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ホーム > INFORMATION > 茨城県立緑岡高等学校海外研修事前プログラム第8回(最終回)が行われました

茨城県立緑岡高等学校海外研修事前プログラム第8回(最終回)が行われました


1.貧困をなくそう

2.飢餓をゼロに

3.すべての人に健康と福祉を

11 住み続けられるまちづくりを

12.つくる責任つかう責任

13.気候変動に具体的な対策を

2022年3月24日(木)に、常磐大学がサポートする茨城県立緑岡高等学校「海外事前研修プログラム」の集大成として、緑岡高校の生徒の皆さんが、本学協定校であるランガラ・カレッジ(カナダ)の学生に向けて、オンラインによる英語プレゼンテーションを行いました。

生徒の皆さんは、昨年の10月に開始した本研修において、緑岡高校の先生方のご支援や、本学教員の指導を受けながら「SDGsと貧困」、「SDGsとジェンダー」、「SDGsと食品ロス」の5名ずつ3グループに分かれ、プレゼンテーションに向けた準備に取り組んできました。最終回となる第8回は、その成果が遺憾なく発揮される場となりました。
本学の富田敬子学長の英語でのオープニングスピーチにより幕を開け、これまでの半年間、研修に携わった緑岡高校の生徒の皆さんや本学教員に向けての労いの言葉や、どのようなプレゼンテーションが完成したのかを見るのが楽しみであると述べられました。

最初に発表を行った「SDGsと貧困」班は、現代の日本社会における貧困問題について、特にシングルマザー家庭の収入が低いことや、支援体制が不十分なこと等について説明しました。

これまでの研修で学んだことを生かし、「子ども食堂」を通じての貧困家庭の子ども達への食事提供や学習支援、NPO法人「フードバンク茨城」が実施している「きずなBOX」(食料品を回収し、必要な人に届ける活動)、ソーシャルメディアを通じ「子ども食堂」の情報を利用者やボランティアに広めること等、私たちが実践可能な具体的な支援策について提案を行いました。

次の「SDGsとジェンダー」班は、日常に存在するジェンダー格差の事例を紹介しました。修学旅行で女子生徒のみエレベーターの使用が許されたこと、重い物を運ぶのは男子生徒の役割であること、昔から放送されているテレビアニメでは、男の子のキャラクターが多く登場し、女の子のキャラクターが少なく、性格の描写にもステレオタイプがあること、多くの家庭で、お弁当を作るのは母親の役目であること等が紹介され、これまで私たちの生活において「当たり前」とされてきたことが無意識のうちにジェンダーギャップに繋がっていることに気づかされました。

プレゼンテーションの最後には、発表者の家庭において、家事の分担表を作成し、家族一人ひとりが家事に取り組むようにしたことを紹介し、私達にも実践可能な、身近な改善策を提案しました。

最後の「SDGsと食品ロス」班は、飢餓に苦しむ人々がいる一方、まだ食べられる大量の食糧を廃棄している国もあることに着目し、日本の食品ロス問題の現状について発表しました。

現在の日本では、年間600万トン以上の食料が廃棄され、その約半数が家庭から発生していること、実際にスーパーマーケットやコンビニへ行き、販売されている食べ物の賞味期限の短さを実感したことや、発表者の各家庭において、毎食どの程度の食品ロスが発生しているかを調べ、食品の廃棄のみではなく、プラスチックごみが発生している事例を紹介しました。

発表の最後には、フードバンクの活動に参加することや、食事の際、「いただきます」「ごちそうさま」と言って、食品に関わっている全ての人に感謝をする日本の習慣について紹介し、その習慣が食品ロスを削減する意識を高めることに繋がるのではないかと提案しました。

プレゼンテーション終了後は、2グループに分かれ、ランガラ・カレッジの参加者と英語で交流会を行いました。「いつもカバンに入っている物」、「好きなミュージシャン」、「伝統的な食べ物」等、フリートークを行い、お互いの文化や生活習慣の違いを知る貴重な機会となりました。

また、生徒の皆さんは、用意した小風呂敷を見せながら、使い方や、描かれている柄の意味を説明しました。ランガラ・カレッジの参加者は、日本に興味のある学生が多く、大変喜んでいただきました。小風呂敷は、緑岡高校の生徒の皆さんからのプレゼントとして、後日ランガラ・カレッジへ発送予定です。

交流会終了後には、ランガラ・カレッジの学生より寄せられた、各プレゼンテーションに対する質問に対し、各グループの代表者が回答を行いました。

「SDGsと貧困」班へは、「現在、学内で実際に行っている活動はありますか」という質問が寄せられ、今後、高校において、様々なボランティア活動に携われるクラブの創設を計画していることが報告されました。

「SDGsとジェンダー」班へは、「高校生が自分で食事を作るようになれば、家庭内でのジェンダー平等を向上することができると思うか」という質問が寄せられ、早起きしてお弁当を作ることは大変だが、自分でお弁当を作ることができれば、家庭内でのジェンダー平等を改善できると思うと回答しました。
「学校給食はあるのか」との質問があり、茨城県内のほとんどの小・中学校には給食があるが、高校にはないところが多いと回答しました。また、給食とお弁当両方の利点を説明したうえで、給食があることで、家事の負担が減らせるため、ジェンダー平等につながるのではないかと説明しました。
「SDGsと食品」班への質問は、「カナダには、レストランで食べきれなかった際に持ち帰ることのできる袋(「ドギーバック」)があるが、日本ではどうか」との質問が寄せられ、ドギーバックを使用している店もあるが、日本では食品の安全性が重視されるため、あまり普及していない現状を説明しました。

また、「スーパーマーケットで廃棄された食品は、フードバンクに提供されるのか」という質問に対し、日本では食中毒の懸念があるため、フードバンクへの食品提供を行っている店は少なく、一般的でないことを説明しました。

半年間にわたる研修で、緑岡高校の生徒の皆さんは、富田敬子学長の国連での勤務経験を生かした英語でのSDGs講義から始まり、本学教員が提供する講義やワークショップに懸命に取り組み、SGDsに関する学びを深めてきました。

プレゼンテーションでは、高校の授業や試験勉強などの時間的な制約や、コロナ禍で学校に登校できない期間があったなか、学んだ知識を発表するのみならず、現代社会が抱える問題について、自ら解決策を考え、行動しようとする姿勢を見せてくれました。次年度は、世界的に蔓延している新型コロナウイルス感染症の脅威が収まり、生徒の皆さんが実際に海外研修に赴き、より多くの学びの経験を得られることを心よりお祈りいたします。