ノートパソコン実験授業・日誌 ■ノートブック日誌インデックス


99/3/14(日)入学試験

今日はD方式という入学試験日で、採点作業を手伝う。数年来「二次試験」を廃止していたのだが、昨年度より試験方法を変更して再び3月に行うようになった。「多様な」入試機会ということで、本学でも「推薦」、「ペーパーテスト」などいくつかの方式の入試が行われている。定員枠は一定なのだから、本学のような小規模な大学では各試験ごとに募集定員をわりふることになり競争率がかなり高いところもでてくる。多様な入試機会をもうけても、かならずしも受験生の負担を小さくできるわけではない。

最近では国立大学などでも「指定校学校推薦」方式がとりいれられている学部もあるようだ。いわゆる「受験校」の学生は「ペーパーテスト」方式で受験するのだが、高校に「指定校推薦枠」がある場合、普通に受験するよりも「楽に」入学できることがある、というような新聞記事を読んだ。たしかに「学力」のみが大学受験の「資格」ではないことは確かだが、ちょっと割り切れない思いも残る。このわりきれない思いというは、不公平感であるのだが、試験制度が公平かというとかならずしもそうではないので、よけいイライラする。


99/3/13(土)スカイパーフェクテレビのアンテナをベランダにとりつけた。
99/3/11(木)GUIと視覚障害・ネット情報

「ハンディを持った人のためにコンピュータができること:視力障害を持った人々のための新たな入力デバイス,ブラウザ,ソフトウェア開発ツール」http://www.zdnet.co.jp/magazine/pcmag/9903/t990310a.html

いわゆるGUIは視覚障害者にとっては「直感的」なシステムではなく、以前の文字中心のインターフェースのコンピュータよりも使いにくいものになっていることが指摘されている(Karen Gourgey氏、ニューヨーク市のBaruch大学にあるComputer Center for Visually Impaired People(視覚障害者向けコンピュータセンター)の局長)。ネットワーク環境であらたな障害が生じている。

いくつか新しい入出力デバイスが開発されている。同氏は、新しいデバイスの開発を歓迎しているが、「Webサイト制作者はあらゆる感覚機能を考慮に入れたうえでデザインを行い,障害を持った人々にとってWebサイトがどれほど利用しづらいものかということを無視しないようにと望んでいる」。

これらの研究を通じて「健常者」にとっても使いやすいシステムが生まれる可能性もあるし、現在のパソコンの形態を変えてしまうかもしれない。


ツレアイの妹夫婦に長男誕生。産院に会いに行く。ちいさなベビーベッドに並んで寝かされていて、かわいい。まさに「あかちゃん」ということばのよう。最近の産院はちょっとしたホテルのような感じで、「病院」という感じがしない。たしかに病気ではない。ベビーベッドは集中的に管理されるように母親の居室とは別にまとめられている。ベビーベッドがならべられている部屋はガラスで仕切られていて外来者もガラス越しに「面会」できるようになっている。保育器や医療機器が備えてあり、この部屋は病院らしい雰囲気がする。
99/3/10(水)「事務」の省力化

午後から会議。会議のあと打ち合わせと雑談のおりWorkPadが話題になる。はじめて見たという方もIBMから出たということでブランド的安心感を与える。たしかにそういう面はあるが、WorkPadの「前身」のPalm IIIの「日本語化」などはユーザーが自由に「遊んで」いたものだが、このようなパワーがそがれる可能性もある。このようなパワーユーザーにとっては「自分(達)のために」やっていたことが、今後はなんだか一企業のためにやっているような気分にもなるのだろう。

会議の「会議録」を担当していた事務方のTさんが新学期から交替になる模様。しばらくの間会議録の仕事を肩代わりしなければならなくなりそうだ。「省力化」のために会議中に直接ノートパソコンに入力してみよう、ということになり次回の会議で試してみる。この会議録には「監査」に必要な事項などは表記しておかなければならないので、どのような項目が該当するのかについて細かな習慣があるようで、引継に時間がかかりそうだ。

やはり手書きのメモをもとにして会議録を起こす、ということに落ち着くのかもしれないが、ノートパソコンで「メモ」しておき、ファイルを担当者で巡回して追加訂正を行なえば良いのではないかと思う。

大学では「教員には三つの仕事がある。研究、教育、学内運営だ」とよく言われる。研究と教育が「本来の仕事」と(教員は)考ていて、運営は表には現れないシャドーワークと考えている。しかし、特に私立大学では「運営」の問題に時間をさかなければならないこともある。このバランスはくずれがちなのだが、三つの要素にバランスがとれないと「円満な大学人」とは言われないこともある。シャドーワークをしない人は放課後「教室の掃除」をさぼって帰ってしまう生徒のようなものだからだ。この問題は、「生徒」に教室の掃除をさせることが妥当なことかどうかが考えられなければならないように、実は大学のシステム上非常に大きな問題だと思う。

