ノートパソコン実験授業・日誌 ■ノートブック日誌インデックス


98/9/5(土)他大学のとりくみ

インターネットの検索ページ(http://www.goo.ne.jp)で大学関係の情報処理関係の情報を検索。

http://www.shijokyo.or.jp/LINK/all_1.htm

身障者のための大学における情報環境の取り組みについて。私立大学情報教育協会のサイト。20大学のレポート。大学内のバリアーフリーは情報処理環境においても考慮しなければならない。

情報処理教育研究集会というのが国立大学の情報処理センターを設置している国立大学関係そのほか検索語(大学、インターネット、情報処理教育、ノートパソコン)でだいたい70サイト程度検索。


98/9/3(木)必要なソフトのインストール

支給されたFMVノートにパワーポイントをインストール。プログラム用のDelphi3.1、使い慣れているATOK11をインストール。Mac用のMS-Office98が明日発売なのでおきまりのExcel,Word,PowerPointのファイルは共通につかえそうだ。

 


98/8/29(土)レポート提出の方法

iMacが日本でも発売開始された。秋葉、日本橋情報をインターネットでみた。初回入荷分は完売という店舗が多い模様。初心の学生などではあのようなオールインワンタイプのものが取り扱いが簡単でよい。Windows95,98ではソニーのノートブックがこのジャンルに相当するのだろう(機能はほどほど、デザイン要素大で、マーケティング志向、価格低め)。これらには新しいものはなにもないが売れている。マックの場合には新ユーザー獲得の役割を果たすことはできるだろう。Win95,98でも類似の製品が出てくるだろう(液晶一体型デスクトップがジャンルとしては近いが、デザインがちょっとひどい)。


おっと道草はやめて、ともあれ大学ではWindows98の環境という制約がある。プラットフォームになるべく依存しないようにコンテンツを充実させなければいけない。まあ、これはいまではあまり問題にならないかもしれない。たとえば、コンテンツをHTML形式やアクロバット形式にしておけば、プラットフォームは問題にならない。アプリケーションでも中心となるだろうパワーポイントもマック、ウインドウズたぶんファイルの互換性は高いだろう。いわんや電子メールにおいてもソフトに依存するようなデータを送ることは「ネチケット」に反するので(「インターネット倫理」は指導する必要がある)、本当はコンピュータの機種などなんでもよい。とにかくネットワークにアクセスできればよい。ただし、特殊なプログラムやコンテンツを宿題に出すような場合、「教える側」やコンピュータの「おもり」をする側から見た場合には同一機種・同一プラットフォームの方が楽であることは事実だろう。


岩波新書の「インターネット2」(村井純さん)をななめ読みしていたら、レポートや宿題の提出方法が紹介されていた。学生各自はサーバーにレポートを置いて(学生個人に割り当てた領域(ファイル)でもよいし、指定された領域でも可能)、教員にはそのURLアドレス(場所情報)のみをメールするという方法。なるほど、これなら教員のメール保存場所があふれてしまうという心配はなさそうだ。


さらにこれが大事な点だが、レポートや授業評価は「公開」することが重要であると説いておられた。レポートは従来のレポートと異なり、他の学生のレポートを見ることもできるようにしておく。それを参考にしてより良いレポートを書く。はやく提出した学生も他のレポートを参考にして書き直しすることができる。また、全体の提出状況も一目瞭然なので、未提出者もはやく提出しなければ、という「社会的圧力」がかかる。これを一定期間(締め切り日まで)公開しておくと、ほとんどの学生のレポートが非常に良いものになっていったとのことである。また、この方式であれば、「提出した、しない」「受け取っていない」などの教務上の事故を防ぐことができる。


他の人のレポートを見ることができると、コピーしてしまうのではないかとか、つい心配してしまうのであるが、実際には、レポートそのものが公開されているので、公共的なコントロールが機能して、他人のレポートをコピーして提出するような行為ができなくなってしまう、と報告しておられる。コンピュータネット上ではどのレポートをコピーしたのかということが公になっているので、このような行為はとりにくい。著者によると、レポートは非常に質が高くなり、したがって、ほとんど合格(しかもA)となる。


この方式は、一定締め切りまでに提出されたレポートによって単に「成績評価」を決定する方式よりも、相互に協力してレポートそのものを良くしていくことができ、それに伴い課題の理解も深まる、という意味で教育上進歩しているように思える。大学でのレポートは入学試験のように「合否」の判定をするものではなく、教科の理解を深めるためのものであるはずだからだ。


また、授業評価についても、従来方式の「匿名」用紙では、中に無責任なばあいによってはひどいものが見られたが、公開されていると「それはちょっとちがうんでないの」とか「うんだうんだ」的な公共的コントロールが機能し始めるようだ。もちろん「非常識」なものも存在するだろうが、それはネットに限らない。公共的なコントロールによる「自治」にはより多くの参加者が必要であり、参加者が多いほど「自治」はより有効にはたらくだろう。


