほめ言葉のようだが。シャープのほうが多少フォントのデザインに問題意識があるようだ。ハード的には申し分ないもののように感じられる。カラー液晶もぐっと改善されていた。しかし、全体的に装飾過剰で個人的なPDA感覚にマッチしなかった。


2001/4/13(金)プログラム

午前中、AVタキストのプログラムの続き(実験実習2)。いちおう完成。課題はプライミング効果とストループ効果を組み合わせた実験。結果は明瞭にでると思うが、プライミング刺激の効果が実際に見られるかはやってみないとわからない。こちらは昨年度の卒論実験を変更したものだが、実験実習課題としては今年が初めて。問題はタキストスコープが一台のみなので実験の待ち時間が発生してしまうことだ。提示時間を多少ルーズにしてコンピュータで実施してもよいのではあるが。最初のグループで様子をみることに。

午後からは実験実習(1)のプログラムの修正。課題はカテゴリー弁別。2年生の最初の実験のテーマとしてはちょっと難しい面もあるが、結果が比較的安定しているので今年も引き続き実施することにした。昨年度から加えた実験条件を修正。パラメータ変更をあらかじめ予想してプログラムしていたので、実にスマートにできた(自画自賛モード)。


2001/4/12(木)一進一退

午前中、知覚心理学の初回。先日デジタイズしたビデオ資料をR004のパソコンで勇躍プレゼンテーションとのもくろみが、出鼻をくじかれる。研究室のホワイトボックスでは何の問題もなかったのだが、教室のパソコンでは音声チャンネルの出力が低すぎたようだ。昨年はパワーポイントファイルの音声データはまったく問題なかったのだが。AV担当のUさんなどに急遽救援をもとめたのだが、解決できず。やむおえず元のビデオテープを使うことになってしまった。

今日は初日なので20分という短いビデオだったので被害は最小だったが、でも講義内容のエッセンスともいうべき内容で、暖かい雰囲気にあふれている、好きな資料だったのでもっと良い条件でプレゼンテーションしたかった。(番組はちょっと古いのであるが、鳥居修好先生の出演されている、「NHK人間家族、だまされる目」という子供向け番組である。内容は成人になって開眼手術を受けた人の生活の様子や視覚機能回復の練習風景である。間に視覚の特徴がわかりやすく解説されている。子供向けではあるが、知覚心理学の重要な内容で構成してある。教科書的な知覚心理学しか経験のない人にもおすすめである。)

授業が終わって冷静になってみると、どうもウインドウズシステムの各種設定プログラムが複数存在していることが原因ではないか、と思う。ビデオファイルのビューアーにある音声ボリュームとウィンドウズにある音声ボリューム調整のどちらかが低く設定されていたのかもしれない。教室ではたぶん一方のみ調節していたのだろう。これは明日調べ直し。

あらかじめ確認はお願いしていたのだが、ファイルが開けるということでそれ以上のチェックを怠ったのが今回の「失敗学」の事例であった。教訓。ウインドウズがなぜ複数形なのかがあらためてわかった。同一プラットフォームだと考えてはいけない。

午後からのゼミ・卒論までAVタキスト・スコープのプログラム(実験実習用)。なれていないせいもあるのだが、独特のプログラミング・スタイルに悩まされる。一部は非常に「直感的」でわかりやすいのだが、まったく「直感」に反する「仕様」があって、それらが混在しているところがやっかいなところだ。卒論終了後にTAのKさんと作業を続けたが、結局明日にもちこし。でもめどはたった。


2001/4/10(火)忸怩

昼休みある委員を固辞せざるをえないことを伝える。私のようなものに対する過分な期待にこたえられないのはほんとうに情けない。窮状を理解していただくようにお願いするほかない。

午後から研究法再開。そろそろこころをいれかえてみないか。未来は君たちのものだ。履修上の連絡として教室はR003と電算教室を使用するので掲示に注意。成績は出席・演習問題・試験により決定。初回はなぜ研究法が必要なのか、という話をした。ことしも多少問題があっても、できるだけ生のデータを例に取り上げるつもり。今日は最近つかっている大学の広告アンケート(s君の卒論データ)から始めた。