そういえば「自分のための時間、家族のための時間、社会のための時間」の配分のバランスをとりなさい、という「処世訓」もあったなあ。

日誌では「教育」にかかわる面を考え、記録してきたが、「運営」の面でも有効に使うことができると思われるが、実際にはどんな展開になるだろう。


99/3/9(火)IBM WorkPad

今日はWork Padに付属してきた英和辞書をロードしてみた。 WorkPadでは、パソコンにPalmDesktopというWorkPadとほぼ同型のソフトをインストールして、PalmDesktopとWorkPadの内容を常時シンクロさせて使う。データのシンクロはクレードルにWorkPadをのせて「ボタン」を押せば「ホットシンクHotSync」される。WorkPad側へのソフトのロードも同様。非常にシンプル。WorkPadではとりあえずグラフティで入力しておいて、パソコンで修正するというような使い方。

英和辞書の大きい方をロードした。2メガバイト程度なのだが結構時間がかかる。ハングアップしているのかと思い一度リセットしてしまった。正常にロードされていた形跡があったので今度はファイルをわけてシンクロしてみたところ「辞書」というアイコンができてカンタンな英和辞典として使えるようになった。手書きのグラフティで「つづり」を入れていくと、その時点での候補がどんどん検索されていく。和英辞典もおまけについているのだが、両方ロードすると本体メモリー4MBの大半をつかいつくす。メモリーは16MBまで拡張できる。いまとなっては小さいようだが、かなりのデータが入るので、データのブラウザー用途に適している。

GoType!とNewtonキイボードだが、どうもこれらのドライバーはまだ対応が不完全のようだ。漢字変換時にウインドーに候補がでるがこれをキイボードから選択できず、ハングする。電源オンオフで復帰するが。GoType!を買ったイケショップにメールで問い合わせたところ、メーカーからの「回答」はまだないとのことだ。雑誌では「日本語版商品」を出すと言っているようなのでそれまでお預けだ。Newtonキイボードのほうは日本語化の「神様」で「いけてるハッカーさん」との称号をお持ちの山田氏(http://www.tt.rim.or.jp/~tatsushi/)待ちの他力本願。それにしてもHewlett Packardの100/200LXいらい「てのひらコンピュータ」のユーザーのパワーはすごいなーと思う。


このところ日誌のアップロードの時間が変則的。早朝、朝、夕方、夜といろいろ。学期中は夕方下校前というパターンが多かったと思う。

夜、卒業生のY君よりひさしぶりにメール。ホームページの表紙の「goods」コーナーがおもしろいとのコメントだった。こちらはだいたい週に一回日曜日の夜に更新している。今週は未更新だ。

夕方準備室のT君よりファックス。Pゼミの対応について。夜Y教授より電話。Pセンセイの授業担当者の件。

来年度卒論のSさんよりメール。明日卒論の相談にという連絡。そういえば年末にパソコンを購入するといっていたなー。ついにプロバイダーに加入したようだ。ぐっどぐっど。



99/3/8(月)INSEAD・授業形態に即したパソコンのインフラ

IBM WorkPad日本語版のつづき。GoType!の製造元のLandWare社のサイトに(http://www.landware.com)GoType!の新しいドライバー(1.02)があった。ダウンロードしてためしてみた。IBM WorkPadに接続してキイボードを使った後、ホットシンクで「ポートをつかえない」というメッセージが出たが、その後どういうわけかドライバーがenable状態でも「NOT enabled」状態でもホットシンクできるようになった。しばらくつかって様子をみよう。


愚一記さんの3月7日(日)の日記(http://wwwkyo1.meijo-u.ac.jp/staff/toshiito/kinkyo.htm)にフランスのビジネススクールであるINSEADを特集したテレビ番組のことがかかれていた(テレビ東京、「日高義高のワシントンリポート」)。これは私も一部分見た。

1年コースで各国の「超エリート」学生の様子。学生年齢は平均28.5才ということだ。「学生がプレゼンの準備をする場所は、図書館にたくさんある「コビー」というブース。コンピュータとテーブル・ソファを備え、4〜5人が入れる。飲食も可。ここは少なくとも午前2時までは開いている」。インタビューの中である学生は(授業以外に)一日12時間はベンキョウだと話していた。

ビジネススクールでの授業形式は大学とはかなり違うとは思うが、1チーム3〜5人のプロジェクトチームによる授業運営は実験実習などには取り入れるとよいかもしれない。

「コビー」と呼ばれる小ブースはいいアイデアであると思う。従来はパソコンを設置してもっぱら一人で使うという発想だったが、コビーでは少人数のグループ(4〜5名まで)の共同作業を前提として作られているようだ。これはINSEADで行われる授業形態(少人数のプロジェクトチームによるケーススタディ、チームによるプレゼンテーションがたぶん学期末に行われる)に即して設備されたものであると思われる。たしかにパソコンは(たぶん)個人で所有しているので、大学設備としては共同作業に便利な環境を提供するべきということだろう。

大学にパソコンを設置するといっても、いまのところとにかく台数を増やすとか、せいぜいネットワークしてあるというような段階だ。いわゆるパソコン教育の段階。「コビー」のように授業形態に即した設備だとすばらしいなあと思う。大学でもどのような設備が必要なのか、どのように授業を展開しようとしているのかを合わせて考えていくべき。

「教室は定員80名ほどの扇型の階段教室。ノートパソコン→ビデオプロジェクタでプレゼン」。この教室は実験授業で使ったプレゼン教室によく似ている。

次回は4月18日(日)で、ハーバードビジネススクールの特集とのことだ。



■ノートブック日誌インデックス