教育における利用

コンピュータの教育における利用ではまず教材や授業の方法の改善に利用することができる。また、学内LANが充実してきているので、これを教育において利用するという点から以下のような3点が考えられる。

(1)授業用資料の作成(OHP、配布資料の作成)。

これは、従来の黒板・ガリ版の現代版といえるもので、この意味では単に黒板とわら半紙ががコンピュータに変わっただけである。しかし、コンピュータの能力から考えると、単に道具が変わったという変化のみではなさそうである。

授業で板書を主とするかOHP、はたまたパソコン等どのような伝達・表現形式をとるかは教員の選択すべき事柄であるが、経験的には、OHPなどを利用すると非常に話しやすいが、学生側からみた場合、教室によってははっきり見えないという問題や、「スムーズ」に進みすぎて、受動的な受講態度が形成されやすい恐れもある、と感じている。したがって、従前通りに黒板にチョークで書くというのがもっとも良い場合もあるはずだ。

OHPの資料を「米国」学会プレゼンテーション風に作るには、

いずれにせよ、この作業そのものが従来の「切り張り」作業よりも手間がかかったのでは長続きしないので、各自でお好みのソフトをもつことが必要である。(私の経験ではこのようなソフトウエアを利用するほうが手書き、切り張りよりも断然楽である(ときにはこのような手間をかけて大変だっただろうというような誤解や同情を受けることがある。実際は逆なのだが)。

(2)授業のフォローアップ

大学の講義は一般的には一方通行的なものである。常磐大学は少人数のクラスが他大学と比べて比較的多いが、それでも、講義内容のフォローアップ(学生は理解できたか。どのような点がわかりにくかったか)は教師にとって困難なものであろう。

これにはインターネットのホームページを利用することが有効であると考えている。

現在でも個人的にインターネットにアクセスしている学生にたいしては(まだ数はきわめて少ないのが残念であるが)、卒論指導など非常に効率的に行うことができる。このような学生は情報処理のスキルが他の学生と比して優れている。

(3)授業内容の公開(情報の公開・自己点検)

学内LANで授業の進展状況、内容、文献を掲示することで、これは同時にインターネットを通じて学外からもアクセスできるわけだから、履修者あるいは履修していない学生にも、(授業内容を知りたい)学外者も授業概要を把握することができる。講義をする側の私自身にとっては、授業の全体を把握し、開講科目名にふさわしい授業であるのかを判断する材料を公開することにもなると思う。

すくなくとも以上のようなことを考えて、ホームページを開き、できるだけ内容を更新しているが、これが実際にどの程度学習の助けになっているのかは私自身にも分からない。しかし、講義を補い、学習を助けるために必要な情報を得られるようにしたい、と考えている。

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