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ノートパソコン実験授業・レポート
■ノートブック日誌インデックス
レポートのアウトライン・本文を、98/11/8(日)の日誌に追記していくことにしたが、ファイルを独立にしておいた方が便利ではないか、と考え直した。
- 前提となる環境(現状の設備でできること、できないこと。必要な環境。)
- このレポートは教員側から見た、ノートパソコンを授業で利用して、授業の質を改善できるかという点をまとめる。
- ノートパソコンを利用することで授業がどのように変わったか。
- ノートパソコンを利用することでどのような授業が可能だろうか。
- なにが具体的に改善される(された)のか(教員側からみて)
- 昨年までの授業形態
- 講義形式の授業ではOHP資料が中心。話の展開はフローチャートのOHPを中心にして、資料(写真、図表)はほとんどOHPによって提示していた。
- 心理学研究法は講義と演習の中間的な性格をもつ科目である。こちらもOHPを利用するが、計算過程は黒板に板書。数回電算室で実習をおこなっていた。
- 秋セメよりノートパソコンを利用するようになり、教室変更。ノートパソコンからプロジェクターによりプレゼンテーション形式へ。プレゼンテーションスライドは、OHPのフローチャートを文章により順次示した。写真、図表についてはデジタル化がまにあわなかったので従来どうりOHPで提示。
- その結果、授業の変化としては
- 「きれいな板書」:プレゼンテーションスライドを利用
- スマートな資料提示:プレゼンテーションスライドは「マルチメディア」資料をスマートに提示できる。今回の授業では「知覚心理学」で「音声知覚」や「聴覚心理学」の現象を具体的に提示することができた。テープでもできないことではないのだが、説明をしながら「頭出し」などに悩まされることがないので非常に便利だった。
- 授業用プレゼンテーション資料のWeb公開:授業で使ったプレゼンテーションスライドはHTML形式に変換できるので、インターネットのホームページで「閲覧」することができる。復習や「欠席」の場合に利用することができる。
- 講義要項のWeb公開(自己点検・他者点検・科目内容の的確性):これは昨年度よりホームページにややくわしい講義要項を公開しているので変わらない。秋セメより、上のように「授業内容」そのものの「公開」が可能になったので、開講科目として内容がふさわしいかどうかを判定する資料とすることができる。また、Webページによる公開の非常に有利な点として、印刷された「講義要項」よりもはるかに多くのスペースで、くわしい内容や参考文献、研究論文、関連情報を知らせることができる。更新も簡単にできるので、常に新しい情報を公開できる。
- なにが具体的に改善される(された)のか(学生側からみて)
- 以上のような講義の変化は、学生側からみた場合には、従来の講義・授業形式よりも改善されたという印象があるのではないだろうか。
- ノートパソコンとインターネット環境により(可能となる)あたらしい教育サービス(教育、研究、学務事務)
- PSIコース(個別学習システム)の実施
- メールマガジン(大学・学部・学科(専攻)発行・個人発行)
- 教務・学務情報のWebサービス
証明書類の「申し込み」、その他の掲示類の情報
- 各種「相談」
- 学生全員ノートパソコンを持つことの問題
- デメリット
- 学生側(経済的負担・機種の好み・常に携行できるか)
- 教員側(経済的負担・パソコン環境への習熟・授業準備に要する時間の増大)
- 大学側(設備の負担)
- 他大学の状況
神奈川歯科大学:新学問のすすめ: Computer
Networkの活用(97/12)http://www.kdcnet.ac.jp/camplan/index.htm
神奈川歯科大学では教育や研究、大学運営のためのネットワークシステムを構築している。
新学問のすすめ: 「Computer
Networkによる講義の効率化・深化」を中心にして、学生の学習のための環境整備に重点が置かれている。「教室でのプレゼンテーション」
学生側へのアドバイスとして、「学生:講義の内容をゲットする、良く理解できないことを調べる、学生からのメールによる質問と回答」など体系的。
明治大学:パソコンとインターネットをもちいた実験授業(PCプロジェクト)中間報告書(98/6)http://www.isc.meiji.ac.jp/~pcp/report97/index.html
明治大学の例は以前にも書いた。明治大学ではかなり本格的な実験授業を実践し、中間報告がだされている。参加教員人文、社会、理工系各学部から31名にのぼり、各教員の実験授業経過報告が行われている。非常に成功している例と、「大失敗であった」という例まで報告されている。かなり詳細な報告書になっている。サポート体制・ガイドライン(案)、展望、所感・学生の感想。
-
