倭が浜コンフィデンシャル

2003/10/30(木)受験産業

午前中の知覚心理学特講は情動の知覚のつづき。原因帰属理論からプラシーボ反応まで範囲を広げすぎたかもしれないが、おもしろい話題が多いのでやむを得ない逸脱だ。

午後から某受験産業による状況説明会。第三者評価として傾聴すべき指摘もいくつかあった。この説明会には広報関係と入試関係の委員や関係者が出席しているが、大学では関係委員以外では情報(、というよりも情勢)を共有することが難しいことがあるが、この情勢はよく把握しておく必要があると思う。

つづいて学内研究会の会合で「著作権」についてレクチャーを受ける。「教育のため」の特例がもうすこし緩やかに適用されないとe-learningのコンテンツをつくるときにかなり大きな制約を受けることになる。日本でも(関係論文や資料を集めた資料集)コースパックをつくる大学もあらわれてきているが、このような問題をどのようにしてクリアーしておられるのだろうか。ノウハウをぜひ知りたい。初等中等教育では著作権の制約を逃れるためにボランティアによって「拡大教科書」がつくられているというような動向もあるそうだ。大学レベルの教科書でもこのような活動があればよいと思う。

個人的にはアップルのiTunesのようなジャーナル版のオンライン図書館システムができればよいのだと思うのだが、それほど需要がみこめないものなのだろうか。

つづいてゼミ。研究プロトコール発表一名。具体的な計画はほとんどつめられていないが(現段階ではこれでよいのである)、テーマ自体は興味深いもので、よく検討すればサープライズのあるおもしろい研究になるのではないかと感じた。

卒論は進度にだいぶ差がでてきた。まあ、とにかく最終的に前回配布した基準を満たすようにしてくだされ。先週の話だが、ある学生の「気持ちが空回りしてしまって」という言葉が印象的で、共感もした。もっとも、私自身についていえば、空回りどころではなく、後ずさりしているんではないかと感じているこのごろなのであるが。

臨光謝謝 このサイトの内容は私の個人的な意見や記録です。