ノートパソコン実験授業・日誌 ■ノートブック日誌インデックス


98/9/25(金)学生のメールアカウント・フリーメールのサービス

本屋でNetNaviというインターネット雑誌を買って、ぱらぱら見ていたらフリー電子メールサービスの紹介があった。いくつか紹介されていたが、検索ホームページで有名なgooもフリー電子メールを提供しているようだ。gooは結構使っているのだが、このメニューには全然気づかなかった。インターネットを使うには、プロバイダーに加入するのが一般的で、加入すればほとんどメールアカウントが発行されるので、この種のメールサービスには気づかなかった。


現在の常磐大学のように、学生はインターネットを利用できるのにメールアカウントがない、というかなり変則的な境遇では、これを一時的に利用するのが良いかもしれない。自宅で、両親などがプロバイダーに加入している学生にたいしては、加入者のメールアカウントがあるので、そちらにメールを送ったこともある。大学や「インターネットカフェ」、あるいは、友人のコンピュータ等で、とにかく、インターネットに接続することができれば、gooのメールサービスをつかうことができる。メールソフトは不要で、送受信はブラウザーのページからできるので、つかいかっても良さそうだ。しかも、他のメールアカウントからのメール転送や、書類添付、いたずらメール(いわゆるスパム)のフィルタリング機能、まで備えている。すでにメールアカウントを持っているヒトも、出先での利用に便利かもしれない。使い方や、登録方法も分かりやすい説明がある。オンラインで申し込むことができる。メールアカウント名はある程度選択できる。個人識別は登録したパスワードによる方式である。
http://freemail.goo.ne.jp

フリーのメールサービスではメールと一緒に「広告」が送信されてくるところもあるようだが、Gooではこのようなこともないようだ。これに限らず、インターネットのサービスは結構フリーなものがあるが、一体なにが利益になっているのだろう、と考えることがある。gooはNTT系らしいので、とにかく回線利用が増えることが利益につながるのだろうか?あるいはgooへのアクセス回数の増加によって「広告料」などメディアの価値が高まるのだろうか(テレビの視聴率や新聞の発行部数などのように)。このようなサービスに依存しなければならないというのは問題だが、一時的に、実験授業の一環として、数名から数十人程度が利用するという程度なら許容範囲だろう。大学でしかインターネットに接続できない学生にもメールを出せるので個別の連絡や一斉連絡が簡単になる。早急に、大学でも全員メールアカウントと希望者にはホームページのスペースを提供しなければならないが、保守・管理の大変さを考えると、学生用のメール・サーバーは「アウトソーシング」が有利かもしれない。

エスター・ダイソン、未来地球からのメール、集英社(Ester Dyson, Release 2.0) が気になって買ってきた。ちょっと、ななめよみ。


98/9/23(水)テキストの電子出版

電子出版の可能性について

ノートタイプあるいはデスクトップのコンピュータを仮に学生の多くが所有しているとすると、テキストを電「紙」化して配布するということが、現実的になる。本学のように小規模の大学では授業のためのテキストの出版もままならないが、電子メディアではこの問題を解決できそうだ。


先行したのは、ボイジャー社のExpanded Bookである。これは「本」をコンピュータの上でシュミレイトするもので、専用のソフトウエアをつかって作成する。単に「本」の形式をシュミレイトしているのではなく、電子化された利点(ハイパーテキスト、自由に「付せん」や「書き込み」ができ、「検索」など非常に簡単にできる、等々、印刷された本を超え、書籍の機能を拡張するという意味でExpanded Bookと名付けられたものだろう)をもつもので、パソコンの上で見てもその仕上がりは美しいものである。メディアはフロッピーやCD-ROMである。できあがった電子ブックはパソコンで閲覧する。これには編集やレイアウトなどすべての作業を著者自身がすべて行うことができるため、非常に安価に流通させることができる。英語や外国語のものを含めるとかなりの数の電子化された「書籍」が出版されている。価格は数百円〜1500円程度。(ただし、市販した場合には価格の1%をボイジャー社に支払わなければならない。この比率は現在変わっているかも。)http://www.voyager.co.jp/


また、最近しばしば見かけるようになったのは、Adobe社のAcrobatというソフトで作られた電「紙」ブックである。これで作られた「電子ブック」はマックでもウインドウズでも、専用ソフト(Acrobat Reader、「閲覧」するためのソフトは無料で配布されている)により「閲覧」可能である。