連絡しわすれたが、途中退場は理由を述べてもらうことにしよう。

今年は研究科(大学院)の方の時間割がかわって、5限、6限ということになってしまった。金曜日に移動しようかと相談したがそちらも他の科目とぶつかるようで、結局このままに。大学院にこそゆとり教育を。

面接帰りの新4年生二人。博士課程新入学と修士2年生お二人。ああまぶしい。


2001/4/9(月)ビデオCD

教材ビデオのCD-ROM化をAVフロアーのK君に頼んでいたが一部できあがってきた。例年、授業の一回目につかっていたビデオだが、トラッキング調整が不十分のためかノイズが画面下にめだつものの教室で「上演」する分にはがまんできる範囲だ。画質は3倍速にダビングした状態という感じだが、これ以上の画像の劣化は心配しなくてよくなった。デジタルファイルだと一時停止などの操作が簡単で、説明しやすくなった。解説を加えた「ハイパーメディア」教材も夢ではなくなってきた。ほかにも何本か授業で使っているビデオがあるので、これらもデジタル化をたのんでおこう(これは厳密にいうと問題あるのかもしれないなあ、とちと心配)。

明日から講義再開。ここ数年の「進行状況」をWebサイトに残してきたので、ああこの時期はここを話せばよいのか、ということがよくわかって、(私の)精神衛生上好ましい効果をあげている。

「ゆとり」教育による削減された教科内容は最低限度を示すもので、「より高度の内容」については実状に合わせて「実施してよい」、ということらしい。公立校にも自由裁量権をもたせた、ということだろうか。


2001/4/6(金)遠隔教育

このところの規制緩和によるものか、修士課程の通信教育の記事を見かけるようになった。

「信州大工学部「バーチャル大学院」新設・通わなくてもネットで受講」(朝日新聞2001/4/6)

「ネット講義・信州大・来年4月に大学院開設:早大・公開10講座」(東京新聞2001/4/6)

信州大は情報工学専攻で、通学しなくても単位取得が認められるという点で「通信制の大学院では全国初」ということだ。これまではスクーリングが必要だったが、「授業での双方向性が確保できれば、大学院ではすべての授業をネットで受講しても卒業を認める」というようになったということだ。

講義は大学のWebサイトを通じて「生中継」される。収録された講義はいつでも見られる(ビデオ・オン・デマンド)、文書化された過去の講義内容も「閲覧」できる。ゼミはテレビ電話(カメラ付きのパソコン経由)で開講し、修士論文の口頭試問もインターネット経由で実施するということだ。授業料等は他の国立大学と同等。

実験や実習の必須の領域ではなかなか難しいが、なんだか「通学生」の受けるサービスよりも良さそうでもあるなあ。基準対象にされた「通学生」に対する教育サービスをどのようにして割り出したのか興味あるところだ。また、教員体制はどの程度のマンパワーを配しているのだろう。記事には「バーチャル大学院」と「」付きで言及されている。大学側が言っているのか、新聞記者が呼んでいるのかわからないが、この大学院をバーチャルと呼ぶのは不適切だろう。

一方公開講座については早稲田大学がケーブルテレビ回線を利用して「教養系」10講座を有料で開講するという。「教員の講義風景の動画を中心に」(げげ)するということだ。一方米国ではMITがなんと10年計画で「講義ぜーんぶネットでタダ」(朝日新聞2001/4/5)という計画に着手。計画では最終的にほぼすべての講義(2000以上)、講義ノート、講義概要、読書リスト、研究課題を掲載するという。サイトへのアクセスは無料だが、単位認定はしない。「個人の自己啓発、、、途上国の高等教育向上や世界中の大学との交流に役立つことを期待」しているという。考え方や「理念」に大きな違いがあると思う。

ときどき野茂やイチローのような「大リーガー」が現れるという、ある意味日本のプロ野球がマイナーリーグ化してしまったように、世界の大学のマイナーリーグ化がさらに加速するだけかもしれない。あるいは世界に通用するネット講義が出てくるのかもしれない。