この方式をまとめておくと(「連歌」方式という粋な呼び方をしている人もいる)、レポートが一応完成したら学生は教員にそのレポートの保存場所(URL)のみ教員にメールで連絡する。教員は提出者の氏名とレポートの氏名とURLを「提出者リストとレポート保存場所」のページに公開する。レポートを提出しなければいけない学生はこのリストから各レポートを読むことができる。締め切り日までに提出者は何度書き直しても良いし、相談したり、他のレポートを読むこともできる。

  1. 連歌方式を実現するには、
  2. 学生レポートの保存場所(学内あるいは学外サーバに用意。比喩としては、現在教務課にあるレポートボックスがサーバー内に設置されている状態。
  3. 「レポートボックス」は必ず自動的にバックアップファイルを作成すること。
  4. このファイルは一定期間ののち削除するが、バックアップは1年間保存する。
  5. 提出者以外の学生は「読むことはできるが書き込みはできない」。
  6. ファイルを変更できるのは本人のみという設定が必要。
  7. 該当ファイルについて「参照・ダウンロード」(参照したりダウンロードした学生の氏名)の記録が公開されるように。)
  8. 利用者の個人識別を行う必要がある。このサーバーへ自由にアクセスできること。要するに教育用の学内LAN。
  9. 連歌方式をとらない場合には、特に従来のレポート提出方法(プリントアウトしたものを提出)では特にコンピュータ化するメリットは少ないので、従来どおりでも可。なんらかのデータベース化を考慮される場合にやはりサーバー提出方法にはメリットがある。


連歌方式は個人に「評価」を与える、というよりは共同作業による「成果」を評価することになる。ひとり一人を個々のコンピュータにたとえると分散したコンピュータが共同して働き、個々のコンピュータ以上の能力を発揮する、というようなイメージだろうか。人間関係でいえば、3人よれば。。。また、全員が質は高いが全く同一のレポートを提出したらどうするか、というような心配もないではないが、コピーや種々の「不正」はネットに特有というわけではなく従来のレポート提出方式でも起こりうる。むしろネット上の方が閲覧者が多いので、「不正」は発覚しやすく、むしろ「良識」によるコントロールが利きやすいのかもしれない。

水戸地区は12年ぶりの那珂川氾濫被害。治水事業は30年とか60年の「極値統計」で設計しているということを聞いたことがあるが、再び12年で水害被害が出ているというのは?


98/8/28(金)他大学のとりくみ

インターネットで類似のプロジェクトを探してみた。明治大学、北星大学、名古屋学院大学などの調査報告がすぐにみつかった。電算授業を始めたばかりの大学から、導入時期はすませて次の段階への模索期である大学(本学もそうだ)など、発展段階別にもう少し詳しく検索してみよう。

www.ipc.hokusei.ac.jp/~z00103/int/int-education.html

www.isc.meiji.ac.jp/~pcp/report96

この大雨で水戸市・水府町の方はかなりの浸水被害が出ている。


98/8/27(木)実験授業用ノートパソコン借り受け

実験授業用ノートパソコンを事務方Aさんより受け取る。富士通のオールインワン型ノートブックで、フロッピー、CD-ROM、バッテリーを排他的に2種類格納できる。重量は3キロちかくあり、常時携帯はちょっと無理。しかし、主に学内での利用を考えてこの機種を選択。たとえば、教室でCD-ROMドライブを接続したりというのはちょっと面倒に思われたから。携帯用は私物のノートブックを利用することになるだろう。


ワード98,エクセル97は添付されているが、プレゼンテーションに便利なPowerPoint97は添付されていない。 しかし、まあ、これ以外のソフトは満載である。プログラムのメニューが画面上下端からはみ出している(富士通はいったいどんな人を予想してバンドル・ソフトを選択したのだろう)。これを初めて使うというヒトはかえってとまどうかもしれない。しかし、これだけのソフトを購入すればそれだけでコンピュータそのものが買えるかもしれないほどの量であるので、やはりメリットなのだろう。おかげでハードディスクの空きは1.5GBほどである。不要なソフトはデリートしたいが、実験調査終了後大学に返却する際にリカバリーするのはちょっと面倒か。ちょっと迷っている。OSはWindows98。


たまたま、もう一人の犠牲者である A教授に出会った。かれもコンピュータを受け取りにきていた。しかし、まったくの初心ということで、昼休みにセットアップだけ手伝った。昼食をS健にて。S健は1年半ちかく立ち寄る機会がなかったが、漁師料理風の味付けのあまくない魚料理は健在であった。この実験授業が行われるようになったいきさつやらなんやらをとりとめもなく話したが、A教授は大変期待をこめてこの実験授業に取り組まれているご様子であった。


おもな登場人物

A教授(文学者、実験授業担当)B教授(情報処理を担当しているえらいせんせい)Aさん(教務・ノートパソコン担当)Mさん(教務課・教室管理)学生S(4年生)C君(M大学院生)本学OB,OG、M教授(物理学のえらいせんせい)、K教授(国際部の経済学のやはりえらいせんせい)


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