必要なものと欲しいもの

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目的 必要なものと欲しいものの特徴を理解する
対象 小学生(中学年・高学年)
時間 40分
準備 生徒2人(ペア)ごとに、「絵カード」([ pdf ファイル ]を参照)を1組切り取って入れた封筒と、 紙(その場で紙を2つ折して「必要なもの」と「欲しいもの」という見出しをつける)。

第1段階

各ペアは、カードの表を伏せて中央に束にして置きます。 1人ひとり順番にカードを1枚ずつめくり、それが自分たちの生活に欠かせないものであるか、それとも、単に欲しいものに過ぎないものかどうかを話し合います。 もし欠かせないものであれば、用紙の「必要なもの」の方へカードを置きます。 また、欲しいものではあるが必ずしも必要でないものであれば、「欲しいもの」の方へカードを置きます。 カードがなくなるまで続けます。

第2段階

次に、3組のペアが一緒になって6人のグループをつくります。 それぞれのペアの分類を比較して、どのようなところが共通していたか、どのようなところに違いがあったかを話し合います。 その後、グループでもう一度「必要なもの」と「欲しいもの」にカードを分けてみます。 今回は自分たちが、身体が不自由で車椅子を使っていると仮定して分類してみましょう。 グループでの作業が終わったら、クラス全体で、身体が不自由な場合には「必要なもの」と「欲しいもの」との分類にどのような違いがあるのか考えてみましょう。

第3段階

今度は、まったく異なる社会環境で暮らしていると想像してみます。 まず、それぞれのグループで、どのような状況で、どのように生活しているのかを話し合って決めます。 別の方法として、あらかじめ自分たちとは違う新しい環境を設定したカードをつくって、グループに渡してもよいでしょう。 例えば、次のような状況が考えられます。

  • いちばん議論を呼んだ施設の類似点は何だったのでしょうか?
  • 理由は環境的な影響だけでなく、道徳的な問題も含んでいますか?
  • 住民が施設の建設に反対な場合、どのような行動を起こすことができるでしょうか?
  • その施設の建設について代案を示すことができるでしょうか?
  • 表のすべてが5にランクづけされた場合、どんな問題が出てくるでしょうか。

それから、グループでカードを見直し、「必要なもの」と「欲しいもの」にもう一度分類してみます。 グループごとに意見を出しあった後、「必要なもの」と「欲しいもの」の違いについて話し合いを続けます。

  • 「必要なもの」は、世界中どこでも同じですか?国によって、また同じ国の中でも違いがありますか?
  • 誰もが必要とする人間にとって「必要不可欠なもの」はありますか?それはいつも十分あるものですか?
  • 「欲しいもの」は、どんな基準で決められますか?また「欲しいもの」は、年齢、性別、文化、貧富の差によって違うものですか?
  • 人間にとって「必要なもの」と動物にとって「必要なもの」には、違いがあるでしょうか?どちらも同じように大切なものですか?
  • 例えば肉や魚が食べたいというように、自分たちの欲求を満たすために、他の生き物を犠牲にしてもよいのでしょうか?

このアクティビティは、「必要なもの」と「欲しいもの」との違いを考えさせ、すべての人間にとって必要不可欠なものがあるかどうかを考えるのに役立ちます。

また、まったく異なる社会状況や政治状況におかれている人々のことについて考え、何が「必要なもの」で何が「欲しいもの」かを判断するときに、 どのくらい社会的・文化的な条件が影響しているのかを理解することができます。