立ち寄った本屋には「空想科学○○」「××空想科学」というような本が並んでいるコーナーがあってこれがどうも(とんでもコーナーらしい)。こまった。

私のPalm汚染度は137%だった。Unixマニアあたりのところははずれで、シンパにすぎない。あとは当たっているところがあやしい。


2001/4/5(木)SPSS

またまたSPSS。データの処理で"repeated measures"の分散分析をしようとしたのだが、SPSSBase10.0Jにはこの処理が含まれていない。Advanced Modelsというオプションが必要らしい。マニュアル本にも、たとえばSPSS for Psychologists, MacMillan(2000)、特に特別なパッケージが必要とは書いてないようだったので当然含まれているものと思っていた。

SPSSに問い合わせたところ「ウェブサイトの表示はたしかにまぎらわしい」との返事だったが、英語版と日本語版で違うのかもしれない。これからも必要なのでオプションを注文することにした。分野や用途によって基本的に必要な方法は異なるのでオプションに分けるのは悪いことではないのであるが、英語版は米国ではどの程度の値段なのだろうかとも思う。

統計的手法はユーザーにとってはわかりにくいものだ。その上、ソフトウエアは言うまでもなく、教科書でさえ用語が異なっていることもあり、無用の混乱を生じさせてもいると思う。統計パッケージソフトは単に計算結果を出力するだけでなく、その数値の評価を解説するようになるだろう?これはいますぐにでもできそうだなあ。

ちなみに上のマニュアル本 N. Brace, R. Kemp and R. Snelge, SPSS for Psychologists: A guide to data analysis using SPSS for Windows: Covers Version 8, 9, and 10,  MacMillan, 2000は

基本的な統計的概念の学習には不足のところがあるが、各章の「データ例」は実験心理学の内容が取り上げられていて、よく考えられていると思う。


2001/4/4(水)「漱石日記」

先日、文庫本で「漱石日記」(平岡敏夫編、岩波文庫)と「草枕」(新潮文庫)を買った。二冊で1000円でおつりがきた。(どうでもいいことだが、支払いにだした1000円札には漱石先生の顔があることにあらためて気がついた。なんだかもったいないような、もうしわけないような。それにしても文庫本というのは安い。研究書や教科書類が文庫本になっていればもっと気軽に指定できるのになあ、と思う。)

漱石日記のなかに、糖尿病を患っていた漱石が医療に関係して書いた次のような部分があった。

「自然科学一般化。その法則を個性に適用する医術の不完全。科学の応用(工科)と文芸。個象より出立(しゅったつ)する。法則より出立する。ユニバーサリチーの程度(双方)。

実社会に入って修養すべし。修養してから活動すべし。どちらでもいい事だから、他を排斥する必要なし。ただ個人に即していうから議論になる。甲の心懸(ここがけ)でむやみに実社会に突入されては困る。乙の心得でむやみに高踏されては困る。」(大正5(1916)年5月16日)

研究法を担当していて、考えることはちょうどこのメモのような「統計的な法則性と個」ということである。

そういえば漱石的な雰囲気を持たれていたO 先生が亡くなられたのは4月の下旬のことだったなあ。

Visor Edge日本語版は4月6日発売になった。Clieの前日。でもみんなが待ちくたびれているVisorPhoneはどこへいった?いいかげんにキラーアプリで勝負をつけろ、と言いたいところだが、またまたNTTが障壁になっているんではないかと。


2001/4/3(火)新学期

今日ははやくも入学式。今年から始まった「アドバイザリー」で新一年生と顔合わせ。入試の面接でみかけた人も。授業で再開するのは来年になるのだが、ともかくなんらかの相談窓口にということで、従来のクラス担任制に替わって始まった制度である。クラス担任よりもゆるやかな制度で良いと思う。

午後から会議二つ。某会議は席替え。クラスの席替えみたいだなあ。今年度は今年の春の天候のような年になる予感。

何人かの卒業生の進路について世間話。昨年「浪人」したHさんは今年は希望がかなうことになったとのことだ。本当にえらいなあ、と思う。

私信:F先生、先日の写真を送りたいのですが、新しいメールアドレスお知らせください。


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