わがはま日記

2003/5/11(日)「教師による大学評価」記事

ちょっとまえの記事になってしまうが、「京都大学が『一番人気』」:高校600校調査:教師が大学を評価(朝日新聞5月4日)という記事があった。進学指導の先生方(「進学実績のある高校1232校のうち、601校からの回答」)の評価調査(朝日新聞社刊行の大学ランキング)ということだ。「ベスト10」では京都大学がトップで以下国公立が7大学、私立が3大学だった。質問項目は「生徒に勧めたい大学」「のびのび学んでいるな、と思う大学」「受験生への情報公開に熱心な大学」「問い合わせに親身な大学」等で、これらにたいし9位まで回答してもらったということだ。もとの本を見ていないのでわからないが、記事では研究・教育内容についての評価項目が挙げられていないのはちょっと変な感じがした。

「自由記述」欄には「AO入試や推薦入試」が受験生確保の手段になっている」として批判が「相次いだ」ということだ。AOに関しては「審査がおそまつ」「時期が早すぎる(他の受験生への悪影響」、「合否基準を公開すべき」で、推薦入試も「定員の一割程度にとどめるべき」「指定校を乱発する大学がある」などの批判が多かった、という。

推薦入試やAO入試は本来は厳密な推薦基準がもうけられていたものである。たとえば、初期(30年ほどもまえのことになってしまうが)の推薦入試を採用する大学は数も少なく、また、高校で求められる成績も相当高いものだったように記憶している。AO入試は比較的最近実施されるようになったものだが、これもおそらく本来の趣旨とは相当にかけ離れた形で実施されているため、このような批判がでてくるのは当然であろう。委員として入試業務に直接かかわっていた時に強く感じたのは「入り口」の多様性は大変重要なことだし、けっこうなことなのだが、これに対応して教育サービスがなんらとられていない、という点が問題なのだ、ということである。

また、多様な入試機会をもうけることにより再び一元的な評価尺度を求める傾向が強まることになるかもしれない。

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