もちろん、インターネットのページ(HTML形式の文書)もハイパーテキスト・マルチメディアな電子ブックの特徴を持っている。テキスト、配布資料、OHP資料、ビデオ、音声などホームページを通じて配布することができる。最近では、資料や映像、音声を収めたCD-ROMを付録につける本も見かけるようになったが、電子ブックでは、必要な場所にこれらの資料をリンクすることができるので非常に便利だ。また、紙の本では「写真」「ビデオ」「図」などは「紙幅」の制約を受けることが多いが、電子ブックではこのような制約が少ないことも優れた特徴だろう。なにしろ、百科事典でも1枚のCD-ROMにおさまってしまうのであるから。


以上のようなことを考えると、今学期の実験授業が終わったところで、毎回の授業のプレゼンテーション、図情報、映像情報を整理すると、電子ブックによるテキストをつくることができそうである。以前からこのようなことは考えていたのだが、実現できなかった。実験授業という機会を与えられた秋セメスターでは、これを一つの目標にしてやってみよう。


98/9/22(火)プレゼンテーションのヒント・アクセス制限?

情報処理教育担当のB教授よりメール。ノートブックパソコンの授業の準備はできているか、との連絡。今週から授業だというのに、実はあまりはかどっていない。先日プレゼンテーション用のソフト(Power Point 97)のインスタント・ウイザード(一般用)を眺めていたら、これは、必ずしも「授業」を念頭においたものではないのだが非常に適切な作成ヒントとガイダンスが書かれてあった。これは、これを読んで、毎回の授業で果たしてこのような配慮をしてきただろうか?と考え、ちょっと冷や汗。以下に、引用しておこう。これらの点に留意してプレゼンテーションを構成し、準備しなさいということである。(講義にあてはめて考えると、各授業において講義すべき点を整理し、自分の意見と立場を明確にするために、このようなテンプレートに沿って、準備することで、授業準備に非常に便利だと思われる。)授業用のウイザードは添付されていないが、テンプレートを考えてみるべき。あるいはどこかでテンプレートが公開されているかもしれない。

付記:パソコン用語はなぜ適切な日本語に翻訳されないのだろう。せめて、マニュアルにでも、もとの「つづり」を表記しておくべきなのではないだろうか。ウイザード?Wizard ブラウザー?browser、日本語訳だとくだけすぎた調子になったり(「お助けソフト」)、難くなったりで(「閲覧ソフト」)、たしかに翻訳するのは難しいのだろうが。ついでだが、ソフトウエアの名称も非常にわかりにくいものが多い。名前からその働きを想像しにくいものが結構多い(「三四郎」、「一太郎」、「エクセル」、「アクロバット」)。


インターネットで連絡がとれうようになったことが「同窓会」のきっかけの一つであったのだが、その席で「OB,OGとしてなにかできることはないだろうか。」という話になり、「就職や、転職、その他卒業生にできる情報提供ができれば」ということにまとまった。インターネットを利用して、このような情報提供のほか、ボランティアで「卒業生によるアドバイスや相談(Cyber Space Clinic)」コーナーをホームページに設けようということで、何人かでメールを通じて相談している。もうすこしで、新規開店できそうで、楽しみである。コンピュータはこのようなコミュニケーションにつかうのが楽しいな、と思う。

他の大学のホームページを見ていると、学内むけの情報と学外公開している情報を分けているところが、特に員他ネットを活用している大学で、多い。このアクセス制限の方法も検討しておく必要がある。(パスワード方式?学内ネットでのみアクセスできるページを設定する?等等)


98/9/21(月)「つかいやすさ」・一期生にみられる「情報格差」・プライバシー

タッチバッドやキイボードの使いやすさについて、メイルで「雑談」していたところ、私にとっては非常に使いにくいタッチバッドが別の人にとっては一番使いやすいという意見もあった。機種にもよるのだろうし、やはり、慣れが大きい要因なのだろう。まったく、主観的、独断的印象であるが、アスキー形式のキイボード(101キイボード)を使ってきたオールドユーザーは、106キイボードを「最悪」と評価する傾向があり、一方、最初から106キイやJISキイボードにふれてきた世代では特に違和感を感じていないというところか。習熟を前提にした場合、漢字仮名まじり文の入力作業では、一番効率的なのは「親指シフト」方式というのが定説ではあるが、ローカルな規格の106が標準になってしまっている。まあ、大多数のユーザーはタッチタイプで多量の入力作業はしないだろう、というような予想のもとでは、なるべくキイ数が多く、機能をわりふった専用キイの多いキイボードが見た目、わかりやすいというようなことなのだろう。「変換」、「無変換」、「漢字キイ」等々。


98/9/12(土)

