ノートパソコン実験授業・日誌 ■ノートブック日誌インデックス

 


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99/1/24(日)

火曜日の授業のテスト問題を考える。「研究法」と大学院の「研究法」。「成績」は担当教員の裁量にまかせられていて、全員A(優)をつける方もけっこうあるようだ。例年ペーパーテストの成績と出席状況を加味して採点している。私の場合、分布は科目によっても年によっても異なるが、Aは比較的少ない方だと思う。Aの基準は「他の大学でもAがとれる」という基準を守りたいと思っているのだが。他の大学で非常勤をしている方に聞くと、大学によっては成績の分布に注文のあるところもあるようだ。ちかごろ大学でも予備校みたいに「習熟度」別クラスなどが取り入れられるところもある。このばあい「成績」の分布はどのようにしているのだろう。

「卒業できません」といったメッセージが回答用紙に書いてあることは何度かあった。まだ出会ったことはないが「A以外なら単位いりません」というような学生もあるとのことだ。これなどは日本の大学に特有?な現象らしく、米国の大学ではいったん履修登録をすると「不合格」の記録もしっかり残されるようになっているらしい。


近くのパソコンショップへiMacの新シリーズを見に行く。5色そろうとなかなかキレイ。今日から発売のようだった。スポーツセンターへ行く途中だったのでチラッとみただけなのだが、その間にも3台ばかり売れていた。「やっぱ、ストロベリーを」なんていう注文で、以前のパソコンショップではちょっとなかった光景ではある。若い女性が買っていく姿が目立つ。

ZDnetのインターネット「速報」ニュースでは秋葉原、新宿など多少行列のできた店もあったようだ。購入の4割が女性とのこと。iMacはうちのカミさんもデザインが気に入っていて「買ってもいい」ということなのだが、外部ディスプレイがつなげない、フロッピーの別売、ICカードリーダがないこと等が障害になっている。デザインだけでなくこのような面での配慮は期待できないのだろうか。しかし、USB対応の製品がそろってきたのとサードパーティの外部ディスプレイアダプターがあるようではある。プリンターではHewlett Packard は4月対応予定などとのんびりしている。2月のマックエキスポではなにか出そうだし、まあちょっと様子見か。


99/1/22(金)B教授の授業評価法

昼休みに教員談話室にいたところ、B教授がニコニコしながらファイルを差し出された。授業評価の仕方について、電算授業担当のB教授はセンセイ宛に指定された形式のメールを出すという課題を「定期試験」に替えて行われたとのことで、メールをプリントアウトしたファイルをみせてくれた。これがどれも非常に良い反応で、センセイも非常にご満悦のご様子。「テスト」ということを割り引かなければ、というカゲの声がなかったわけではないが、パソコンやインターネットそのものの技能等が修得されればよいのだから、このような「授業評価法」もあり得る。

普通の講義の場合には「テストの成績がみんな非常に良い」という場合だろう。「成果」と「授業評価」の関係はどのようなものだろうか。「成果・成績」は良くても、「授業評価」は低いこともあり得ないことではないだろうし、その逆もありそうな気もする。

なお、この授業は受講希望者が多く、電算教室の定員(だいたい50名)以上になってしまい実習を隔週にやっておられるようだ。メッセージには、パソコンが「意外と」使いやすいもので、インターネットなど「つかいで」のあるものだということに気づいて、これをきっかけにして自ら購入したり、「買いたい」というコメントが目立った。インターネットはテレビや雑誌などでも話題になることが多く、受講希望者は今後も多くなるだろう。授業クラスを増やしたら良いのでは?

実験授業ではもっぱら教員が教育にどのようにつかえるか、ということを検討してきたわけだが、学生全員がパソコンやノートパソコンでインターネットを支障なく使える環境が早く実現できないものかと思う。


99/1/21(木)授業評価結果(続)

知覚心理学特講の試験とあわせて授業「評価」アンケートを実施。研究法と同じく無記名で、アンケート用紙も同じマークシート方式のものを使用。各質問項目は1から5の5件法で、「最低」が1、「最高」が5である。出席者57名。アンケート回答してくれたのは56名だった。心理学専攻の2年生が主で、一昨日おこなった研究法の受講生とほとんど重複している。他専攻、他学科の学生も1割程度受講。集計結果は以下のようなものだった。

知覚心理学特論の方が研究法と比較するとやや良いが、やはり通信簿でいうと3というところだ。やはり個人差はかなり大きい。プレゼンテーションはこちらも良い評価だった。ノートパソコンやOHPによる視聴覚メディアを使ったことは良かったようだ。特に私は悪筆なので、「板書」の改善になったことは確かだと思う。

研究法の結果と同様に、学生個別に評価の総平均値(内容、教材、すすめかたの10項目の平均値)を求め、それと学生自身が自己評定した「参加度」(授業に積極的にとりくんだか、という質問項目への学生自身の自己評定)との関係をみた。