- 予想される問題1
- 全員に「支給」したケースでの問題
- 電算室を空き時間に「解放」したばあいに生じた問題
- これらに対する対応
- 予想される問題2(教員側、学生側、学務・教務事務)
- 学生:初期投資(購入価格)
- 「機種」の好み
- 学生にとってもわれわれにとってもパソコンはまだまだ高価なモノである。しかし、コンピュータ各社の広告をみていると、個人ユーザーに対する「リース」や「低金利ローン」の広告を最近よく見かける。たとえば、アップルコンピュータは、「アップルスマートローン。月々2300円の支払いでiMacを入手。」というような広告をしている。20万円を最長36回までのローンが可能で(ボーナス併用)、だいたい月2300円、ボーナス月(年2回)2万円で、支払い総額20万3千円とほぼ無利子。また、Dellコンピュータでは、デスクトップモデルV333(Celeron
333MHz)191000円の60ヶ月リースは月々3900円などと広告している。しかし、数ヶ月たつと同等の製品は数万円低下する。アメリカでは1000ドルパソコンの時代をすでに終えて、600ドルパソコンのレベルに入っている。
- 私は「借金などするものではない。してはいかん。」というように教えられて育ったので、このような「借金」を勧めるのは躊躇する。もし、大学でパソコンを全員に持たせるということを、実施するとすれば、大学がローンによってパソコンを購入し、学生は「使用料」を3年くらいで支払う、というようにすればよいのかもしれない。このような対応や配慮がなされないばあいには全員購入はちょっと無理かもしれない。
- 教員:
- 初期投資(ノートパソコン支給?)
- パソコン環境への習熟
- 授業準備に要する時間
- 講義時のセットアップ(移動式のプロジェクタ等の)TAをつかえるか?
- だれがトラブルに対応するか
- 事故対策(故障、紛失、盗難)
- 保守・維持・トラブル対策
- 回線・迂回回線・ミラーサイト
- インターネット・イントラネット
- ノートパソコンとインターネットについて、TF(ティーチング・フェロー:学生・大学院生)が必要
- 予想される問題3(インターネット関連)
- インターネットは世界に開放されているので、ネット上でのトラブルに遭遇する可能性もある。
- 有料コンテンツの問題や「ショッピング」での詐欺被害の防止(インターネット教育が重要)
- 有害メールや「有害」コンテンツの問題
- 必要な教室設備:ノートパソコンによる授業を実施するための。
- 「プレゼンテーション会議形式」授業用教室(50−55名対応):学生が各自のノートパソコンを「持参」
- 必要な教室設備:教室内LANコンセント、プリンター、電源、OHP、スクリーン、スピーカ設備
- 教師のノートパソコンから各学生のノートパソコンに「放送」すればよいので、教室の各座席にLANコネクターが人数分用意されていれば可能。
- プレゼンテーション用教室(現在はR001-4):教員が講義等にノートパソコンをプロジェクターに接続して利用。
- 必要な教室設備:LAN(学内サーバーへの)、プロジェクター、OHP、スクリーン(2)、スピーカ設備:ノートは教員が持参・または教室設置。
- 教室設備の故障対策
- 必要な教室設備:電算教室(受講者個々にパソコン。授業で毎回使用)
- 電算授業の展開上の必要。
- 語学授業の展開上
- 実験・実習授業の展開
- その他の授業
- まとめ・結論
- ノートパソコンを教育の質の改善に利用するとき、むしろ重要なのは充実したネットワーク環境である。
- われわれの学部が情報化社会への対応と基礎教育として「ノートパソコン」の教育が重要であると考えるのであれば、大学としてその教育のための環境を設備することが必要である。
- 実際には電算教室は(現状の設備よりも)簡便なもので十分なので、安価なシステムで6教室くらい準備すれば十分運用できるのではないだろうか。
- 電算室の時間外の解放(早朝、夜)。待ち時間を解消できる程度の台数のパソコンを備えた「自習室」を用意し、できるかぎり長時間解放する。
- 大学としては購入を推奨し、バックアップする(ボリューム・アカデミック・ディスカウント)
- 学生全員に「強制的に」購入させるということは現実的ではない。
- すでに所有している・家庭にある。
- 経済的にどうしても無理というケースもあるだろう。
- 学生本人が買う必要性を認識できない。
- 電算実習費の問題。もし、学生に購入を求める場合には、大学は必要台数のパソコンまたはノートパソコンを「リース」によって設備し、学生は「使用料」を支払う。
- ノートパソコンを所持することによるメリット、インセンティブの充実をはかる必要があるが、各科目どの程度対応できるだろうか。
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- 各学科専攻の実習費の問題
- ノートパソコンならではの利点
■ノートブック日誌インデックス