わがはま日記

2003/6/25(水)「知能鑑定」

火曜日。午後から研究法。知能検査の話題で2回目。知能検査の目的や意義などを話す。

たまたま、今朝の朝日新聞に「知能鑑定」(記事での表現)を巡る歴史記事があった(ナチス将校が父「ドイツの子」:半世紀の差別 謝罪、補償へ:「過ちはたださねば」)。第二次大戦後のノルウェーで、ドイツ軍人との間にうまれた子供たちの「知能鑑定」をまかされた「精神分析の権威」はほどんど実際に診断もしないまま大半を「子供たちの半数が知的障害の可能性が高い」という判定をくだしたのだという。これがいわゆる施設症等によるものをさしているのか、事実関係は記事からは詳しくはわからない。しかし、歴史的な経過や事情を考えてもこの判定はあきらかに偏ったもののように思われる。これほど露骨ではないにしろ、精神的な鑑定や心理的な判定は、背景事情の影響をこうむりやすいということを良く表しているように思える。

午前中のI大非常勤は心理測定の2回目。パーソナリティ検査の構成法など基本的な話題をとりあげた。一般の学生にとっては心理検査を経験するのは最近では「適性検査」であろう。人生の重要な決定に関わるかもしれないこのようなテストについて私は詳しく調べたわけではないのだが、心理測定としての基本的な条件を備えているかどうかを判断できるために最低限知っておくべき事項について話した。

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