倭が浜コンフィデンシャル

2003/10/13(月)学会(つづき)

「法と心理学会」は異なる学問分野の「異文化」学会であることは昨日も書いた。学会員は法律関係者(大学、法曹)と心理学関係者(大学、公務員関係など)からなっている。研究対象は広く言うと「法と人間行動」ということになる。現在の会員は、心理学の分野では基礎心理学、特に記憶研究者が主力である。これは裁判との関わりで「目撃者証言」の研究が主に記憶研究者によって行われてきていて、実際の裁判等での必要性(証人として出廷したり)と実績によるものである。

研究対象は「法と人間行動」であるので、心理学の他の分野も大いに関係があるように思う。APA(米国の心理学会のひとつ)では「法廷のとも」のような形で裁判や法的な問題の解決に寄与することが可能な知見や研究をまとめて公表しているということである。学会の重要な機能のひとつであろう。もっとも、心理学知見もさまざまであるし、かならずしも客観的な判定に耐えることができないものが含まれていることから批判・反証も行われている状況であるようだ。これに関連して、大会でも法曹からの意見は「(概して)心理学の研究は細かすぎてどう「活用」すればよいのか」という発言もあった。このあたりの問題は心理学の側からは検証可能な形での研究成果を提供していくしかないのであるが、両分野の相互理解を促進することもこの学会に求められている。

今日は休日なのだが、実験実習。ところがバスは休日ダイヤで少なくなっている。大学もちゃんとバス会社に知らせておくとよいのではないかと思う。また夕方は時期はずれの大雨で常磐線は大混乱して帰りは2時間半ちかくかかってしまった。

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