研究法と似た傾向であるが、こちらの科目のほうが「参加度」の自己評定値の高い学生が16名と多かった点が異なる。教科内容がやや専門的な心理学の内容であることによると思われる。前回と同様に「参加度」と「授業評価」値は関係する傾向。

自由記述の欄には10人がコメントを書いてくれた。プレゼンテーション形式がよかったというコメントと、資料の提示時間が短くノートがとれないというものだった。

今回も、自由記入欄によせられたコメントは授業改善の具体的なポイントであると思われる。しかし、「なかなかわかりやすかったが、大切なところを明確に「ノートしとけ」といってくれるとよかった。」というコメントもあった。スライドの項目は重要項目のつもりなのだが。

「資料とノート」の問題についてはプレゼンテーション資料をWeb公開することで対応できる。しかし、このように資料を配布し、講義内容をWeb公開するとなると、これまで、私の授業の試験は「ノートのみ持ち込み可」というものだったので、試験そのものを再考しなければならない。

「特論」は「選択科目」で、例年出席を6−8回とることにしている。試験規定で2/3以上の出席がないと試験を受けることができないことになっている。5回以上欠席した学生は「資格喪失」である。ほとんど欠席しない学生と、この条件に抵触しないように勘定して休んでいるタイプがある。あとは「放棄」組である。

今期は実験授業ということもあって、あらかじめ「資格喪失」者を発表していない。そのため、ほとんど出席していない学生も試験を受けていた。このような学生のアンケート結果はどのように考えればいいのだろう。出席させなかった教師の責任なのだろうか? また、すべての項目に3と回答した学生が2名あった。

学生の「参加度」の比較。「研究法」での平均値は3.0(標準偏差1.0)、「特論」では3.2(標準偏差0.9)だった。平均値はあまり違わないが、実際の講義をしていて受けた印象では、もっと違う感じだ。この差は「必修」科目と、「選択」して出てきている科目の違いではないかと思う。

授業評価アンケートもこれで2回行ったのだが、A学部ではルーティン化されている(各セメスター2回)。もし、今後も継続的に行う場合には、アンケートをやる理由や意味・効果を明らかにしなければ単なる習慣になってしまうだろう。アンケート実施により実際に講義が改善され、それにより参加意欲も高まるという好循環を期待したいのだが、悪循環におちいるオソレもかなりあるのではないかと思う。


図書館情報センターよりNatureのオンライン版についての返事があった。機関購読にたいしてはオンラインサービスがない、ということだ。残念。

ちょっと前からインターネットで外部へのアクセスがひどく遅くなってきて、使いにくくなっている。たぶん回線容量の問題だと思う。なんとか改善できないものか。自宅では加入しているプロバイダーにISDN回線で接続しているが、それと比べても10倍くらい時間がかかる感じだ。これでは、電算授業にも差し支えるのではないだろうか。研究室の電話をISDNにできれば、外部プロバイダーを使うのだが。デジタル交換機を通っているのでISDN化は不可能か?


99/1/20(水)

今朝A学部のN教授と駅で一緒になりバスで大学まで。授業「評価」の話をした。A学部ではセメスター毎に2回のアンケートを実施している。N先生は授業評価などとんでもない、という意見だった。たしかに「授業評価」がその後どのような目的に使われるかわからないという心配もある。いったん数字になってしまうと、「現地」は忘れられてしまう。いろいろ問題が起こりそうだ。これを管理する人のオトナ度が問われることになるだろう。A学部では、アンケート集計の作業量の膨大さにとまどっているそうだ。用紙はマークシート用紙なのでたいした手間はかからないと思われるが、なにしろ全科目となるとチェックだけでも大変だろう。アンケート結果は教員個人の結果は知らされるが、公表の仕方は決まっていない様子である。

明日はもう一つの実験授業(知覚心理学特論)の試験。授業アンケートは試験と一緒にやらない方がよいと思われるが、用紙の準備の都合で今回は合わせて実施。

J委員会で一緒に運営を担当しているG助教授がiMacを購入したそうで、今日配達されるとのこと。iMac売れてるようでご同慶の至り。ウワサによるといま日本で売れている(個人向けデスクトップ)パソコンの3台に1台はiMacなのだそうだ(しかし、「自作パソコン」の方がはるかに多いような気もする)。Gセンセイはパソコンを購入するのは初めてとのことで、仲間内にこのことを話したら「ぼろくそに言われた」そうだ。でもはじめてだったら多分iMacの方が取り扱いは簡単だと思う。まあ「心配」があるとすれば、後でWindowsな仲間うちでいろいろデータ交換などするようになると、最初のうちちょっととまどうことがあるかもしれない。

昼休みに実験授業の担当者のN講師を見かけたので、昨日のトラブルのことを話した。このこととは別に、支給されたノートパソコンの挙動がおかしいことがあるとのこと(なにも操作しないのにカーソルが飛び跳ねたり)。私も別の原因であると思うが、似たようなトラブルに遭遇したことがあった。解決後は問題は生じていないのだが、FMノート自体になにか(「相性」)問題があるのだろうか?