先日久しぶりに一期生の会合があったので、このノートパソコンのことや「全員必携」の問題について聞いてみた。かれらは、当時としては他大学に先駆けて「全員」情報処理教育を受けていたり、パソコンに関心のある学生がおおかったこともあり、また、実際に社会において情報産業の関係者が比較的多かったため、この問題にはおおむね賛成意見を述べてくれた。しかし、卒業生のなかでも、インターネット等に日常接しているものと、そうでないものの「情報格差」が見られた。日常使い慣れているものにとっては「常識」でも、そうでないものにはまったく未知のものであるようだ。


この同窓会も実はインターネットを通じて連絡をとりあい、日程など決定された。インターネットの通信手段のない同窓生の連絡には幹事も少々てこずったようだ。コミュニケーション手段は電話でもファックスでも、郵便でも同じではないかと考えられるけれども、実際にはインターネットによるコミュニケーションは他の通信手段よりもさらに有効なものであった。特に監事になった人が、もし、各地に散らばっている人たちに、電話やファックス、郵便で連絡をとらなければならないとなると、大変な時間的・人的労力を要しただろう。もちろんインターネットでも時間的・人的資源は大きいのだが、「物理的」な側面の労力は非常に少なくてすむ。今回はインターネットで連絡が可能だったのは出席者の1/2程度であったが、全員これが可能になれば幹事のはらう労力は非常に節約されただろう。この割合は現在の一般社会でも平均的にみて高い方であると思う。情報処理教育の成果である(? ^^;;)。 また、当日の「スナップ写真」も翌日にはインターネットを通じて回覧し、見ることができた。このようにインターネットはちいさいコミュニティを維持していく上でも重要なコミュニケーション手段であることを実感した。


写真掲載のことが話題になり、いくつかその方法を考えた。当面、写真はサーバーにアップロードするが、同窓会のホームページとはリンクしないで、直接URLをブラウザーでアクセスする方式にした。この方法では第三者にファイルの存在がわかりにくいので「プライバシー」の問題を多少は回避できる。もちろん、ファイルをさがして、見ようと思えば誰でも見られるので完全な保護にはなっていないのだが。URLは会員にはメールで連絡する。集合写真については、画像処理して(わざと不鮮明にして)ホームページに掲載したのであるが、まあそのまま掲載してもよいだろうという意見が多かった。
98/9/10(木)教室・ノートパソコン機種評価・トラブル

教務方Mさんより、ノートパソコンの実験授業の教室どうされますかーとの連絡。学生の方はノートパソコンを準備できないので、パソコンをつかったプレゼンテーションが主になる。プロジェクターのある部屋を準備してもらうことにした(木曜日2限・知覚心理学特講・火曜日3限・心理学研究法)。このプロジェクトの正式な連絡ルートが未定の模様で実験授業担当者(人間科学部3名)はそれぞれ別の部署から連絡を受けているようだ。なんでメールをつかわないのだろうか?今日は再びA教授がノートパソコンの件で相談があるということ。電算教室が混み合っているため、実験授業の教室が確保できるか心配しておられる。

  • 機種評価:FMVノートは現在使っている機種とキーボードが少し異なり、リターンキイなどずいぶん遠くにあって、私の手の大きさ(けっして小さい方ではないが)では小指が届かないため、ホームポジションから指を離してしまうことになる。スペースで漢字変換、リターンで確定という動作になれているので非常に能率悪い。Windowsではこのようなキイボードが標準になっているようだが、日本語106系統のキイボードはなぜ改善されないのだろう。それとも、日本人の平均的な手はこんなにおおきいのだろうか?
  • LANカードがオプション。学内LANに接続するにはこれが必要になる。ノートブックでEtherNetを標準でそなえている機種はまだ少ないのだろうか。
  • やはりタッチパッドはつかいにくいので外付けのマウスが必要である。コンピュータの「つかいやすさ」の評価ガイドラインはまだ無いようだが、「習熟」の問題があるので難しいのだろう。

トラブル1:A教授のノートパソコンは電話回線接続時にトラブルがあって、修理に2週間ほどかかる見込み。FMVノートではモデムは内蔵だが、LANアダプターがオプションなので大学のLANに接続するために別途購入しなければならない。とりあえず、モデム接続ということで設定していたとのことだが(電算室事務方か業者の人か聞き損なったので未確認?)、ハードウエアか、この作業になにか問題があったらしい。

トラブル2:ワード98はちょっと重いかもしれないということで、「一太郎LITE」とATOK11をインストールしていたのだが、今日試していたところ、一太郎LITEでの入力が異常である。いくつか漢字変換して、確定のリターンキイをおすとそれまで入力した文字部分が消えてしまい、入力カーソル位置が5−6行下の方にすっ飛んでしまうというものである。何度か再現した。自宅のThinkPad235(Windows98)ではこのようなことはないので、もしかしてFMV側になにか問題があるか、一太郎LITEのバグ?ともかく再インストールして確認してみなければ。


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