倭が浜コンフィデンシャル

2003/10/26(土)調査のバイアス

昼頃のニュース番組を見ていたら、昨日の視聴率買収事件の経過がすこし明らかになってきた。来週はじめに発売になるある週刊誌のスクープで、日本テレビ側はこれにさきがけて発表したもののようだ。やりかたがあまりにひどいということで(調査を依頼された)こうしん所が告発したということだ。(ソースをあきらかにしてしまってもよいのかなあ)。ニュースによると視聴率の調査メータは2年ほどの委託で、月に5万円程度の謝礼があるという。コメンテーターはこんな額で(テレビ視聴についての)プライバシーをよく売り渡すものだなあ、という感想を述べていた人もあった。たしかに、この程度の謝礼だと、買収金額も低額で、不正を行っているという感覚はなかったのだろう。

これから不正の内容が明らかになってくると、テレビ局側には番組の広告契約をしたスポンサーから損害賠償?請求されことになるのだろうか。調査の問題として不思議に思ってきたのは、データは一分刻みに収集されていて、特定のタレントなどが登場する場面でテータが上昇する、といったことが言われていたが、そんなにひんぱんにチャンネルを変えている(いわゆるザッピング)ものだろうか、と思っていたが、これはどうもモニターに同時に各チャンネルが分割表示されているようになっているものある、ということで、この画面を見ながら選択しているのだろう。

たしかにテレビは公的なものだが、私企業の自由競争になっている。視聴率調査の問題としては(だれも見ていなくてもオンになっていれば視聴とみなされることも問題だが、)やはりサンプリングの問題が大きい。5万円でモニターを引き受ける(つまり、プライバシーを売る)という条件はかなり強いバイアスになるのではないだろうか。テレビ番組の質という点においては自由競争のメリットはあまり感じられない。

 

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