99/1/19 (火)最後のトラブル・授業「評価」結果

「心理学研究法」の最後の授業で、プロジェクターのトラブル。いままで問題なかったのに今日はプロジェクターで出力できない。ああ。(小)トラブルではじまった実験授業だったが、最後も(小)トラブルで終わるか。しかたないので、OHPのみでまとめた。国際部では来年度からはプレゼンテーションできる教室にはデスクトップを設置する予定とのこと。この際プロジェクターも固定設置してもらえると(小)トラブルに悩まされなくてすむのだが。

最後の講義なので授業「評価」アンケートを実施した(無記名でおこなった)。アンケート用紙はA学部で実施しているものを借用した(マークシート方式)。各質問項目は1から5の5件法で、「最低」が1、「最高」が5。出席者42名。心理学専攻の2年生が主。集計してみたところ以下のような結果だった。今期のテーマは「統計的仮説の検定」であった。

なにと比較すべきかわからないが、なんだかあまり芳しくない。昔の通信簿でいえば3ばかりというところだ。「使用教材について」では実験授業でのプレゼンテーションにやや良い評価。かなり個人差おおきい。

学生個別に評価の総平均値(内容、教材、すすめかたの10項目の平均値)を求め、それと学生自身が自己評定した「参加度」(授業に積極的にとりくんだか、という質問項目への学生自身の自己評定)との関係をみた。「参加度」の高い学生のほうではそれなりの「評価」という傾向も見られる。

この結果からは、一応ノートパソコンによる視聴覚メディアの利用は「使用教材についての評価」点に寄与しているように見える。しかし、肝心の「興味、わかりやすさ」については効果がなかったような印象だ。(ノートパソコンをつかわない授業での比較条件がないのでなんとも言えないのだが)。統計学というのは「文系な」心理学の学生にとってはちょっとやっかいなものではあるのだが。うーむ。

自由記述の欄にはあまり記入されていなかったが、以下のような感想があった。()は私の感想。

記入はすくなかったが、自由記入欄によせられたコメントは授業改善の具体的なポイントであると思われる。(アンケート結果を講義に反映させるには、アンケートの時期を再考。講義5回目(1セメスターはだいたい15回)くらいで中間アンケートをやる方が良いかもしれない。)次回はこれらの点を改善しよう。

統計的方法ではある点につまづくとその後の理解に影響する。これにはなんらかのプログラム学習をとりいれることで対応し(基礎的知識をそろえる)、応用研究例の話題を増やし(「興味・関心」)、電算実習の回数を増やす(「実際的技能」)ように変更。

今学期はアンケート1回のみなので、授業展開でどのような推移をたどるのか分からないが、授業を受けるうちに「わからなくなるー>参加意欲が低下する」傾向を助長しているのかもしれない。もともと「興味がない・苦手=参加意欲低い」という面もある上に。「参加意欲」や「興味」を増す条件はなんだろうか。研究法ではどうしてもデータ処理の技術的な話を中心にしなければならないと考えているのだが(「雰囲気的理解」ではなくて実際にできるようになることが必要と)、2年次の入門という面をもうすこし考慮して、統計的内容は最小限度にすべきかもしれないとも思う。一方で「参加意欲」の高い学生も1/4程度あって、この学生の望むものはまた異なるものかもしれない。

ともかく実験授業は終了だ。多分、来年の実習や卒論研究ではもうすこし進んだ統計的な方法が必要になることと思う。半年で統計的な方法の基本を学んだのであるから、そのときには少しは役にたつことを期待して。来週は試験。さて結果はどうなるだろうか。


99/1/18(月)

昨日の日誌について愚一記さんの日記でコメントしていただいた。九大の先生の意見については、私も必要な条件であることは確かだと思っている。しかし、これはどうも十分ではないと感じられるようになってきていることは、愚一記さんが正確に述べられている通りだと思う。

今日は実習1、2とも最終。実習2のほうは2名欠席があった。今年の3年生は特に熱心に取り組んだ学年でレポートの質も良かった。欠席した場合、データの整理、分析方法など理解できるか心配。3年次で実習授業は終了する。最後の課題でかたちばかりのレポートにならなければよいのだが。

明日は研究法の最後の講義。「まとめ」と、ふれることができなかった事柄を少し話す予定。実験授業はこの研究法と知覚心理学特講の2科目が対象なので、授業アンケートをやってみるつもり。A学部では授業「評価」を実施しているので、そのフォーマットで。一応アンケート結果の比較をしたいと思い、A学部のK講師にアンケートの「平均値」などだれに聞けば教えてもらえるのか尋ねたのだが、A学部での授業「評価」アンケート集計のあつかいがまだよく定められていないらしいとのことであった。


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