倭が浜コンフィデンシャル

2003/8/12(火)Decuma

新しいClieが発売になったので見にいったのだが、うーむいまいち。デザインはソニー的で魅力があるのだが、どうもいろいろバランスが悪い。典型的なソニー的試作一号機。特に不思議なのはキイボードで、同社にはPDAに最適と思われる使いやすいキイボードがすでに電子辞書では実現されているのになぜかPDAには不完全なキイボードが搭載されつづけている。開発担当者さんは使っていやはるんやろか。

PDAの手書き入力方法として知られているDecuma Japanese(スエーデン、CTOはマーティン・リンドベリー氏)はおもしろいものだ。Decumaでは文字入力欄は漢字の書き方を練習する「練習帳」の枠を採用したということで、2×2に区切ってある。中国にも類似した練習帳がある(あった?)のだそうだ。一方、認識された文字候補は補助線で3×3に仕切られた9コマの欄に表示されるようになっている。これは中国古来の書道練習法の「九宮格」をイメージして採用されたものという。インターフェースに文字を書くという行動を連想させるデザインを採用しているということで、リンドベリー氏は「手書き文字認識はエンジニアリングだけではなくヒューマンスタディなのだ」と述べられている。一方、ソニーはクオリアとかエモーションとか標榜している割にはこのような人間科学的な面からの商品評価(^^;)が不足しているのではないかと思う。

いまのところ個人的にはGraffitiとPOBOXがPDAでは最適の組み合わせではないかと感じているが、Decumaも試してみるか。

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